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「お嬢さん!
フレンチトーストが焼けたぞ!
メープルシロップをたっぷりかけて食べるといいぞ」
ダンの声が聞こえたので、マリールウは案内してくれた少年ルーカスにお礼を言うと慌てて食堂に戻った。
「おかえり。
探検は楽しかったかい?」
「ただいま!
そうね。短い間だったけど、料理長と皿洗いの子と仲良くなったわよ。
厨房は、また次の機会に探検する事にしておくわ。
今は、フレンチトーストよ。
あっ!
パンケーキ先に私の分を取り分けてよね?」
マリールウは、フレンチトーストを数切れ小皿に取りザイラスに渡した。
ザイラスも、慌ててパンケーキを切るとマリールウの皿にのせた。
「冷める前に食べないとな!」
「うん!
あっ…ふわふわだぁ。
これは思ってたより美味しいかも?」
マリールウは、幸せそうにフレンチトーストを口に運ぶ。
ザイラスは、早くもパンケーキを平らげてフレンチトーストを食べている。
追加でサンドイッチを注文するようだ。
マリールウは、ゆっくりとフレンチトーストとメープルシロップの幸せなハーモニーを味わっている。
「はぁ~っ、最高にふわふわだし、甘すぎないけどクセになるのよねぇ。
天使のフレンチトーストって名前にして売り出しましょう。
ふわふわのフレンチトーストを食べたら羽が生えそうよね」
マリールウは、食べている時も頭の中は商売の事でいっぱいなのだ。
「おいおい…
食べてる時くらいは、仕事の事考えるのやめとけよな。
食後は何飲みたい?
俺は珈琲にするけど」
「いいじゃない?
私は仕事が趣味なんだもの!
そうねぇ。
食後はミルクティーかなぁ」
マリールウは、フワシュワァッと呟きながらパンケーキを食べている。
パンケーキも気に入ったらしく満足そうな顔でうなづいている。
頭の中では、移動式屋台で天使のフレンチトースト&パンケーキをどうやって流行らせるかを考えているに違いない。
この思い立ったら即行動しないと気が済まないお姫様をどうやって守っていったらよいのかなぁ?と思い悩むザイラスである。
彼女ときたら1分足りともジッとしていないのだから…
困ったものである。
人間の力じゃ姫を常に守るのは無理があるよなぁ…
目を離すとどっか行っちまうんだから…
明日にでも、妖精の森へ行って妖精に守護してもらえるように話をつけるか。
アイラは、思いついたら何処にでも転移してしまうのでベテランの影軍団もたまに彼女を見失うのだ。
ベテランでも彼女の頭の中を読めるわけではないから仕方ないのだ。
学園生である3年間のアイラの王都での保護者になったザイラスはため息をつくのだった。
アイラの事は大好きなのだが、面倒を見るとなると彼ひとりでは手に負えないのは間違いない。
じい様と御館様にも相談してみるか…
ミルクティーを幸せそうに飲むアイラを眺めながら考え込むザイラスである。
「あっ…このたまごサンド美味しい!
卵の味が濃いよ?」
マリールウことアイラは悩むザイラスなど全く気にせずに、彼が頼んだミックスサンドを味見していた。
サンドイッチと飲み物の移動屋台を朝の出勤時間とランチタイムに出すのもよいかも!と呟きながら。
フレンチトーストが焼けたぞ!
メープルシロップをたっぷりかけて食べるといいぞ」
ダンの声が聞こえたので、マリールウは案内してくれた少年ルーカスにお礼を言うと慌てて食堂に戻った。
「おかえり。
探検は楽しかったかい?」
「ただいま!
そうね。短い間だったけど、料理長と皿洗いの子と仲良くなったわよ。
厨房は、また次の機会に探検する事にしておくわ。
今は、フレンチトーストよ。
あっ!
パンケーキ先に私の分を取り分けてよね?」
マリールウは、フレンチトーストを数切れ小皿に取りザイラスに渡した。
ザイラスも、慌ててパンケーキを切るとマリールウの皿にのせた。
「冷める前に食べないとな!」
「うん!
あっ…ふわふわだぁ。
これは思ってたより美味しいかも?」
マリールウは、幸せそうにフレンチトーストを口に運ぶ。
ザイラスは、早くもパンケーキを平らげてフレンチトーストを食べている。
追加でサンドイッチを注文するようだ。
マリールウは、ゆっくりとフレンチトーストとメープルシロップの幸せなハーモニーを味わっている。
「はぁ~っ、最高にふわふわだし、甘すぎないけどクセになるのよねぇ。
天使のフレンチトーストって名前にして売り出しましょう。
ふわふわのフレンチトーストを食べたら羽が生えそうよね」
マリールウは、食べている時も頭の中は商売の事でいっぱいなのだ。
「おいおい…
食べてる時くらいは、仕事の事考えるのやめとけよな。
食後は何飲みたい?
俺は珈琲にするけど」
「いいじゃない?
私は仕事が趣味なんだもの!
そうねぇ。
食後はミルクティーかなぁ」
マリールウは、フワシュワァッと呟きながらパンケーキを食べている。
パンケーキも気に入ったらしく満足そうな顔でうなづいている。
頭の中では、移動式屋台で天使のフレンチトースト&パンケーキをどうやって流行らせるかを考えているに違いない。
この思い立ったら即行動しないと気が済まないお姫様をどうやって守っていったらよいのかなぁ?と思い悩むザイラスである。
彼女ときたら1分足りともジッとしていないのだから…
困ったものである。
人間の力じゃ姫を常に守るのは無理があるよなぁ…
目を離すとどっか行っちまうんだから…
明日にでも、妖精の森へ行って妖精に守護してもらえるように話をつけるか。
アイラは、思いついたら何処にでも転移してしまうのでベテランの影軍団もたまに彼女を見失うのだ。
ベテランでも彼女の頭の中を読めるわけではないから仕方ないのだ。
学園生である3年間のアイラの王都での保護者になったザイラスはため息をつくのだった。
アイラの事は大好きなのだが、面倒を見るとなると彼ひとりでは手に負えないのは間違いない。
じい様と御館様にも相談してみるか…
ミルクティーを幸せそうに飲むアイラを眺めながら考え込むザイラスである。
「あっ…このたまごサンド美味しい!
卵の味が濃いよ?」
マリールウことアイラは悩むザイラスなど全く気にせずに、彼が頼んだミックスサンドを味見していた。
サンドイッチと飲み物の移動屋台を朝の出勤時間とランチタイムに出すのもよいかも!と呟きながら。
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