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閑話休題③

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 十八歳までに死なないといけない。
 口に出してみたら、より一層その現実が色濃くなった気がした。

 これはわたしの罪だから。罪を犯せば、罰を受ける。いたって単純明快なもの。

 潮風に当たったせいか、髪がギシギシと軋んでいた。制服を脱ぎ捨て、熱いシャワーを浴びる。この身体ごと、なにもかも洗い流してくれたらいいのに。
 外が肌寒かったせいか、無性に膝が痛んだ。これもまた、罰だ。
 部屋着に着替え、ドライヤーで適当に髪の毛を乾かし、敷きっぱなしの布団の上に寝転がる。目を閉じれば、たちまち瞼の裏に死んだ弟の姿が浮かび上がってきた。目を見開き、血混じりの唾液が口の端からこぼれ落ちている。
 その横で、わたしは膝から下が外側に九十度曲がった右脚を見ている。痛みを通り越して、脚の感覚はもうない。

 血溜まりの中に、わたしは倒れていた。ここで息をしているのは、もうわたししかいない。自分の荒い呼吸音が部屋中に響き渡っている。
 どのくらい倒れていたのか、気づけば母親がわたしの顔を覗き込んでいた。目を開けたわたしを見て、ぎょっとしたようだった。わたしも死んだほうがよかったのかもしれない。

 そうして母は、わたしを見ながら言った。
 お前は化け物だ。
 こんなものが、生きていていいはずがない、と。
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