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逆ライバル? 3

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 美羽のセリフを聞いて、畳みかけるように真凛が言った。「じゃあ、いーじゃん。王雅のコト、狙ってもいーでしょ? ミューちゃんはお兄と結婚の約束もしてるし、余った王雅がカワイソウだから、私が引き受けるよ。これで問題ないよねっ!」

 問題ありまくりだっつーの!! しかも余りもの扱いって・・・・。
 ここまでさっぱり言われると、逆に腹が立たないのが不思議だ。

「俺の意思は無視かよ! 真凛、俺は美羽が好きなんだ。だから――」

「ああっ、素敵! もっと名前呼んで、王雅っ。その声、痺れちゃう!」

「聞けっ! 人のハナシ!!」

 何じゃコイツは! こんな訳の分からん女、初めてだ。

「とりあえず行こっ! 今日は私も御飯作ったのよ。王雅、いっぱい食べて!」

 腕を掴まれ、食堂へ引っ張って行かれた。



 ちょっ・・・・。真凛、スゲーパワーの女だ。



 大丈夫か、俺!?



 何故か、真凛に狙われちまったぞ!



 これで美羽がヤキモチ焼いて、真凛に嫉妬・・・・とかいう乙女漫画的オイシイ展開になったりしねーかなぁ。
 しかし、俺が自らヤキモチを焼かせるために真凛にベタベタすると、勘違いされそーだ。
 美羽は超絶ニブい上、人間不信だからな。俺の挙動結果で変な判断を下されても困る。

 訳の分からない展開になってしまったが、これは、上手く利用するしかない。

 これはビジネスチャンスならぬ、美羽チャンスだ。そう思う事にした。


 でも、美羽がヤキモチ焼いたり・・・・って、どんなだろう。考えてみよう。



――――・・・・



――何、ふくれっ面してんだよ。

――してないわっ。放っておいて。

――怒るなよ。俺様のキモチ、お前、解ってんだろ? 真凛が勝手に付きまとってきてるだけじゃねーか。ヤキモチ焼くなよ。

――でも・・・・

 美羽がすねた顔を見せた。カワイイ。マジカワイイ。俺様のハートがキュンキュンしてる。

――怒るってコトは、お前、俺様が好きなのかよ?

 美羽は怒った顔をして俯いた。

 
――そんなんじゃ、真凛に俺を盗られちまうぞ? いーのか? 素直になれよ。俺が好きだって、言えよ。

――そんな・・・・言えるワケないじゃない・・・・

――恥ずかしがるなよ。じゃ、俺が好きなら目を閉じろ。それで赦してやる。

 俯いていた彼女の顎に手をかけ、顔を上げさせて見つめた。
 潤んだ瞳と目が合い、美羽が俺を見つめている。
 彼女を見つめ返していると、ゆっくりと瞳が閉じられた。


――王雅。本当は貴方の事、好きなの・・・・真凛ちゃんと、仲良くしないで・・・・


 彼女が小さな声で、俺にキモチを打ち明けてくれた。



 なっ、なっ・・・・なんちゅう可愛さ!! イカン! 俺、もう我慢の限界っ!!



 真凛なんか眼中にねーよ。それを、お前の身体に教えてやる。
 今からお前を、メチャクチャ愛して可愛がってやるぜ――・・・・




 いやっ。いーんじゃね!?
 ヤキモチ、最高!!



 しかし俺の想像とは違って現実はそう甘くないという事を、これからすぐ痛感することになる。
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