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第一章
【六】星夜―腐女子の遭遇②
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祖母ちゃんが三人分の紅茶を運んできた。気を利かせて席を外すつもりなのだ。
ミッションを遂行するなら今だ。なんとかして祖母ちゃんの小説を読んでもらわなくては!
「つ、月子ちゃんがBL漫画を好きだなんて知らなかったな~」
「ふふふ。仲間がいて嬉しいわ~」
よし、祖母ちゃんが食いついたぞ。すかさず俺の隣に座らせた。
「実は、プピッターや投稿サイトにも作品を発表してるんです」
「あら、漫画が描けるの? 凄いわね!」
「月子、俺は知らなかったぞ」
「だって内緒だもん」
ありゃ。海人がふくれっ面だ。
「あら、読んでみたいわ。サイトとペンネームを教えてくれるかしら?」
スマホを取り出した祖母ちゃんは目をキラキラさせてスタンバっている。
月子ちゃん、ペンネームプリーズ!
「星夜君のお祖母さまはネットで漫画もお読みになるんですね。まだまだ腕は未熟ですが、それでもよろしければ。あの、LIN○のIDを交換しませんか。リアルの腐仲間はいないので、語りあいたくて……」
「あら、私で良いのかしら。腐女子じゃなくてお祖母ちゃんだけど」
「腐教活動に年齢は関係ありませんわ。あるのは、BL愛です!」
「いいぞ、月子ちゃん!」
俺はガッツポーズで応援した。
「星夜、なに息んでるんだ。お前も俺とID交換しろよ」
「おお、そうだったな」
祖母ちゃんと月子ちゃん、俺と海人がそれぞれ繋がった。
よしよし。なんかの拍子で、祖母ちゃんが月子ちゃんに自作小説をカミングアウトしてくれれば、俺のミッションが終わるぞ。
「ただいま~」
「お帰りなさい」
リビングに現れたのはルカ叔母さんだった。ジャストタイミング!
「星夜のお友達が遊びに来てるのよ」
祖母ちゃんの紹介に、双子が優雅に立ちあがる。
「はじめまして。萩野海人です。星夜君とは小学校が一緒でした。妹の月子と一緒におじゃましてました」
御曹司の爽やかスマイル(ホワイトニング前歯シャイニング付き)が決まった。叔母さんのハートを鷲づかみしてどうする、海人~。
「はじめまして。萩野月子と申します。どうぞよろしくお願いいたします」
令嬢の優雅なカーテシー(目上の相手に対し、片足を斜め後ろの内側に引き、もう片方の足の膝を軽く曲げてあいさつをする)もそつがないぞ~。
ピピピピピピ~!
ルカ叔母さんの切れ長の瞳から発する探索レーダーが、萩野兄妹に照射されたぞ。
「叔母の流華です。どうぞルカ叔母さんって呼んでね」
微笑みながら、紙袋から何かを取り出したルカ叔母さん。
「ああっ。それはもしかして、メロン先生の新刊『ピザを配達したら僕が食べられちゃいました~バナナパフェはサービスです!』じゃ……」
月子ちゃんが叔母さんの手にある漫画本に釘付けだ。
「ふふふ。書店で予約していたの。しかも特典ポストカード付きよ!」
ドヤ顔でかざす漫画の表紙は、キャップを被った青年がピザの箱を持ちながら頬を染めていた。
それが主人公だな。そして金髪のチャラそうなイケメンが主人公を抱きしめている。
ルカ叔母さんの言うところの、攻めって奴だな。
「プピッターで人気が出て、コミックになった漫画家さんよ。月子ちゃんも腐界の住人なのかしら?」
叔母さんの言葉に頷く月子ちゃんとラン祖母ちゃん。そして見つめ合う女性陣。
ビビビビビビビ~!
「な、何なんだ。凄いエネルギー波を感じるぜ」
「海人、あれは腐女子結界ってやつだよ」
「腐女子結界?」
◆◆◆
投票してくれた読者様、
ありがとうございました!!
応援よろしくお願いします。
ミッションを遂行するなら今だ。なんとかして祖母ちゃんの小説を読んでもらわなくては!
「つ、月子ちゃんがBL漫画を好きだなんて知らなかったな~」
「ふふふ。仲間がいて嬉しいわ~」
よし、祖母ちゃんが食いついたぞ。すかさず俺の隣に座らせた。
「実は、プピッターや投稿サイトにも作品を発表してるんです」
「あら、漫画が描けるの? 凄いわね!」
「月子、俺は知らなかったぞ」
「だって内緒だもん」
ありゃ。海人がふくれっ面だ。
「あら、読んでみたいわ。サイトとペンネームを教えてくれるかしら?」
スマホを取り出した祖母ちゃんは目をキラキラさせてスタンバっている。
月子ちゃん、ペンネームプリーズ!
「星夜君のお祖母さまはネットで漫画もお読みになるんですね。まだまだ腕は未熟ですが、それでもよろしければ。あの、LIN○のIDを交換しませんか。リアルの腐仲間はいないので、語りあいたくて……」
「あら、私で良いのかしら。腐女子じゃなくてお祖母ちゃんだけど」
「腐教活動に年齢は関係ありませんわ。あるのは、BL愛です!」
「いいぞ、月子ちゃん!」
俺はガッツポーズで応援した。
「星夜、なに息んでるんだ。お前も俺とID交換しろよ」
「おお、そうだったな」
祖母ちゃんと月子ちゃん、俺と海人がそれぞれ繋がった。
よしよし。なんかの拍子で、祖母ちゃんが月子ちゃんに自作小説をカミングアウトしてくれれば、俺のミッションが終わるぞ。
「ただいま~」
「お帰りなさい」
リビングに現れたのはルカ叔母さんだった。ジャストタイミング!
「星夜のお友達が遊びに来てるのよ」
祖母ちゃんの紹介に、双子が優雅に立ちあがる。
「はじめまして。萩野海人です。星夜君とは小学校が一緒でした。妹の月子と一緒におじゃましてました」
御曹司の爽やかスマイル(ホワイトニング前歯シャイニング付き)が決まった。叔母さんのハートを鷲づかみしてどうする、海人~。
「はじめまして。萩野月子と申します。どうぞよろしくお願いいたします」
令嬢の優雅なカーテシー(目上の相手に対し、片足を斜め後ろの内側に引き、もう片方の足の膝を軽く曲げてあいさつをする)もそつがないぞ~。
ピピピピピピ~!
ルカ叔母さんの切れ長の瞳から発する探索レーダーが、萩野兄妹に照射されたぞ。
「叔母の流華です。どうぞルカ叔母さんって呼んでね」
微笑みながら、紙袋から何かを取り出したルカ叔母さん。
「ああっ。それはもしかして、メロン先生の新刊『ピザを配達したら僕が食べられちゃいました~バナナパフェはサービスです!』じゃ……」
月子ちゃんが叔母さんの手にある漫画本に釘付けだ。
「ふふふ。書店で予約していたの。しかも特典ポストカード付きよ!」
ドヤ顔でかざす漫画の表紙は、キャップを被った青年がピザの箱を持ちながら頬を染めていた。
それが主人公だな。そして金髪のチャラそうなイケメンが主人公を抱きしめている。
ルカ叔母さんの言うところの、攻めって奴だな。
「プピッターで人気が出て、コミックになった漫画家さんよ。月子ちゃんも腐界の住人なのかしら?」
叔母さんの言葉に頷く月子ちゃんとラン祖母ちゃん。そして見つめ合う女性陣。
ビビビビビビビ~!
「な、何なんだ。凄いエネルギー波を感じるぜ」
「海人、あれは腐女子結界ってやつだよ」
「腐女子結界?」
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