私と婚約者のあなた

空宇海

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はぁぁ……ダメだねぇ

いつになったら傷が癒えるのかな?

いつか幸せになれるかな?
きっとなれないだろうね


帰ってなにもしたくないから寝よう。

そう思って着替えてたら

インターホンが鳴った。

「……はい」

『藍ちゃん』

え?

なんで居るの?

『親父と母さんから藍ちゃんの様子がおかしいって言ってたから』

部屋はにぃに聞いたの?
はぁぁ……

「大丈夫ですよ」

『俺は心配なの』

心配?
なにそれ

「……そうですか。会いたくないです。会ったら酷いことを言いそうなので……帰ってください」

傷つけたくない。

一応、私の彼氏だから

「大丈夫。顔が見たい」

こんなに頑固だった?

「……知りませんからね?」

開けた。

涼さんが入る。

「お邪魔します」

リビングに買ってきた物が置いてあったの忘れてた。

涼さんの手に袋?

「羚から藍ちゃんが元気ないとなにもしないって聞いたからキッチン借りるよ?」

手際よく進めてる。

言おうかな?

「……両親とにぃはホントの家族じゃないんだよね。実の母親に虐待されてて、今の両親に引き取られた……両親もにぃのこと感謝してる。それでも……実の母親に虐待されてた傷は何年たっても癒えない」

涼さんが聞いてくれる。

「ホントの家族じゃない?それが藍ちゃんが抱えてた悩み?」

頷く。

やっぱり迷惑だよね?

「……え、」

暖かい温もり
涼さんに抱きしめられてるってわかったのはすぐだった。

「藍、大丈夫だから少しは俺のこと頼ってよ。話聞くし俺の両親だって聞いてくれる。それは藍の両親だってそうだから大丈夫」

涼さんに大丈夫って言われると安心する。

ホント不思議。

「……ありがと。涼くん」

ニッコリ笑ってた。

涼さんはご飯を作ってくれた。

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