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始まりの春

もしかしてJK趣味?

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 とりあえず黒い奴(G)の事はどうでもいい
その後俺はあの娘の情報を手に入れた。話しかけたとかではなく、自己紹介で。
 「こっこんにちは。私は清水空音しみずそらねです。えぇと、趣味は本を読む事や、音楽を聞くことです。」
 名前もわかったし、趣味が普通って事もわかった。
 少し情報が手に入った事で嬉しい気分になりながら帰っていたのだが、大変な事を思い出した。
 ちょっと待てよ、俺は今ゾッとするような事を思いついてしまった。
「ていうか…あいつ、もしかして俺に清水さんの事を教えろって意味で携帯の番号渡してきたんじゃないだろうな。それなら相当キモいぞ。」
 俺はポケットからさっきの名刺を取り出す。
「電話かけてみるか。」
帰り道、坂を下りながら携帯を取り出し、名刺に書かれている番号にかける。
「もしもし。闇月院清翔だ。君が電話をかけるタイミングはここではない。またいつかかけるべき時が来るはずだ。」
 電話を切られた。意味がわからない。いや、分かってしまった気がする。自分で気づいたのではないだろうか。あのタイミングで名刺を渡せばキモい奴って認識されるとわかったかな。
 
 この時彼が電話を切ったのには他に理由があったのだが、それを知るのは大分後になる。
 さて、黒い奴GはJK趣味じゃなくてよかった。と言うかあの娘にどうやったら近づけるかな。ただ話すだけでいいんだけど、下手に話しかけに行ったら面倒臭い奴と思われて、嫌われそうだし。好きになってもらおうとは思ってないが嫌われるのは嫌なんだよな。かと言って見ているだけでいいのかとも思う。
 まぁ、明日学校に着いてから考えればいい事か。
無意識にまた、物事を後に回す。このままでは結局また何も動き出せない。だがしかし、俺はすぐには変わらないな。
そのまま終わる今日だった。
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