私と婚約者のあなた

空宇海

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にぃのことは羨ましい。

とても素敵なお嫁さんが居るから。

私とは違う。

にぃはイケメンで頭脳明晰でなんでもできる人
学生の頃はモテてた。

今も変わらないけど……
今のにぃは奥さん以外興味のない人になった。

昔と違う人。


「にぃ、どこで会うか聞いてる?」

「は?ここに来るって聞いたけど…藍、聞いてないのか?」

「婚約者に会うしか聞いてない」

にぃはため息をついてる。
幸せ逃げるぞ。

ホント両親は肝心なことを言わない人だ。


「藍、ちょっと」

母さんに呼ばれてついてく

「……私にこれを着ろと?」

「えぇ」

はあぁ……

着物?振袖?
嫌だー!

母さんの目がマジだった。
しぶしぶ着た。

今回もダメでしょ。
そう、思うことにした。


私はこの両親のホントの子供じゃない。
ホントの母親は私を産んで育児放棄に虐待して男とどっかに行った。
そんな私を引き取ってくれたのが今の両親だった。

両親ともにぃとも血は繋がってない。

男運の悪さは実の母親に似たんだと思う。



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