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文芸部での一学期

デートのお誘い

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これはゴールデンウィークの少し前の事だ。俺はメールでとある人から地元から少し離れた所にある山に一緒に行かないかと頼まれた。そんな話だ。

「山って事は山登りだよな。いや、けど普通に参道とかを行く可能性もあるし。今から直接聞いてみるか。」

そうして俺は部室のドアを開け、部室に入っていく。

「あの、部長。山に行くって何をしに行くんですか。」

その質問に部長はすぐに答えてくれる。

「デート」

「デートですか。え、デートするんですか部長。」

「そう、デートだな。正確には下見に行こうと思って。」

「何の下見に行くんですか。もしかして他の人とのデートの予行練習で俺と行くとかですか。」

俺の態度はあからさまに嫌そうにしていたらしく、ここで部長は少し元気をなくしてしまう。

「いや、その、そうじゃなくていつか文芸部のみんなで行こうと思っている所に、先に二人で行きたくて。温泉にでも行きたいなぁ。そう思ったけど飛岳君は男の子だから他はみんな女の子だから、みんなで行ったら退屈するかなとか、温泉も一緒に入れないから、せめて先に二人で歓迎会しようかなって思ったのだ。」

と、悲しそうな様子でつぶやく部長。

「楽しみですよ。ただ、何するか分からなかったので、山登りの準備とかいるのかなと思っただけですよ。」

その言葉で笑い出す部長。

「私こんなに体も小さいのに、山登りする体力もないぞ。飛岳君が背負ってくれるなら別だけど。」

「背負いませんよ。多分そうすると俺も力尽きますし。」

この二人では登山は無可能と言う事だな。

「つまりは、別に登山しに行くわけではなくて、普通に参道とかでお店を回ったりすると思っていいんですよね。」

「うん、その解釈で間違ってないぞ。」

なら、別に運動特化の服装じゃなくても良さそうだ。普通に歩ければ良さそうだな。

「では、準備しておきますね。楽しみにしておきます。では、部活しましょうか。」

少し不満そうな顔の部長に俺は気付かなかった。

「うっ、いきなりか、わっわかった。じゃあ部活を始めようか。」

そうして部活が始まり、他の部員の二人もやってきて、部活は円滑に進んだ。
そしてその日も終わり、数日後には約束をしていた日程になったのだった。
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