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王太子side3

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学園が休みなので、寮でまったりしていると…


母上から急な呼び出しがあり、王宮へ行く事になり、ウンザリしている。


寮で同室の側近ケインも同行してもらう事にした。

何故なら、母上好みの爽やかなイケメンであるケインを連れて行けば小言が少なくなるからなのだ。


「殿下、私もですか?

私は午後から用事があると言ったはずですが?」


ケインは、私に付き合わされるのが嫌なようで同行を拒否してきた。


「お前の用事って、騎士団の鍛錬の邪魔をする事なんじゃないのか?

お前が騎士団の訓練に参加すると、お前目当ての肉食令嬢がウロウロして邪魔になるから迷惑だって騎士団長が言っていたぞ?」


「殿下!

私は邪魔などしておりませんよ?

毎日の鍛錬が、私の筋肉と私の精神力を鍛えているのですからね?

たまには、殿下も一緒に騎士団の訓練に参加なされては?

ご令嬢方も、将来有望な男性と縁づく為に必死なんですよ。

いじらしいじゃないですか?

タオルや飲み物、お菓子や手紙を渡してくれたりして…

可愛らしいなぁと思っておりますよ、私は…

殿下はパルミラ様がいらっしゃるから何も貰えないですからねぇ。

もしや…

綺麗どころに人気のある私に対する嫉妬ですか?

困りましたね…

私のこの顔は、王国きっての色男と呼ばれた父と辺境に咲く黄金百合の姫と言われた母譲りでしてねぇ…

殿下には敵いませんが、中々に人気なのですよ。

なんせ私には、まだ婚約者も恋人もいませんからね」


このカインという男、体は鍛えてはいるが脳筋ではなく、王太子の側近に選ばれる位だから程好く腹黒で本心が読みにくい男なのだ。


コイツならパルミラを任せられる気がするわ…


パルミラの父である腹黒宰相とも仲良くやっていけそうだし…


単純なパルミラを虜にするのもコイツなら簡単なのでは?


コイツの婚約者が決まらないようなら、パルミラに熨斗をつけて渡そう。


クリストファーは、笑いながら自分がいかにモテるのかを自慢してくる側近にどうやってパルミラを押し付けるかを考えていた。


これから、向かう王宮に何が待ち受けているかなんて全く考えずにいる王太子はやはりボンクラなのかもしれない。


今は学生だからと気を抜いているようだが、もう少し王国の未来について考えてみてもよいのでは?


このままでは、王国には明るい未来が来そうもない。


クリストファー殿下には、常に広い視野で物事を捉えていって欲しいものですね。


彼の頭の中には自分が王国を治めるようになった時の事が描かれているのでしょうか?


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