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非本編の余談
中三冬。バレンタイン
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飛岳和人、中学三年生。今日は二月十四日で、バレンタインデー当日である。
人生のうちに告白した回数は零回。逆に告白された回数は二回。
一度目の告白は小学二年生の時に同じクラスの女の子から。
「私引っ越しちゃうけど好きでした。」
みたいな事を言い残してそのまま転校して行った。
その後十歳の時頃に怪我をしてから、それまでとは違う性格に変わってしまった。
十歳で怪我をするまでは運動するのが得意だったのだが、怪我で入院して、激しい運動する事すら二度と不可能とまで言われて、俺は絶望していた。
退院してからしばらくは学校にも行かずに過ごした。もちろん入院期間も合わせると随分と長く行かなかったので、勉強にもついていけずに、完全に落ちこぼれてしまった。
その後中学に上がってからは普通に登校して、最終的に平凡な成績までは取り戻した。
そして、中学一年の春に二度目の告白をされ、初めて彼女ができたのだが、七月末の誕生日の後に会えなくなり、そのまま二学期には学校からいなくなっていた。
彼女が紹介してくれた医師のお陰で今では昔のように運動もできるようになったし、彼女にはまた会って見たくもある。
受験を控えて勉強する人や、私学入学が決まり遊び呆ける人などがいて、俺はその前者の方であって、一応の勉強はしていた。
「おーい、飛岳しょーねん。勉強は捗ってるかな。」
クラスで俺に話しかけてくれる数少ない一人の花澤希さん。
「別に調子は良くも悪くもないかな。」
俺は顔も見ずにそう返事をした。それに対して花澤希は何かを俺の座っている席に置いて一言。
「まぁ、帰ってこの義理チョコでも食べて頑張りなよ。」
他の人にも話しかけていたから、配り歩いていたのかと思っていたが、実はその歳に花澤希がチョコを渡したのは一人だけだったらしい。
「私は見たぞ馬鹿者。顔も見てないからあいつがどんな顔で話していたかも知らんだろうな。まぁ、私も用意してやったんだからちゃんと受け取れ馬鹿者。」
この娘は異松川奏。おかしな話し方と行動を売りにしている不思議系の女子。友達なぞおらんじゃろうと俺に近づいて来た。俺に話しかける人が少ないのもこの娘が半分原因だったりする、一部の生徒から人気があるクラスメイト。
「何があったかようわからんが、私は昔のお前の方がいい好きだった。小学生の時のお前がな。多分あいつもそう思うとるはずよ。」
昔を知るのは本当に数少ない人だけだったから、みんなそう言う。高校に入ったら、明るく生きて見ようかな。
中学ももうすぐ卒業。花澤と異松川の二人は遠くへ行くらしいし、俺が受ける高校に今の知り合いはほとんど受験しない。
やはりこれは、高校デビューでもしろって事かな。
まぁ、今の自分を崩さない程にしておこう。
この日俺は高校に入ってから自分を変えることを誓っていた。
人生のうちに告白した回数は零回。逆に告白された回数は二回。
一度目の告白は小学二年生の時に同じクラスの女の子から。
「私引っ越しちゃうけど好きでした。」
みたいな事を言い残してそのまま転校して行った。
その後十歳の時頃に怪我をしてから、それまでとは違う性格に変わってしまった。
十歳で怪我をするまでは運動するのが得意だったのだが、怪我で入院して、激しい運動する事すら二度と不可能とまで言われて、俺は絶望していた。
退院してからしばらくは学校にも行かずに過ごした。もちろん入院期間も合わせると随分と長く行かなかったので、勉強にもついていけずに、完全に落ちこぼれてしまった。
その後中学に上がってからは普通に登校して、最終的に平凡な成績までは取り戻した。
そして、中学一年の春に二度目の告白をされ、初めて彼女ができたのだが、七月末の誕生日の後に会えなくなり、そのまま二学期には学校からいなくなっていた。
彼女が紹介してくれた医師のお陰で今では昔のように運動もできるようになったし、彼女にはまた会って見たくもある。
受験を控えて勉強する人や、私学入学が決まり遊び呆ける人などがいて、俺はその前者の方であって、一応の勉強はしていた。
「おーい、飛岳しょーねん。勉強は捗ってるかな。」
クラスで俺に話しかけてくれる数少ない一人の花澤希さん。
「別に調子は良くも悪くもないかな。」
俺は顔も見ずにそう返事をした。それに対して花澤希は何かを俺の座っている席に置いて一言。
「まぁ、帰ってこの義理チョコでも食べて頑張りなよ。」
他の人にも話しかけていたから、配り歩いていたのかと思っていたが、実はその歳に花澤希がチョコを渡したのは一人だけだったらしい。
「私は見たぞ馬鹿者。顔も見てないからあいつがどんな顔で話していたかも知らんだろうな。まぁ、私も用意してやったんだからちゃんと受け取れ馬鹿者。」
この娘は異松川奏。おかしな話し方と行動を売りにしている不思議系の女子。友達なぞおらんじゃろうと俺に近づいて来た。俺に話しかける人が少ないのもこの娘が半分原因だったりする、一部の生徒から人気があるクラスメイト。
「何があったかようわからんが、私は昔のお前の方がいい好きだった。小学生の時のお前がな。多分あいつもそう思うとるはずよ。」
昔を知るのは本当に数少ない人だけだったから、みんなそう言う。高校に入ったら、明るく生きて見ようかな。
中学ももうすぐ卒業。花澤と異松川の二人は遠くへ行くらしいし、俺が受ける高校に今の知り合いはほとんど受験しない。
やはりこれは、高校デビューでもしろって事かな。
まぁ、今の自分を崩さない程にしておこう。
この日俺は高校に入ってから自分を変えることを誓っていた。
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