余命50年のエルフさん

転定妙用

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子作りと冒険です。

さすがに旦那様だけどハイエルフの臭いってなによ(カスミは抗議する)

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「離れなさいよ、この偽物。この人は、私の夫なのよ。」
と私が叫べば、その偽の私は、
「私こそが、この人の妻よ。あなたこそ離れなさいよ。」
と私に向って言う・・・ウー、何て奴。
 でも、流石に私の偽物だけあって綺麗じゃない?魅力的じゃない?美人よね。でも、直ぐわかるわよね?アサ様、あなた~あん。う?私とその偽物女を交互に見て・・・まさか迷っているんじゃないわよね?わかるわよね、私が本物だった?そこまで思った時、急に不安が心の奥底から噴き出してきたわ。ま、まさか私がわからずに、その偽の私を選ぶんじゃないのかと、不安になっちゃった。そんなはずはない、この人に限ってと思おうとすればするほど、その不安は大きくなっていった。

「離れろ、妻の前なんだよ。」
と彼の口から飛び出した。同時に、その女を突き飛ばすどころか、水平チョップを思いきりみまわせて、しかも、しっかり身体強化を目いっぱいかけているのがわかったわ。
「ぐっ。」
と呻いて、体をかがませ、ベッドから落ちていったわ。さらに、床にドサッと音を立てて落ちたわ。すかさずベッドを降りた彼は、女を足蹴にしたというより、足を女に叩きつけた。これで、女はぐったりして、起き上がれなくなった。偉い!さすがは、私の体も心も熱烈溺愛している夫、旦那様よ!

 その後、皇帝陛下の前に引きずり出して、拷問をかけて、白状させることになったわけ。一時間近く経たうちに、ようやく正体を現わしてくれたわ。私には似ても似つかない容姿、体付きだったわ。ゆっくりと、口を割らすことになったわ。い~ぱい、きつい拷問したってかまいませんから。私に化けて夫にちょっかいをかけただけでも万死に値するというのに、あのハイエルフの村の消滅に関連していそうなんだから、当然のことですからね。
 皇帝陛下には、やんわりと婉曲に言ってあげたわ。そして、意見を求められた旦那様は、
「妻の言うことは、十二分以上に理にかなっているかと思います。あのことは陛下の統治に対する反乱であるだけではありません。陛下がことを明らかにして、各国に伝えれば、陛下のご貢献が大いに評価されましょう。私達も、その真実を伝えることになるでしょう。」
とか言ってくれたわ。本当に、この世界いたるところで起こっていたら、大変だもんね。

 でも、その後が悪かったわ。悪かった訳ではないのかもしれないけど。
 どうして、私が本物だと即、分かったのか、聞いて見たの。そしたら、こともあろうに、
「あいつには、お前の臭いがしなかったからだよ。」
と言うなんて!
「な、何よ!私が、臭いようじゃない、それじゃあ?あ、あったとしたら、あなたの臭いがこびりついていただけでしょうが!舐めまくって、触りまくって、舌を絡ませまくって、体を擦りつけまくって、私の中に出しまくったからじゃないのー!もう、どちらの臭いか、分からせてあげるわ!」
 私は、もうそのまま彼に抱きついて、彼はそれにすぐ応じて、互いの臭いを確認するため、抱き合って、組んずほぐれつして、いつの間にか全裸になって、私は彼の上でぐったりしていて、
「俺の大好きなカスミの匂いだよ。」
と耳元でささやく彼に同意するしかなかったわ。
 彼は、私をそのまま抱きしめ続けたわ、幸福そうな。まあ、当然だけどね。私も、彼を抱きしめて幸福だったわ。
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