再会した幼馴染がオネエになっていた

再会

「あらぁ～！？久しぶりねタツミ～！」

「……は……？」

急に話しかけられてふりかえると、そこには数年ぶりに再会した幼なじみの姿。
髪型もファッションも記憶通りのオシャレなやつ。
……ただ、声のトーン…というか、話し方というか…違和感がものすごい勢いで俺を襲ってきた。

「ヤダ！忘れちゃった？おれのこと。美瑛よ～！み・え・い！」

「いや、え、は？いやいやいやいや、美瑛…なのはわかるけど……お前、そんな話し方だったか……？」

「ふふ、タツミと会うのは3年ぶりだものねぇ。ほんと、人生ってなにがあるかわからないわ！」

「……まぁ、お前が元気そうでよかった。こっち戻ってきたん？」

「タツミも相変わらず無愛想で優しいわね。東京もよかったけどやっぱり地元の方が過ごしやすいから、1週間前に戻ってきたのよ。」

「へぇ。でもこっちも色々変わってるだろ。」

「そうなのよね～！タツミとよく行ってたカフェも無くなっちゃったみたいだし…。」

「……あぁ、あのカフェだったら駅の近くに移転したんだよ。」

「え！？そうなの！？おばさんは元気かしら。…ねぇタツミ、これから時間あったりしない？？」

「はぁ…そう言うと思った。悪いけど、買い物帰りでアイスあるから。」

「あら…残念だわぁ。でも仕方ないわね。」

「……30分後でよければ、これ置いて戻ってこれるけど。どうする？」

「た……タツミ～！やっぱタツミは最高の幼なじみだわ！そんなの余裕で待つわよ！せっかくだし、駅の周り散策してようかしら。」

「じゃ、そういうことで。駅前のバス停…3番のとこあたり集合な。」

「ありがとタツミ愛してるわ！」

「はいはい。」

美瑛と一旦別れて、俺は早足で自宅に戻る。
靴を脱ぎ捨て、冷蔵庫の前で息を整えるようにうずくまった。

たった5分程度の再会で得た情報の衝撃が大きすぎて受け止めきれない。
美瑛は俺を無愛想で優しいなんて言ったけど、全然違う。驚きすぎて上手く言葉がでなかっただけ。





だって俺…………


いや、アタシの幼馴染“も”オネエになってるなんて思わないじゃない！！！