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スマイル3・王様がコロッケに興奮
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仕方ないからアイツの分も用意して、十二個のオムライスにコロッケを乗せて、コロッケの乗っていないのは私とアイツの分で、合計十四個のオムライスを作り、子供たちと手分けして運んだ。
食堂に入ると、セクハラ大王はちゃっかり子供たちに混じって席に着いていた。
「さぁ、皆で食べましょう! もう、手は洗いましたか?」
「はーい!」
「それでは今日も、楽しく生きている事と美味しいご飯が食べられる事に感謝して・・・・いただききます」
「いただきまーす!!」
全員きちんと両手を揃えて、神様ありがとうございます、と一礼した後、すぐにオムライスとコロッケに飛び付いた。
今日のご飯、みんな楽しみにしていたもんね。
子供たちが喜んで笑顔を見せてくれることが、何より嬉しい。
「お兄さん、ちゃんと『いただきます』して、神様にお祈りしなきゃダメなんだよ」
成り行きが飲み込めていないセクハラ大王が黙っていたから、リョウ君が説教を始めた。
「ミュー先生のオムライス、美味しいんだよ! お兄さんも一緒に食べよう。ご飯は皆で食べたら、もっともっと美味しいんだよ!」
「あ、ああ・・・・」
リョウ君に言われて、アイツは素直に両手を合わせてお祈りを始めた。物凄く真剣に祈っているわ。何だ。素直な所、あるのね。何故か子供たちに気に入られているし。不思議な男。
「はい、よく出来ました。もう食べてもいいですよ」
リョウ君がセクハラ大王にオーケーサインを出した。ふふっ、リョウ君可愛い。
解禁をもらったものだから、早速アイツがオムライスを一口食べた。すると、凄く驚いた顔を見せて、美味い、と呟いている。
「お兄さん、美味しいでしょ」
「ああ、美味いな。どこのシェフが作ったんだ?」
「シェフ? えーっと、作ったのは、ミュー先生だよ! 美味しいでしょ? 今日はコロッケの特売日だから、オムライスが食べれるんだ! ずっと楽しみにしてたんだー! あぁ、美味しいっ」
リョウ君がオムライスのご飯粒を口にくっつけたまま、満面の笑みを零した。
本当に可愛いわ。明るくて素直で、その笑顔に何時も癒されている。
「おい、ミュー。俺様の皿にコロッケがねーぞ」
コロッケの事を聞いたアイツは、自分のお皿の上にコロッケが無い事について、私に文句言って来た。
タダで昼食ご馳走になっておきながら、図々しい男ね、全く。やっぱり昼食代として、三百円くらい請求しようかしら。
「仕方ないでしょ。アンタがつまらない話を持ってきて私を足止めさせるから、子供たちの分しかコロッケ買えなかったのよ」
そう言ったらリョウ君がコロッケを半分に切って、アイツのお皿の上にその半分を置いてくれた。「お兄さん、僕の半分あげるよ」
更に、私の隣に座っていたリカちゃんが「先生、私の半分あげる」と言って、私のお皿にコロッケを乗せてくれた。
何て優しいの!
特にこのセクハラ大王なんかには、勿体ないから貴重なコロッケまで食べさせなくてもいいのに。
胸がいっぱいになった。
「リカちゃん、有難う。リョウ君も」
子供に向かって笑顔でお礼を伝え、お礼のひとつも言えないセクハラ大王には、険しい顔を向けた。「アンタも、ちゃんとリョウ君にお礼、言いなさいよ」
ちょっと不機嫌そうな顔をしていたけれど、セクハラ大王はちゃんと、アリガトよ、ってリョウ君にお礼を言っていた。
やればできるじゃない。
「全然いーよっ! こんなに美味しいご馳走、お兄さんだけ食べられないの、カワイソウだもん」
何か複雑な顔をしていたけど、セクハラ大王はリョウ君が分けてくれたコロッケを頬張った。
「んっ・・・・スゲー、美味い」セクハラ大王が興奮して叫んだ。「何だこのコロッケ! スゲー、美味いんだけど!」
あら。お金持ちのクセに、庶民のコロッケでも美味しいって思うんだ。
ちょっとだけ大王に親近感が沸いた。
「そうなの。美味しいでしょっ、このコロッケ。しかも三個で百円の特売だから、発売した瞬間売り切れるのよ。だから、何時も急いで買いに行くの」
「ひゃ・・・・百円!?」
大王が目を剥いた。
あまりの安さに驚いているのね。うふふ。
貴方みたいなお金持ちの男は、きっとお財布に百円玉なんて入ってないんでしょうね。
だったら、貴方がコロッケ買いに行っても、残念ながら買う事ができないわね。
「そっ、百円! 安いけど美味しいでしょ? これ、私が作ったオムライスに不思議と良く合うの。今日はギリギリセーフだったから全員分買えなかったけど、こうやって皆で食べれて良かった!」
神様。今日も美味しいご飯を食べれる事、心から感謝します。
これからもこのオムライスとコロッケが、みんなと分け合って食べれますように――
食堂に入ると、セクハラ大王はちゃっかり子供たちに混じって席に着いていた。
「さぁ、皆で食べましょう! もう、手は洗いましたか?」
「はーい!」
「それでは今日も、楽しく生きている事と美味しいご飯が食べられる事に感謝して・・・・いただききます」
「いただきまーす!!」
全員きちんと両手を揃えて、神様ありがとうございます、と一礼した後、すぐにオムライスとコロッケに飛び付いた。
今日のご飯、みんな楽しみにしていたもんね。
子供たちが喜んで笑顔を見せてくれることが、何より嬉しい。
「お兄さん、ちゃんと『いただきます』して、神様にお祈りしなきゃダメなんだよ」
成り行きが飲み込めていないセクハラ大王が黙っていたから、リョウ君が説教を始めた。
「ミュー先生のオムライス、美味しいんだよ! お兄さんも一緒に食べよう。ご飯は皆で食べたら、もっともっと美味しいんだよ!」
「あ、ああ・・・・」
リョウ君に言われて、アイツは素直に両手を合わせてお祈りを始めた。物凄く真剣に祈っているわ。何だ。素直な所、あるのね。何故か子供たちに気に入られているし。不思議な男。
「はい、よく出来ました。もう食べてもいいですよ」
リョウ君がセクハラ大王にオーケーサインを出した。ふふっ、リョウ君可愛い。
解禁をもらったものだから、早速アイツがオムライスを一口食べた。すると、凄く驚いた顔を見せて、美味い、と呟いている。
「お兄さん、美味しいでしょ」
「ああ、美味いな。どこのシェフが作ったんだ?」
「シェフ? えーっと、作ったのは、ミュー先生だよ! 美味しいでしょ? 今日はコロッケの特売日だから、オムライスが食べれるんだ! ずっと楽しみにしてたんだー! あぁ、美味しいっ」
リョウ君がオムライスのご飯粒を口にくっつけたまま、満面の笑みを零した。
本当に可愛いわ。明るくて素直で、その笑顔に何時も癒されている。
「おい、ミュー。俺様の皿にコロッケがねーぞ」
コロッケの事を聞いたアイツは、自分のお皿の上にコロッケが無い事について、私に文句言って来た。
タダで昼食ご馳走になっておきながら、図々しい男ね、全く。やっぱり昼食代として、三百円くらい請求しようかしら。
「仕方ないでしょ。アンタがつまらない話を持ってきて私を足止めさせるから、子供たちの分しかコロッケ買えなかったのよ」
そう言ったらリョウ君がコロッケを半分に切って、アイツのお皿の上にその半分を置いてくれた。「お兄さん、僕の半分あげるよ」
更に、私の隣に座っていたリカちゃんが「先生、私の半分あげる」と言って、私のお皿にコロッケを乗せてくれた。
何て優しいの!
特にこのセクハラ大王なんかには、勿体ないから貴重なコロッケまで食べさせなくてもいいのに。
胸がいっぱいになった。
「リカちゃん、有難う。リョウ君も」
子供に向かって笑顔でお礼を伝え、お礼のひとつも言えないセクハラ大王には、険しい顔を向けた。「アンタも、ちゃんとリョウ君にお礼、言いなさいよ」
ちょっと不機嫌そうな顔をしていたけれど、セクハラ大王はちゃんと、アリガトよ、ってリョウ君にお礼を言っていた。
やればできるじゃない。
「全然いーよっ! こんなに美味しいご馳走、お兄さんだけ食べられないの、カワイソウだもん」
何か複雑な顔をしていたけど、セクハラ大王はリョウ君が分けてくれたコロッケを頬張った。
「んっ・・・・スゲー、美味い」セクハラ大王が興奮して叫んだ。「何だこのコロッケ! スゲー、美味いんだけど!」
あら。お金持ちのクセに、庶民のコロッケでも美味しいって思うんだ。
ちょっとだけ大王に親近感が沸いた。
「そうなの。美味しいでしょっ、このコロッケ。しかも三個で百円の特売だから、発売した瞬間売り切れるのよ。だから、何時も急いで買いに行くの」
「ひゃ・・・・百円!?」
大王が目を剥いた。
あまりの安さに驚いているのね。うふふ。
貴方みたいなお金持ちの男は、きっとお財布に百円玉なんて入ってないんでしょうね。
だったら、貴方がコロッケ買いに行っても、残念ながら買う事ができないわね。
「そっ、百円! 安いけど美味しいでしょ? これ、私が作ったオムライスに不思議と良く合うの。今日はギリギリセーフだったから全員分買えなかったけど、こうやって皆で食べれて良かった!」
神様。今日も美味しいご飯を食べれる事、心から感謝します。
これからもこのオムライスとコロッケが、みんなと分け合って食べれますように――
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