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番外編です、あくまでも。
ハイエルフのチームになってしまった(アラフォーおっさんリーダーは嘆く)
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「エルフのチームか。」
「いや、人間のおっさんもいるし・・・。」
「人間が3人、あとはオーガーやオークの血が入ったのが・・・。」
「それでもエルフの方が多い・・・しかもエルフは女が大部分・・・。」
「あの若い美形の男のエルフがリーダーかしら?」
「いや、あの色っぽいエルフのお姉さまが寄り添っているのが・・・どうして人間のおっさんなんだ?」
「なあ、あいつら・・・おっさんがしきってない?リーダーって、あのおっさんだったりして・・・。」
「雑用係だろう?」
「あいつらハイエルフだぜ。ハイエルフが人間のおっさんをリーダーにするかよ?」
「雑用係には見えないけどな・・・。」
「同感だわ。」
冒険者が多くたむろしている居酒屋兼食堂で、大半の客がざわついて、ひそひそ声でこちらをうかがっている。おいおい、全部よく聞こえているんだよ。もっと小さな声でしゃべりやがれ。
まあ、目立つよな。大体、10人以上のパーティーということからして目立つ。一つのところで、〇✕一家然としているのは別として、移動しているパーティーは10人以上というのは少ない。その上、ハイエルフがその半ば以上を占めているいるなんて前代未聞なのだ。好奇心などで旅に出るエルフは群れたがらない。その上、その大半が女、しかも美人だ。目立たないはずがない。
30近くというか、アラサーというか、20代後半というか、一番色っぽいのが、俺の義母で、愛人である。その他のハイエルフは、俺の子供、孫、曾孫達だ。どうしてこうなったかというと、一応ちゃんとした理由はある。
まず、義母様が、
「私も娘のように、あなたと色々なところを、広く旅して、冒険して、見て、聞いて、美味しいものを食べて、飲んで、呑んで、あなたイチャイチャしたいのよ。え?大丈夫よ。昔は私も冒険者やってたんだから。剣とか槍とか格闘技はカスミにはかなわないけど、結構やれるわよ。それに弓とか短剣とか投げ剣とかは負けてないし、魔法は威力とか、魔力量は劣るけど、熟練度は上じゃないかしら、年の功ってやつ。それに、鍛錬は怠ってないもの。試して見る?」
と言い出したのが始まりだった。仕方がないから、周辺での魔獣狩りだとか、野盗退治とか、ゴブリン、コボクル退治とかに付き合ってもらうことにした。
「どう合格点でしょう?」
「はい。」
と言わざるを得なかった。
それを見て、年少の、20歳は超えた子、孫、曾孫達が、
「私も冒険者になる。」
「僕も連れて行って。」
と言い出したのだ。俺とカスミの武勇談、冒険談に憧れたんだとさ。みんな、カスミの血筋だけに、実力はあるからダメとは言えないし、ハイエルフとしても、俺のような地方貴族、郷士の家柄の者としても、武者修行、諸国漫遊に出るのは当然のことでもあるから、その親達が、
「父さんと一緒なら。」
「おじい様がついていれば大丈夫だから。」
と言い出しやがった。
子供達に思いを寄せている連中がついて来るわ、領内からも、冒険者として修業したい、という者達が出てきて、この場合、親にも頼まれたから、やっぱり領主としてダメとは言えない。さらにさらにだ、懲らしめた元野盗やオーガの野盗、改心して俺の領民になったが、
「旦那のお役に立ちたい。」
とか言い出してついてきた。こいつらの仲間の間で、ついて来る者を抽選だか何だかして決めていたらしい。海千山千の連中は役に立つから、駄目とは言えなかった。というわけで、こんなふうになってしまったのだ。
そして、色々旅をして、実績をあげ、今魔族領に近い町の居酒屋にいるところだった。
「おい、ここは魔族の領域に近いんだ。魔族とは和平が成立しているからといって、生半可な冒険者は危険だぜ。俺達と組まないか?美人のエルフさん方?」
髭ズラのたくましい冒険者の男が勝手に椅子を持ってきて、俺達のテーブルに割り込んで来た。"またか。"と思う、既視感がまた浮かぶ。近くには、彼より若い男女何人かの冒険者がニヤニヤと見ている。こいつのチームなんだろうな。
「俺の娘や孫娘を勝手に勧誘しないでくれないか?」
「荷物運びは黙っていろ・・・て、娘、孫?」
戸惑ったのは髭面だけではなかった。彼の仲間達も含めて周囲が、唖然とした顔になっていた、聞こえた奴らはだが。ガタッと音をことさらあげて、椅子から立ち上がった我がチームの若い男が、
「私の大伯父上を愚弄するな。」
と怒鳴りつけた。
「?」
と意味がわからないような顔をしているので、
「俺の弟の玄孫なんだ。まあ、そう言う事だから、ゆるしてくれ。」
「へ?」
さらに混乱しているようだった。どうしたものか。
「この人、見掛けはおっさんだけど、115歳なのよね。」
義母様、よけい混乱させることを言わないでよ。
「ここにいるのが、あんたが生んだ娘で・・・その孫?」
おいおい一テンポ遅れてないか?言っておかないとな、ちゃんと。
「こいつらは、俺と死んだハイエルフの妻との間の子供や孫、曾孫。そして彼は俺の弟の玄孫で、この人は義母、死んだ妻の母親で、御年450歳を超えた美人さんだ。」
「もう~、歳のことは言わないの~、お、じ、さ、ん。」
と甘えるようにさらに体を密着させてきやがる、気持ちいいけど。子供達も孫たちも、もう慣れてしまって何も言わないし、助けてくれなくなっている。
「お、おい…それって逆だろう、順序が、逆だろう?若い方が…。」
おい、気にするのはそっちの方かよ。
誰かが、髭面の仲間に耳打ちして、そいつが髭面に耳打ちして、・・・結果として行ってしまった。
「いや、人間のおっさんもいるし・・・。」
「人間が3人、あとはオーガーやオークの血が入ったのが・・・。」
「それでもエルフの方が多い・・・しかもエルフは女が大部分・・・。」
「あの若い美形の男のエルフがリーダーかしら?」
「いや、あの色っぽいエルフのお姉さまが寄り添っているのが・・・どうして人間のおっさんなんだ?」
「なあ、あいつら・・・おっさんがしきってない?リーダーって、あのおっさんだったりして・・・。」
「雑用係だろう?」
「あいつらハイエルフだぜ。ハイエルフが人間のおっさんをリーダーにするかよ?」
「雑用係には見えないけどな・・・。」
「同感だわ。」
冒険者が多くたむろしている居酒屋兼食堂で、大半の客がざわついて、ひそひそ声でこちらをうかがっている。おいおい、全部よく聞こえているんだよ。もっと小さな声でしゃべりやがれ。
まあ、目立つよな。大体、10人以上のパーティーということからして目立つ。一つのところで、〇✕一家然としているのは別として、移動しているパーティーは10人以上というのは少ない。その上、ハイエルフがその半ば以上を占めているいるなんて前代未聞なのだ。好奇心などで旅に出るエルフは群れたがらない。その上、その大半が女、しかも美人だ。目立たないはずがない。
30近くというか、アラサーというか、20代後半というか、一番色っぽいのが、俺の義母で、愛人である。その他のハイエルフは、俺の子供、孫、曾孫達だ。どうしてこうなったかというと、一応ちゃんとした理由はある。
まず、義母様が、
「私も娘のように、あなたと色々なところを、広く旅して、冒険して、見て、聞いて、美味しいものを食べて、飲んで、呑んで、あなたイチャイチャしたいのよ。え?大丈夫よ。昔は私も冒険者やってたんだから。剣とか槍とか格闘技はカスミにはかなわないけど、結構やれるわよ。それに弓とか短剣とか投げ剣とかは負けてないし、魔法は威力とか、魔力量は劣るけど、熟練度は上じゃないかしら、年の功ってやつ。それに、鍛錬は怠ってないもの。試して見る?」
と言い出したのが始まりだった。仕方がないから、周辺での魔獣狩りだとか、野盗退治とか、ゴブリン、コボクル退治とかに付き合ってもらうことにした。
「どう合格点でしょう?」
「はい。」
と言わざるを得なかった。
それを見て、年少の、20歳は超えた子、孫、曾孫達が、
「私も冒険者になる。」
「僕も連れて行って。」
と言い出したのだ。俺とカスミの武勇談、冒険談に憧れたんだとさ。みんな、カスミの血筋だけに、実力はあるからダメとは言えないし、ハイエルフとしても、俺のような地方貴族、郷士の家柄の者としても、武者修行、諸国漫遊に出るのは当然のことでもあるから、その親達が、
「父さんと一緒なら。」
「おじい様がついていれば大丈夫だから。」
と言い出しやがった。
子供達に思いを寄せている連中がついて来るわ、領内からも、冒険者として修業したい、という者達が出てきて、この場合、親にも頼まれたから、やっぱり領主としてダメとは言えない。さらにさらにだ、懲らしめた元野盗やオーガの野盗、改心して俺の領民になったが、
「旦那のお役に立ちたい。」
とか言い出してついてきた。こいつらの仲間の間で、ついて来る者を抽選だか何だかして決めていたらしい。海千山千の連中は役に立つから、駄目とは言えなかった。というわけで、こんなふうになってしまったのだ。
そして、色々旅をして、実績をあげ、今魔族領に近い町の居酒屋にいるところだった。
「おい、ここは魔族の領域に近いんだ。魔族とは和平が成立しているからといって、生半可な冒険者は危険だぜ。俺達と組まないか?美人のエルフさん方?」
髭ズラのたくましい冒険者の男が勝手に椅子を持ってきて、俺達のテーブルに割り込んで来た。"またか。"と思う、既視感がまた浮かぶ。近くには、彼より若い男女何人かの冒険者がニヤニヤと見ている。こいつのチームなんだろうな。
「俺の娘や孫娘を勝手に勧誘しないでくれないか?」
「荷物運びは黙っていろ・・・て、娘、孫?」
戸惑ったのは髭面だけではなかった。彼の仲間達も含めて周囲が、唖然とした顔になっていた、聞こえた奴らはだが。ガタッと音をことさらあげて、椅子から立ち上がった我がチームの若い男が、
「私の大伯父上を愚弄するな。」
と怒鳴りつけた。
「?」
と意味がわからないような顔をしているので、
「俺の弟の玄孫なんだ。まあ、そう言う事だから、ゆるしてくれ。」
「へ?」
さらに混乱しているようだった。どうしたものか。
「この人、見掛けはおっさんだけど、115歳なのよね。」
義母様、よけい混乱させることを言わないでよ。
「ここにいるのが、あんたが生んだ娘で・・・その孫?」
おいおい一テンポ遅れてないか?言っておかないとな、ちゃんと。
「こいつらは、俺と死んだハイエルフの妻との間の子供や孫、曾孫。そして彼は俺の弟の玄孫で、この人は義母、死んだ妻の母親で、御年450歳を超えた美人さんだ。」
「もう~、歳のことは言わないの~、お、じ、さ、ん。」
と甘えるようにさらに体を密着させてきやがる、気持ちいいけど。子供達も孫たちも、もう慣れてしまって何も言わないし、助けてくれなくなっている。
「お、おい…それって逆だろう、順序が、逆だろう?若い方が…。」
おい、気にするのはそっちの方かよ。
誰かが、髭面の仲間に耳打ちして、そいつが髭面に耳打ちして、・・・結果として行ってしまった。
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