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 アイラがタウンハウスに帰るとお客様ですよ!と言われ、慌てて制服から無難なアフタヌーンドレスに着替え応接室に入ると…


「アイラ!

 久しぶり!

 お願いあるんだけど、しばらく匿ってくれない?」


 幼なじみのトラブルメーカーであるロミーが、ヘラッと笑いながら面倒くさいお願いをしてきた。


「えーっ、絶対嫌だ!

 ジュビアの薬師の専門校に行ったって聞いたけど、もう辞めたの?

 お願いだから、私をトラブルに巻き込まないでよ?

 あんたがいなくなったら、幼なじみである私の近辺を真っ先に調べるに決まってるのに、何でここに来たのよ!

 バカなの?」


 幼少期からやらかすロミーの尻拭いをしてきた事もあり、ロミーへのあたりは強めである。


「保証人いなくて家も借りられないし、仕事も見つけられない可哀想な幼なじみを助けてくれないの?」


 アイラは、ロミーがブツブツ言っている間にロミーの兄であるカイトに念話してロミーを直ぐに引き取りに来てもらう事にした。


「トラブルメーカーの幼なじみに巻き込まれて可哀想な私…

 もっとマシな幼なじみが欲しかったわ…」


「ちょっと!

 アイラひどいじゃない?

 才能があって美しくて最高な幼なじみでしょ?

 ちゃんと評価しなさいよ!」


「評価ねぇ…

 確かに、才能はあるけどねぇ。

 気づくと誰かにケンカ売ってたりするからねぇ。

 おとなしく、ポーションの研究しててくれたら少しは評価してもいいよ?」


「そっか…

 アイラみたいな平々凡々な人には、私の素晴らしさが伝わらないんだね。

 それとも私の才能に嫉妬してるの?

 幼なじみにまで、嫉妬されるなんて…

 才能があり過ぎて困るわ」


 あー面倒くさい!

 早くこれ回収してくれないかな?


 カイトさん、早く来て!


「才能あり過ぎなロミーなら、平々凡々な私に頼らなくても生きていけるよね?

 私、仕事あるからあんたのつまんない自慢話になんか付き合ってられないの。

 もう帰ってくれる?

 幼なじみだからって、私の事頼らないでよね」



 過去にこのふたりに何があったのだろうか?


「ちょっと、アイラ何を怒ってるのよ。

可愛い可愛いロミーのお願いを聞くのはアイラの役目でしょ?

早く、私の部屋を準備させてよ。

ジュビアから必死に逃げてきて魔力もギリギリなんだからさ」


魔力が枯渇寸前なら、負けないわよね?


アイラは、ロミーを眠らせ拘束しロミーの家族に引き渡す事にした。


ロミーは見た目が可愛い為、ウソをついても大概の異性はロミーのウソを受け入れてしまうから面倒なのだ。


これまで、何度ロミーのウソの被害にあった事か…


幼なじみがこんなだから、今まで友達を作ろうと思わなかったのかも…


顔立ちは整い、優れた魔導師であるが外面と本音が違いすぎるロミー。


周りの人間は利用する為にいると思っているロミー。


そんなロミーがアイラは心底苦手なのだ。





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