私と婚約者のあなた

空宇海

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振り向いて顔を見たら慌てて来た。

「ど、どうしたの?」

「……ぁ、いえ。大丈夫です」

言えるわけない。

今まで両親とにぃ、にも言ってないのだから。

西篠くんが言ってるかもしれない、けど……
言えないんだよね。


「藍ちゃん、私とお茶しましょ?」

え?

月島さんの家に行った。

ホントにお茶だった。

もう、表紙の絵を描くのをやめよう。

そしたらいい。

書くことだけに専念する!
そうしよう!


「藍ちゃん?」

「いえ、えっと……」

「あ、涼の母、華奈です。よろしくね?」

「よろしくです」

話してたらチャイムが鳴り華奈さんは出ると
楽しそうな声が聞こえてきた。

「あら?藍じゃない」

「母さん!」

母さんたちって知り合いだったの?

驚いてると

「ふふ。前もそいだったわ」

「あ、華奈、涼くんの写真あるわよね?」

「えぇ、待ってて」

写真を取りに行った。

飲んでたら

「藍なにかあった?」

「え?」

「これでも、あなたの母親よ?わかるわよ」

ホントの両親じゃないのに?

どうして?

「お待たせ!これが涼よ」

可愛い!

あれ?

「あ!これ、私?」

私と一緒に写ってる人!

幼い頃に会ったことが!

そっかぁ!
幼い頃の約束って月島さんだったんだ!

「この頃も藍ちゃん可愛かったわよね」

「ホントよねぇ」

なんか盛り上がってる?

ーーりょーくんのおよめさんになるの!

そう、言ってたなぁ!

大人になったら婚約者になるなんて。



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