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7.自分の気持ちを再確認(今更どうにもできない)
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嫌な感触がまだ残っている。唇にも、肩にも、そして、胸にも。
全て、私の初めてなのに。
今朝、頬に口づけてくれた福士社長の唇は熱かった。もう諦めなきゃ、普段通りの私でいなきゃいけないと思って突っぱねちゃったけれど、本当はもっと欲しいって、彼のものなら、吐息でさえ愛しいと感じるのに。
どうして今、思い出してしまうの。
「やだ・・・・なんで・・・・」
涙が、ぽたぽたとリクルートスーツのスカートの上に落ちて、少しだけシミを作った。
福士社長――
彼への気持ちを意識した途端、こんなに愛しさを感じるなんて。ずっと冷たくあしらっていたのに、今更どうしていいのか解らない。
天然でちょっとボケた所もあるけれど、誰よりも社員を大切にして、取引先を大切にして、商品を大切にして、何時も全力で靴づくりに向かうその姿勢が、彼の底なしに明るく、占い好きでボケた所も、なんか短所みたいな所も、全部大好きだと気が付いた。
この一年間、一緒に仕事をするのがとても楽しかった。明るい笑顔が似合う彼の下で、チャキチャキと仕事をこなす自分が誇らしかったと思う。きっと、知らないうちに彼に惹かれていたのだ。ボケた所はあるけれど、大きな背中で大勢の従業員を抱え、取引先を抱え、彼らの生活までもを丸ごと背負って、二代目ながら立派に父親の跡を継ぎ、それ以上の功績を遺すべく、福士成彰は頂点に立っている。重圧に押しつぶされる事無く、明るく、笑顔で。
「福士社長・・・・好き・・・・です・・・・」
思わず呟いてしまった、彼への届かない思い。
こうなる前に、もう少し何とかできなかったのだろうか。せめて私も、彼が好きだと言いたかった。
後悔ばかりが押し寄せ、涙となって私の頬を流れて行く。
あと、もう少し。
もう少ししたら、フクシを退職する事になる。彼の傍にも、いられなくなる。
だからそれまでは、福士社長。
貴方を好きでいていいですか――?
全て、私の初めてなのに。
今朝、頬に口づけてくれた福士社長の唇は熱かった。もう諦めなきゃ、普段通りの私でいなきゃいけないと思って突っぱねちゃったけれど、本当はもっと欲しいって、彼のものなら、吐息でさえ愛しいと感じるのに。
どうして今、思い出してしまうの。
「やだ・・・・なんで・・・・」
涙が、ぽたぽたとリクルートスーツのスカートの上に落ちて、少しだけシミを作った。
福士社長――
彼への気持ちを意識した途端、こんなに愛しさを感じるなんて。ずっと冷たくあしらっていたのに、今更どうしていいのか解らない。
天然でちょっとボケた所もあるけれど、誰よりも社員を大切にして、取引先を大切にして、商品を大切にして、何時も全力で靴づくりに向かうその姿勢が、彼の底なしに明るく、占い好きでボケた所も、なんか短所みたいな所も、全部大好きだと気が付いた。
この一年間、一緒に仕事をするのがとても楽しかった。明るい笑顔が似合う彼の下で、チャキチャキと仕事をこなす自分が誇らしかったと思う。きっと、知らないうちに彼に惹かれていたのだ。ボケた所はあるけれど、大きな背中で大勢の従業員を抱え、取引先を抱え、彼らの生活までもを丸ごと背負って、二代目ながら立派に父親の跡を継ぎ、それ以上の功績を遺すべく、福士成彰は頂点に立っている。重圧に押しつぶされる事無く、明るく、笑顔で。
「福士社長・・・・好き・・・・です・・・・」
思わず呟いてしまった、彼への届かない思い。
こうなる前に、もう少し何とかできなかったのだろうか。せめて私も、彼が好きだと言いたかった。
後悔ばかりが押し寄せ、涙となって私の頬を流れて行く。
あと、もう少し。
もう少ししたら、フクシを退職する事になる。彼の傍にも、いられなくなる。
だからそれまでは、福士社長。
貴方を好きでいていいですか――?
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