俺の高一生活は女の子ばかりの部活で…

文芸部での一学期

掃除の後は遊んで良いみたいだ。

金岡先輩の注意を受けてから、屋城以外のみんなは真面目に掃除をして、すぐに掃除は終わった。

その後、プール掃除に参加した三つの部活の顧問の先生がプール掃除後のプール使用を校長先生にかけあってくれたらしく、午後はプールで遊べる事になった。

「よし、女の子と遊ぶ機会なんてほとんどないぞ。俺は全力で楽しむ。」

屋城は体操服を更衣室に脱ぎ捨て、勢いよく走ってプールへと向かって言った。

文芸部、書道部、茶道部の顧問はそれぞれ一人。文芸部は陽野先生で、実は漫画家をしているヨウノ先輩の名前はこの先生から取られていて、文芸部設立に大きく関わってくれた先生らしい。書道部は佐田先生で、字が汚い男の先生だが、自分も上手くなるかもしれないしと顧問に無理やり割り振られたのを明るく転換した陽気ないかにも文化系と言った感じの先生。茶道部は松草先生。気が強くて怖い事で有名な先生。

「はぁ、また先輩に絡まれるんだろうな。」

そうつぶやきながら俺も更衣室から外に出る。

プールサイドまで行くと、既に居た二年生の先輩達はすぐにこちらに寄ってくる。

「もう、掃除も終わったしお話出来るよね。」

「は、はい。分かりました。」

こうなる事は分かっていたけど、まぁ、掃除も終わったしもういいかな。

「飛岳君はどうやってあの九頭竜さんと仲良くなったの。」

まず初めに聞かれた事はそんな事だった。

「えっとですね。部活の時は九頭竜先輩は雰囲気が違っていたので、すぐに仲良くなれました。」

「二人は別に付き合ってたりしないの。」

「そうですね。」

その答えにがっかりした顔になる先輩達。

「じゃあ、飛岳君はどんな娘がタイプなの。」

「具体的には分からないです。」

清水さんが好きだけど、具体的に何処が良いかは浮かばなかった。ただ、何か魅力を感じたんだ。

そんな事だった風にただ聞かれた事に答えている間、俺はずっと呼春の事を気にしていた。

掃除をしていた時、たまに目が合っていたから、何か言いたい事があったのではないか。

多分、自分から切り出さないと先輩達は解放してくれないだろうな。

「すいません少し、部長に話があるので、その間待って持っても良いですか。」

それに対して、ダメだと言う人はいなかった。

そして、俺は呼春の元へと向かっていく。