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王太子side5

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クリス達が存分にスイーツを味わっていると…


「みんな私の事を忘れていませんか?

私も、学園に入学したのですが…」と言いながらレイモンドがパーティー会場に入ってきた。


「これは、これはレイモンド殿下ではありませんか?

私と一緒にチョコレートファウンテンを楽しみませんか?」


甘党のレイモンドをカイルが
チョコレートの滝に誘っている。


「いらっしゃい!

レイモンド!

朝、あなたが滞在している離宮に連絡を入れたら出かけたと言われたから誘うのを遠慮したのよ。

あなたが、学園で婚約者を募集していたと聞いておりましたからね。

もうターゲットをロックオンしたのかと…」


「おば様…

確かに気になる令嬢はいますが、昨日今日でデートに誘うのは気が早すぎませんかね?

先ずは、身辺調査をしております。

一応、私も王族ですから変な女に引っかかったら国際問題に発展する可能性もありますからね!

ところで、おば様の美しいお召し物は和国の着物ですか?

私も、着物を着てみたいのですが…」


レイモンド殿下、アーライで好き放題していたというウワサですが案外真面目なのかもしれませんね。


ファッションにも、興味があるレイモンド殿下らしく、王妃様の浴衣が気になるようです。


「もう気になる令嬢がいるの?

それは、楽しみね。

おつき合いして問題ないのであれば、私に話を通してくれたら見合いの場を設けるわよ?

どんなご令嬢かしら?

楽しみだわ!

あら、この浴衣が気になるの?

あなたの入学祝いに、浴衣をプレゼントしたいと思っているのよ。

良かったら、試着してみない?」


王妃様は、レイモンドの為に準備した薔薇模様の浴衣を試着させるようである。


「入学祝いですか?

ありがとうございます。

おば様のセンスで選んだものなら、きっと私に似合うと思いますが…

試着してみますか」


レイモンドは、マイヤーズ商会の従業員に連れられ別室へ。


レイは、早くもお気に入りを見つけたのか…


羨ましいな…


私も、心許せる相手に出逢いたいものだ。


クリスは、婚約者であるパルミラの事を恋した事はないのだ。


五歳で婚約し、十年もの間を婚約者として過ごしてはいるものの、気位が高くわがままなところがあるパルミラの事は苦手なのだ。


同世代では、1番高貴な令嬢であり、トワイエ公爵家は王太子派の筆頭である事からパルミラ以外の選択肢は最初から無かったのだ。


完全なる政略結婚一直線コースの婚約解消は出来ない婚約なのだ。


クリスは、既に諦めているのだが、パルミラは恋愛結婚を諦めていないらしく、学園生活中に新たな婚約者候補を見つけて私と円満な婚約解消をしたいようだ。


完璧な淑女だと言われていて、見た目も白薔薇夫人と言われるアンナ夫人に似て美しいパルミラに怯まない令嬢なんて探してもムダだろうと諦めている私なのだ。





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