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3.雇い主(組長)に聞いて、鬼執事(若頭)の好みをリサーチしてみます。
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翌日。そのまた翌日の翌日。で、週末の金曜日。
今週はめいっぱい、中松さんにガシガシとシゴかれた。
辛いわ――っ!
腰が! 背中が! 脚が!!
そんなに細い方じゃないけれど、そんなに太い方でもなかったのに脚はむくんでパンパンだし、腰と背中は壊滅的に痛いし、何かボロボロだし、もーって感じ!
姉に湿布を貼ってもらっているこの時間が、なんとも言えない天国の時間。
お屋敷に来て、修業を始めて早五日。週末となった。もう・・・・ギブですわ。身体が・・・・。
コンコン
ノックが掛かったので、お姉ちゃんが対応してくれた。
「そうなの? ありがとう。伝えるね」
何やらお姉ちゃんと話をして、ノックの主は去って行った。
「今の、中松よ」
「そうなの? 私に小言でも言いに来たの?」
ウゲー、と嫌そうな顔を見せ、顔を思いきりしかめた。
「ううん。バラのお風呂入れたから、美緒に入って貰うように伝えて、だって。すごくスベスベになるし、いい香りで気持ちいいのよ。中松が美緒の為にバラをたっぷり取り寄せてくれたみたい」
「ええ・・・・なにそれ・・・・惚れてまうやろー・・・・」
一世風靡したお笑い芸人のギャグが、思わず口をついて出た。
いやもう既に惚れているのだが。
「ふふ。中松も美緒の頑張りに期待しているのよ。入ってきたら?」
「湿布勿体ないよ。貼った所なのに」
「湿布なら、一矢が沢山用意してくれたから、気にしないで、折角だから、ね?」
「そ、そお? じゃあ・・・・行ってこようかな」
お姉ちゃんが勧めてくれたので、バスルームへ直行した。
結局修業後、恐れ多くて自宅に送ってもらってばかりだったから、実は三成家のお風呂に入るのは初めてなのよね。着替えは持ってきていないから、汚れているけど、仕方ない。もう一度これを着たらいいかぁ。
早速服を脱いで中へ入ると、ここは温泉・スパワールドみたいな世界になった。これが自宅の家風呂!?
信じられないよ、ホントに。
大きなお風呂だし!
キラキラしてるし!
高級温泉みたいだし!!
中松さんが用意してくれたという、バラの花びらが散りばめられているお風呂に浸かる事にした。
お湯加減も気持ち良くて、最高。
はー。生き返るぅー。
高く白い天井を見つめながら、ぼんやり考えた。このまま・・・・ニセカノをやりきった場合、私に何のメリットもないよねぇー・・・・。苦しい思いさせられ損じゃん。
中松さんは相変わらず涼しい顔をして、私にビシバシ鬼教育するだけだし。惚れさせるなんて相当無理案件。
うーん・・・・悔しいなぁ・・・・。
ちょっとイチ君に相談してみようかな。中松さんの弱点は無いのか、って。
よし。そーだ。そーだ。雇い主なら少しくらい、中松さんの嫌いなものとか弱みとか知っているでしょ。
汗で汚れた身体や頭を洗って、再びバラ風呂に浸かって外に出た。これ、何ルームっていうの? 脱衣所的な? 実家じゃそう呼んでいるけれど、広いし綺麗だし脱衣所っていう単語が全く似合わない所で、用意されているふかふかのバスタオルに包まれた。
わぁー。すんごい柔らかい。うちのガシガシの使い古しのバスタオルとは大違いだ。
今週はめいっぱい、中松さんにガシガシとシゴかれた。
辛いわ――っ!
腰が! 背中が! 脚が!!
そんなに細い方じゃないけれど、そんなに太い方でもなかったのに脚はむくんでパンパンだし、腰と背中は壊滅的に痛いし、何かボロボロだし、もーって感じ!
姉に湿布を貼ってもらっているこの時間が、なんとも言えない天国の時間。
お屋敷に来て、修業を始めて早五日。週末となった。もう・・・・ギブですわ。身体が・・・・。
コンコン
ノックが掛かったので、お姉ちゃんが対応してくれた。
「そうなの? ありがとう。伝えるね」
何やらお姉ちゃんと話をして、ノックの主は去って行った。
「今の、中松よ」
「そうなの? 私に小言でも言いに来たの?」
ウゲー、と嫌そうな顔を見せ、顔を思いきりしかめた。
「ううん。バラのお風呂入れたから、美緒に入って貰うように伝えて、だって。すごくスベスベになるし、いい香りで気持ちいいのよ。中松が美緒の為にバラをたっぷり取り寄せてくれたみたい」
「ええ・・・・なにそれ・・・・惚れてまうやろー・・・・」
一世風靡したお笑い芸人のギャグが、思わず口をついて出た。
いやもう既に惚れているのだが。
「ふふ。中松も美緒の頑張りに期待しているのよ。入ってきたら?」
「湿布勿体ないよ。貼った所なのに」
「湿布なら、一矢が沢山用意してくれたから、気にしないで、折角だから、ね?」
「そ、そお? じゃあ・・・・行ってこようかな」
お姉ちゃんが勧めてくれたので、バスルームへ直行した。
結局修業後、恐れ多くて自宅に送ってもらってばかりだったから、実は三成家のお風呂に入るのは初めてなのよね。着替えは持ってきていないから、汚れているけど、仕方ない。もう一度これを着たらいいかぁ。
早速服を脱いで中へ入ると、ここは温泉・スパワールドみたいな世界になった。これが自宅の家風呂!?
信じられないよ、ホントに。
大きなお風呂だし!
キラキラしてるし!
高級温泉みたいだし!!
中松さんが用意してくれたという、バラの花びらが散りばめられているお風呂に浸かる事にした。
お湯加減も気持ち良くて、最高。
はー。生き返るぅー。
高く白い天井を見つめながら、ぼんやり考えた。このまま・・・・ニセカノをやりきった場合、私に何のメリットもないよねぇー・・・・。苦しい思いさせられ損じゃん。
中松さんは相変わらず涼しい顔をして、私にビシバシ鬼教育するだけだし。惚れさせるなんて相当無理案件。
うーん・・・・悔しいなぁ・・・・。
ちょっとイチ君に相談してみようかな。中松さんの弱点は無いのか、って。
よし。そーだ。そーだ。雇い主なら少しくらい、中松さんの嫌いなものとか弱みとか知っているでしょ。
汗で汚れた身体や頭を洗って、再びバラ風呂に浸かって外に出た。これ、何ルームっていうの? 脱衣所的な? 実家じゃそう呼んでいるけれど、広いし綺麗だし脱衣所っていう単語が全く似合わない所で、用意されているふかふかのバスタオルに包まれた。
わぁー。すんごい柔らかい。うちのガシガシの使い古しのバスタオルとは大違いだ。
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