私と婚約者のあなた

空宇海

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ホント男運が悪すぎて嫌になる。


前回もそうだけど今回も嫌われるようにしよう。

そうした方がいい。


「藍、似合ってるわ」

「……ありがと」

どうして婚約者が居るの?
血も繋がりのない私に。

わからない。

両親は私のことが邪魔になった?

だからお見合い話しを持ってきたりしてたの?

……ホントの母からの愛情なんてもらったことのない私。

今の両親からたくさんもらったけど

どこか違うって思ったり?

にぃなのににぃじゃない感じ。


「藍?」

「うん?」

いつもの作り笑顔をした。

誰もわからない。

作り笑顔をして壁を作る。
それ以上入ってほしくないから。


「お待たせしました」

「いえいえ、私の娘の藍です」

会釈した。

イケメンだった。
外見だけいい人が居る。

「月島です。息子の涼です」

イケメンで名前もかっこいいし。

はぁぁ……


「藍さんはお仕事はなにをなさってるのですか?」

いきなり名前呼び?

驚きで固まってると

「……出版関係です」

ホントのことを話すことはしない。

今までの男たちがそうだったから

私の職業を聞いて私のお金を頼りにしてきた。
だから言いたくない。

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