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第二話

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レナside

 「レナ!あんたって子は‥まだ婚約破棄ごっこやってんの?

 いい加減にしなさいよ?

 私が怒られるんだからね?

 来月、お父様が帰ってきたら報告するから!

 ちょっとは反省しなさいよ?

 レナ!聞いてるなら返事しなさい!」


 学園から帰ると姉がいきなり怒ってきた。

 学園長から姉に報告がいったらしい。

「だって!このままだと私!誕生日にリカルド様から婚約破棄されて家族に見放されこの世からサヨナラコースまっしぐらなんですよ?

 お姉さまは私が先に逝ってもよいと思われるの?

 ヒドイ!」

 レナは嘘泣きした。


 実はシスコンで妹に弱いリリス・シャルマンは、レナの嘘泣きに騙されて‥

 「仕方ないわね。レナは‥

 私がリカルド様に謝っておくから。
 そろそろ、婚約破棄ごっこはやめてよ?

 あんたの婚約破棄ごっこで授業が中断されて困ってるって、魔法学科の教師にぐちぐち言われるの私なんだから!」

 姉のリリスは、私が通う魔法学園の教師をしている。

 姉は聖女の力を持っているのだが、神殿に閉じ込められたくないとごねて国王様を悩ませ

 神殿に閉じ込めるなら、隣国へ亡命すると脅して今の仕事を手に入れた。

 聖女になりたくない人が聖女を育てるのおかしくない?

 レナは疑問に感じているのだが、神学科聖女コースでは人気教師みたい。

 そんな姉に比べ、見た目も中身も平凡な私がどうしてリカルド王子の婚約者になったのか、未だにわからないでいる。

◇◇◇◇◇

リカルドside

「シャルマン嬢は、どうして懲りずに婚約破棄をお願いしてくるんだい?
 君達は上手くいってないの?」

 父上に呼ばれたと思ったらレナの話だった。

「嫌だなぁ。

 違いますよ?

 彼女焼きもち焼きだから、私が他の女性と仲良くすると邪推して婚約破棄しろと迫ってくるだけですよ?
 常に私が彼女を見ていないと満足出来ないとか可愛すぎないですか?

 父上に、レナの可愛さが伝わるのも腹立たしいのですが?」

 シャルマン嬢もおかしいが、息子もヤバい!

 そう理解した王は、ふたりにはなるべく関わらないようにしようと決めた。

「シャルマン嬢の事は大切にしてくれよ?

 何かあったらリリスがこの国を滅ぼすかもしれないからな?

 頼んだぞ!リカルド!」

 とりあえず、言いたい事だけは言ってスッキリしたらしく、それ以上ふたりについては聞いてこないのであった。

 レナの姉上かぁ‥

 あの人も、レナが大好きっぽいよね?
 
 まぁ、敵じゃないからいいけど?

 巷では、爽やかな第二王子と言われてますが‥

 何か黒くて恐いの気のせいじゃないよね?

 何だか恐いリカルド王子‥ 

 レナに執着してるよね?

 実はヤンデレ?

 だとしたら、婚約破棄されないよ?

 レナの婚約破棄ごっこは‥

 それでも、続く!

 
 




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