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マイヤーズ男爵家のタウンハウスは、王立学園の直ぐ近くにある。
というのも、長兄たちが通学の為に馬車や従者、侍女を伴うのは不経済であると父に訴えたからである。
その為、学園の表門から見える場所にあるのだ。
ちなみに、マイヤーズ商会の王都店舗もタウンハウスから徒歩圏内にある。
マイヤーズ家では、時間はお金である!も家訓に入っているのだ。
移動する時間でひと仕事出来るじゃないか?
それなら、住居と職場は近い方が良いに決まっているという考えなのだ。
ちなみに、マイヤーズ商会に勤める者達が住む寮は商会の裏にある。
家族用と単身用の部屋に分かれていて、家賃は商会持ちでお昼1食は商会内の食堂で食べる事が出来るので寮は常に空き待ちになっている。
商会内の食堂では、長兄が異国から仕入れてきた香料や食材を使った料理を従業員に試食してもらっているのだ。
従業員たちは、これから王国で流行するモノを先に知れる事をとても楽しみにしている。
マイヤーズ商会は人気の商会という事もあり、時にはライバル商会のスパイが従業員として紛れ込む事もあるのだが…
従業員を家族のように扱うマイヤーズ商会のやり方に感動して、マイヤーズ商会に骨を埋める事にしたという話をよく聞くのだ。
マイヤーズ商会は、お客様が楽しんでお買い物をしてくれる事を1番に考えているので、お客様に寄り添える接客が出来る事が従業員になる第1条件である。
末娘であるアイラは、幼少期から領地にあるマイヤーズ商会の本店で乳母に抱っこされながら商品を眺めたり、お客様を接客している従業員の様子を見て育ってきた事もあり、接客が大好きで天職だと思っているのだ。
アイラは、王都で店長としての新しい生活が始まる事への期待で胸がいっぱいで王立学園に通うのはオマケとしか考えていないようだ。
最初、アイラは王立学園には通わずに領地にある学園に通いながら本店で働きたいと父に言ったのだが、父から王都店舗を全国1位にするのがお前の初仕事だと言われて王都に来る事になったのだ。
アイラは、自然に恵まれ牧歌的な領地を愛していたので最初は王都に来るのが不満だったのだが…
父から学園に通う3年間は王都店舗の経営には口出しはしないから好きにしていいと言われ嬉々として王都にやってきたのだ。
現在の王都の店長代理は、アイラが小さい頃から憧れている従兄弟のザイラスである事もあり、アイラは早く王都店に行きたいのだが…
侍女のエリや執事のベンから学園生活の準備が先です!と言われ、仕方なく制服の試着や学園生活に必要だと揃えてもらった物を確認しているのだ。
「よいですか!
アイラお嬢様が身に付けている物全てが王都の流行になるのですからね?
しっかり吟味してうちの商会で揃えておりますが、今1度足りない物がないか確認して下さいよ?
商会には、明日行くと伝えてありますからね?
今日は、マナーチェックに来てもらいますから学園での貴族令嬢としてのマナーも再確認お願いしますよ?
お嬢様が学園で人気にならなければうちの商品も売れませんからね!
お嬢様が広告塔だと言う事をくれぐれも忘れないで行動して下さいね?」
タウンハウスに着いて着替えた後に、こっそりマイヤーズ商会に行こうとしたアイラは、執事のベンに捕まってしまったようだ。
アイラが苦手としているマナー講師も後から来るようだし…
最悪だぁ…
アイラはため息をつきながら、ベンから渡された学園でのマナーのテキストをチェックするのだった。
というのも、長兄たちが通学の為に馬車や従者、侍女を伴うのは不経済であると父に訴えたからである。
その為、学園の表門から見える場所にあるのだ。
ちなみに、マイヤーズ商会の王都店舗もタウンハウスから徒歩圏内にある。
マイヤーズ家では、時間はお金である!も家訓に入っているのだ。
移動する時間でひと仕事出来るじゃないか?
それなら、住居と職場は近い方が良いに決まっているという考えなのだ。
ちなみに、マイヤーズ商会に勤める者達が住む寮は商会の裏にある。
家族用と単身用の部屋に分かれていて、家賃は商会持ちでお昼1食は商会内の食堂で食べる事が出来るので寮は常に空き待ちになっている。
商会内の食堂では、長兄が異国から仕入れてきた香料や食材を使った料理を従業員に試食してもらっているのだ。
従業員たちは、これから王国で流行するモノを先に知れる事をとても楽しみにしている。
マイヤーズ商会は人気の商会という事もあり、時にはライバル商会のスパイが従業員として紛れ込む事もあるのだが…
従業員を家族のように扱うマイヤーズ商会のやり方に感動して、マイヤーズ商会に骨を埋める事にしたという話をよく聞くのだ。
マイヤーズ商会は、お客様が楽しんでお買い物をしてくれる事を1番に考えているので、お客様に寄り添える接客が出来る事が従業員になる第1条件である。
末娘であるアイラは、幼少期から領地にあるマイヤーズ商会の本店で乳母に抱っこされながら商品を眺めたり、お客様を接客している従業員の様子を見て育ってきた事もあり、接客が大好きで天職だと思っているのだ。
アイラは、王都で店長としての新しい生活が始まる事への期待で胸がいっぱいで王立学園に通うのはオマケとしか考えていないようだ。
最初、アイラは王立学園には通わずに領地にある学園に通いながら本店で働きたいと父に言ったのだが、父から王都店舗を全国1位にするのがお前の初仕事だと言われて王都に来る事になったのだ。
アイラは、自然に恵まれ牧歌的な領地を愛していたので最初は王都に来るのが不満だったのだが…
父から学園に通う3年間は王都店舗の経営には口出しはしないから好きにしていいと言われ嬉々として王都にやってきたのだ。
現在の王都の店長代理は、アイラが小さい頃から憧れている従兄弟のザイラスである事もあり、アイラは早く王都店に行きたいのだが…
侍女のエリや執事のベンから学園生活の準備が先です!と言われ、仕方なく制服の試着や学園生活に必要だと揃えてもらった物を確認しているのだ。
「よいですか!
アイラお嬢様が身に付けている物全てが王都の流行になるのですからね?
しっかり吟味してうちの商会で揃えておりますが、今1度足りない物がないか確認して下さいよ?
商会には、明日行くと伝えてありますからね?
今日は、マナーチェックに来てもらいますから学園での貴族令嬢としてのマナーも再確認お願いしますよ?
お嬢様が学園で人気にならなければうちの商品も売れませんからね!
お嬢様が広告塔だと言う事をくれぐれも忘れないで行動して下さいね?」
タウンハウスに着いて着替えた後に、こっそりマイヤーズ商会に行こうとしたアイラは、執事のベンに捕まってしまったようだ。
アイラが苦手としているマナー講師も後から来るようだし…
最悪だぁ…
アイラはため息をつきながら、ベンから渡された学園でのマナーのテキストをチェックするのだった。
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