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第一章 カラス色の聖女
町へ4
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「着替え終わったみたいだね。どうだい?あぁ、大きさはちょうど良いようだね。昔はあの子もお前さんくらい細かったんだけどねぇ……」
二階にある物置き部屋と化しているサラサの娘の部屋で着替えを済ませ、一階へと降りてきた小鳥に店主であるサラサが声を掛ける。
小鳥が身に付けているのは、白いシンプルなブラウスと、足首が見える丈の紺色の無地のスカートだ。十年以上前の物だというこのサラサの娘の服は、特に目立った傷みもなく十分に着られる物であった。派手でもなく貧相すぎもしないこの服ならば、町の中でも浮かずに歩く事が出来るだろう。
「着替えるお部屋まで貸していただけて助かりました。サラサさん、ありがとうございます」
「構わないよ。こちらこそ、質の良い薬草をありがとうね。ここまで立派に育ったユンリューゲルは、最近ではとんと見かけなくなってしまったからね。それじゃこれを渡しておこう。あぁ、服代はちゃんと引かせてもらってるよ」
サラサからちゃらりと音がする布袋を受け取ると、マントから外したブローチと手紙を入れてあるスカートのポケットへと、その布袋も一緒に仕舞い込んだ。
先ほどまで羽織っていたマントは二階で着替える際に小さく折り畳み、外から見えないようボロボロの儀式用の服をその中へと隠すように入れた。神殿の服など早く手放してしまいたかったのだが、これは普通の服ではないのだ。捨てる時は人目に付かないように気をつけるべきだと考えたため、小鳥はもう少し持ち歩く事にしたのだった。
手櫛で簡単に髪の毛を整えていると、ふわりと軽い足取りでリュカがやって来た。
「サラサがお金を誤魔化したりしないように、ちゃんとボクが見てたから安心して!その服も大丈夫そうだね。まぁでも、小鳥はもっと可愛い服の方が似合うと思うけどね」
リュカは髪を直していた小鳥の右手を取り下へとおろさせると、緩くウェーブした柔らかな黒髪をその手に取る。両手で丁寧に小鳥の髪の毛を整えると、リュカは満足そうな笑みを浮かべた。
「ほお?お前さんはあたしがお金をちょろまかすとでも思ってるのかい?」
「やだなぁサラサ。念のためだよ、念のため。人間は欲望に忠実だからね」
「まったく……。そら、もう行きなさいな。この町の治安は良い方だが、若いお嬢さんがいるんだ。暗くなる前に宿屋へ行った方がいいだろう」
「そうだね。じゃあ、そろそろ行こっか?サラサが生きてるうちにまた来れたらいいね」
何とも失礼な挨拶を残して、リュカはさっさと出口へと向かって行ってしまった。小鳥がなんとフォローすべきか、と頭を悩ませていた時、サラサがゆっくりと口を開いた。
「お前さんが着てたマントは騎士団の物だし、少しだけ見えたけど中に着てたのは神殿の服だろう?どういった経緯でここに来たか分からないが、アレに気に入られたのなら安心だね。アレは私にも素性を明かさないけど、悪い奴じゃあないからね。さあさあ、遅くなる前にお行きなさいな」
「色々とお世話になりました。サラサさん、どうぞお元気で」
年季の入った椅子に腰をかけたサラサは、薬草を手にしながら娘を見送る母親のような微笑みを浮かべている。小鳥は温かなその笑みをしっかりと受け止め、リュカが待っている出口へと歩み出した。
(サラサさんは気付いてたのに事情を聞かないでくれたのだわ)
大通りへと続く小道を歩きながら、小鳥は先ほどのサラサの言葉を思い出していた。騎士団のマントを着た女など怪しさしかないはずであるのに、余計な詮索はせず見送ってくれたのだ。それは小鳥がリュカの知り合いであった、というのも大きな理由だろう。
(リュカとサラサさんは随分と仲が良いみたいだったけど、よくあのお店に行くのかしら?そういえば、リュカは私よりもずっと若く見えるけど一人旅をしているの?こんな可愛い子の一人旅だなんてご両親は許しているのかしら……)
小鳥と手を繋ぎながら歩いてる浅葱色の髪の少女は、十代半ばくらいにしか見えない。背も小鳥よりも拳ひとつ分ほど小さく、危険を回避出来るような腕力もなさそうだ。
馬車を元の位置に戻した時のリュカの魔術は立派であった。しかし、このような若い子一人だけでは道中何が起こるか心配である。
「ねえ、リュカ。あなたは一人で旅をしてるの?危なくないかしら?」
「旅?うーん、旅かぁ……。そうだね、旅をしてるような感じ!ボクは魔術が得意だから危ない事は何もないよ。ボクはむしろ小鳥の方が心配。貸し馬車屋へ行って宿屋へ泊まって、その後はどうするの?どこか行く当てはあるの?」
「一応、役所みたいな所へ行って助けを求めようかな、とは思ってる。だけど、それで神殿に連れ戻されてしまっても困るんだよね……」
こちらの世界でどのような扱いになるか分からない以上、不用意に異世界から来たことを話さない方がいいだろう。しかし、そうなると役所などの公的機関へどのように説明をすればいいのか分からない。身分がはっきりしない者として、万が一にも神殿に連れて行かれてしまったらまた命を狙われるだろう。
役所での対応が分からない以上、これからどうするのが良いのか小鳥にも分からないのだ。
「小鳥には事情が色々とあるもんね。もし迷っているのなら、助けたあの人間に頼ってみるといいと思うよ」
「ナターリエさん達の事?裕福そうだし、困ってるって言ったら下働きとして雇ってくれたりするかな?」
「ふふ、小鳥に下働きはさせないと思うよ。ほら、見えて来た!あそこが貸し馬車屋。宿屋は向かいのあの橋を渡った先だね」
リュカの指差した先に見えるのは三階建ての立派な建物であった。一階部分には馬車が停めらるように広いスペースが空けられている。
店の入り口に立つ店員はしっかりとした服装をしており、その仕草からはきちんと作法が仕込まれていることが分かる。
「なんだか随分大きなお店だね。私みたいのが入ってもいいのかな…」
「小鳥は可愛いから大丈夫だよ!店の者に手紙を渡すだけならすぐ終わりそうだしね。じゃあ、ボクは先に宿屋へ行って、空き部屋があるかどうか聞いてきてあげるね!」
リュカはそう言うと、貸し馬車屋から程近い橋を渡った先にある宿屋の方へと行ってしまった。
一人になった小鳥はナターリエから預かった手紙を胸に抱き、覚悟を決める。ナターリエも御者も怪我をしているのだ。出来るだけ早く馬車を手配しなければならない。
(年下のリュカにばかり頼ってはいられないものね。あちらの世界ではずっと一人ぼっちだったのだから、こちらの世界でだって一人で大丈夫!)
小鳥はコツリコツリと石畳みを踏み締め、店の前まで歩みを進める。今はきちんと普通の服を着ているのだから、堂々としていればこの町の住民に見えるだろう。
小鳥は緊張を隠すように、にこりと微笑みながら扉の前にいる店員へと声を掛けた。
二階にある物置き部屋と化しているサラサの娘の部屋で着替えを済ませ、一階へと降りてきた小鳥に店主であるサラサが声を掛ける。
小鳥が身に付けているのは、白いシンプルなブラウスと、足首が見える丈の紺色の無地のスカートだ。十年以上前の物だというこのサラサの娘の服は、特に目立った傷みもなく十分に着られる物であった。派手でもなく貧相すぎもしないこの服ならば、町の中でも浮かずに歩く事が出来るだろう。
「着替えるお部屋まで貸していただけて助かりました。サラサさん、ありがとうございます」
「構わないよ。こちらこそ、質の良い薬草をありがとうね。ここまで立派に育ったユンリューゲルは、最近ではとんと見かけなくなってしまったからね。それじゃこれを渡しておこう。あぁ、服代はちゃんと引かせてもらってるよ」
サラサからちゃらりと音がする布袋を受け取ると、マントから外したブローチと手紙を入れてあるスカートのポケットへと、その布袋も一緒に仕舞い込んだ。
先ほどまで羽織っていたマントは二階で着替える際に小さく折り畳み、外から見えないようボロボロの儀式用の服をその中へと隠すように入れた。神殿の服など早く手放してしまいたかったのだが、これは普通の服ではないのだ。捨てる時は人目に付かないように気をつけるべきだと考えたため、小鳥はもう少し持ち歩く事にしたのだった。
手櫛で簡単に髪の毛を整えていると、ふわりと軽い足取りでリュカがやって来た。
「サラサがお金を誤魔化したりしないように、ちゃんとボクが見てたから安心して!その服も大丈夫そうだね。まぁでも、小鳥はもっと可愛い服の方が似合うと思うけどね」
リュカは髪を直していた小鳥の右手を取り下へとおろさせると、緩くウェーブした柔らかな黒髪をその手に取る。両手で丁寧に小鳥の髪の毛を整えると、リュカは満足そうな笑みを浮かべた。
「ほお?お前さんはあたしがお金をちょろまかすとでも思ってるのかい?」
「やだなぁサラサ。念のためだよ、念のため。人間は欲望に忠実だからね」
「まったく……。そら、もう行きなさいな。この町の治安は良い方だが、若いお嬢さんがいるんだ。暗くなる前に宿屋へ行った方がいいだろう」
「そうだね。じゃあ、そろそろ行こっか?サラサが生きてるうちにまた来れたらいいね」
何とも失礼な挨拶を残して、リュカはさっさと出口へと向かって行ってしまった。小鳥がなんとフォローすべきか、と頭を悩ませていた時、サラサがゆっくりと口を開いた。
「お前さんが着てたマントは騎士団の物だし、少しだけ見えたけど中に着てたのは神殿の服だろう?どういった経緯でここに来たか分からないが、アレに気に入られたのなら安心だね。アレは私にも素性を明かさないけど、悪い奴じゃあないからね。さあさあ、遅くなる前にお行きなさいな」
「色々とお世話になりました。サラサさん、どうぞお元気で」
年季の入った椅子に腰をかけたサラサは、薬草を手にしながら娘を見送る母親のような微笑みを浮かべている。小鳥は温かなその笑みをしっかりと受け止め、リュカが待っている出口へと歩み出した。
(サラサさんは気付いてたのに事情を聞かないでくれたのだわ)
大通りへと続く小道を歩きながら、小鳥は先ほどのサラサの言葉を思い出していた。騎士団のマントを着た女など怪しさしかないはずであるのに、余計な詮索はせず見送ってくれたのだ。それは小鳥がリュカの知り合いであった、というのも大きな理由だろう。
(リュカとサラサさんは随分と仲が良いみたいだったけど、よくあのお店に行くのかしら?そういえば、リュカは私よりもずっと若く見えるけど一人旅をしているの?こんな可愛い子の一人旅だなんてご両親は許しているのかしら……)
小鳥と手を繋ぎながら歩いてる浅葱色の髪の少女は、十代半ばくらいにしか見えない。背も小鳥よりも拳ひとつ分ほど小さく、危険を回避出来るような腕力もなさそうだ。
馬車を元の位置に戻した時のリュカの魔術は立派であった。しかし、このような若い子一人だけでは道中何が起こるか心配である。
「ねえ、リュカ。あなたは一人で旅をしてるの?危なくないかしら?」
「旅?うーん、旅かぁ……。そうだね、旅をしてるような感じ!ボクは魔術が得意だから危ない事は何もないよ。ボクはむしろ小鳥の方が心配。貸し馬車屋へ行って宿屋へ泊まって、その後はどうするの?どこか行く当てはあるの?」
「一応、役所みたいな所へ行って助けを求めようかな、とは思ってる。だけど、それで神殿に連れ戻されてしまっても困るんだよね……」
こちらの世界でどのような扱いになるか分からない以上、不用意に異世界から来たことを話さない方がいいだろう。しかし、そうなると役所などの公的機関へどのように説明をすればいいのか分からない。身分がはっきりしない者として、万が一にも神殿に連れて行かれてしまったらまた命を狙われるだろう。
役所での対応が分からない以上、これからどうするのが良いのか小鳥にも分からないのだ。
「小鳥には事情が色々とあるもんね。もし迷っているのなら、助けたあの人間に頼ってみるといいと思うよ」
「ナターリエさん達の事?裕福そうだし、困ってるって言ったら下働きとして雇ってくれたりするかな?」
「ふふ、小鳥に下働きはさせないと思うよ。ほら、見えて来た!あそこが貸し馬車屋。宿屋は向かいのあの橋を渡った先だね」
リュカの指差した先に見えるのは三階建ての立派な建物であった。一階部分には馬車が停めらるように広いスペースが空けられている。
店の入り口に立つ店員はしっかりとした服装をしており、その仕草からはきちんと作法が仕込まれていることが分かる。
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