203 / 231
梨畑で私をつかまえて
しおりを挟む
遠距離恋愛をしている恋人から彼が作っている梨と梨畑の写真が送られてきた。
梨を収穫しながら満足そうに笑う彼を見て元気でやっているのだなぁと嬉しく思いながらも、自分が隣にいない事に寂しさを感じている。
何枚も送られてきた写真を1枚ずつジックリと眺めていると、夜の梨畑を写したものが数枚出てきた。
夜の梨畑は黄金色の優しい灯りに照らし出され幻想的な美しさに溢れていた。
これ…いつまでやってるのかな?
ライトアップされた梨畑ってファンタジーだよ!
こんなとこに連れていかれたら異世界転生したかと思っちゃうよ?
写真を眺めているだけじゃ物足りない!
私は出張用にいつも準備してあるバッグを持って車に飛び乗った。
高速を飛ばしたら夜のうちに彼の地元に着けるはずだから…
◇◇◇◇◇◇
2年前、彼の父が倒れて地元に帰る事になった時、私には遠距離恋愛は向いていないから自然消滅するんだろうなって思っていたのだ。
彼はきっと地元でお見合いをして農家にお嫁に来てくれる人と一緒になるんだろうって…
彼の事は好きだけど、私は仕事を辞めて彼に着いていくなんて考えられなかったから。
そんな時、彼は私には何も要求せずに1人故郷に帰ってしまったから…
そのうち連絡が来なくなるんだろうって思っていたのだけど、彼はマメに連絡してくれたし、畑で採れた季節の野菜に絵手紙を添えて送ってくれるのだ。
親元を離れひとり暮らしをしている私の元へ、温かい愛情溢れる定期便を送ってくれる彼の細やかな優しさに触れ、いつも一緒にいた時よりも彼を身近に感じられるようになっていた。
そんな時に送られてきた梨畑の写真。
黄金色に輝く夜の梨畑で彼に逢いたい!
彼の体温を早く感じたい!
会って思いっきり抱きしめたい!
そう思ったらどうしても彼に会いたくなって車を飛ばしている私がいた。
夜の梨畑もいいけど、お昼に梨畑を案内してもらいたいなぁ。
私…梨を作る人のお嫁さんになりたいって立候補しようかな?
頭の中で色々考えながらニヤニヤしている私は客観的に見たらきっと不気味だろうな…
あっ!彼に連絡してない!
何かお土産も買わないとね。
私は慌てて途中のインターで適当なお土産を買った後に彼にメッセージを送るのだった。
梨美味しかったから直接お礼を言いに行くね!
ライトアップされた梨畑でデートしたいなぁ。
今向かっていると思っていなかった彼がびっくりした顔で私を迎えてくれた時のお話はまた、今度!
梨を収穫しながら満足そうに笑う彼を見て元気でやっているのだなぁと嬉しく思いながらも、自分が隣にいない事に寂しさを感じている。
何枚も送られてきた写真を1枚ずつジックリと眺めていると、夜の梨畑を写したものが数枚出てきた。
夜の梨畑は黄金色の優しい灯りに照らし出され幻想的な美しさに溢れていた。
これ…いつまでやってるのかな?
ライトアップされた梨畑ってファンタジーだよ!
こんなとこに連れていかれたら異世界転生したかと思っちゃうよ?
写真を眺めているだけじゃ物足りない!
私は出張用にいつも準備してあるバッグを持って車に飛び乗った。
高速を飛ばしたら夜のうちに彼の地元に着けるはずだから…
◇◇◇◇◇◇
2年前、彼の父が倒れて地元に帰る事になった時、私には遠距離恋愛は向いていないから自然消滅するんだろうなって思っていたのだ。
彼はきっと地元でお見合いをして農家にお嫁に来てくれる人と一緒になるんだろうって…
彼の事は好きだけど、私は仕事を辞めて彼に着いていくなんて考えられなかったから。
そんな時、彼は私には何も要求せずに1人故郷に帰ってしまったから…
そのうち連絡が来なくなるんだろうって思っていたのだけど、彼はマメに連絡してくれたし、畑で採れた季節の野菜に絵手紙を添えて送ってくれるのだ。
親元を離れひとり暮らしをしている私の元へ、温かい愛情溢れる定期便を送ってくれる彼の細やかな優しさに触れ、いつも一緒にいた時よりも彼を身近に感じられるようになっていた。
そんな時に送られてきた梨畑の写真。
黄金色に輝く夜の梨畑で彼に逢いたい!
彼の体温を早く感じたい!
会って思いっきり抱きしめたい!
そう思ったらどうしても彼に会いたくなって車を飛ばしている私がいた。
夜の梨畑もいいけど、お昼に梨畑を案内してもらいたいなぁ。
私…梨を作る人のお嫁さんになりたいって立候補しようかな?
頭の中で色々考えながらニヤニヤしている私は客観的に見たらきっと不気味だろうな…
あっ!彼に連絡してない!
何かお土産も買わないとね。
私は慌てて途中のインターで適当なお土産を買った後に彼にメッセージを送るのだった。
梨美味しかったから直接お礼を言いに行くね!
ライトアップされた梨畑でデートしたいなぁ。
今向かっていると思っていなかった彼がびっくりした顔で私を迎えてくれた時のお話はまた、今度!
0
お気に入りに追加
20
あなたにおすすめの小説
お腹の子と一緒に逃げたところ、結局お腹の子の父親に捕まりました。
下菊みこと
恋愛
逃げたけど逃げ切れなかったお話。
またはチャラ男だと思ってたらヤンデレだったお話。
あるいは今度こそ幸せ家族になるお話。
ご都合主義の多分ハッピーエンド?
小説家になろう様でも投稿しています。
婚約者に消えろと言われたので湖に飛び込んだら、気づけば三年が経っていました。
束原ミヤコ
恋愛
公爵令嬢シャロンは、王太子オリバーの婚約者に選ばれてから、厳しい王妃教育に耐えていた。
だが、十六歳になり貴族学園に入学すると、オリバーはすでに子爵令嬢エミリアと浮気をしていた。
そしてある冬のこと。オリバーに「私の為に消えろ」というような意味のことを告げられる。
全てを諦めたシャロンは、精霊の湖と呼ばれている学園の裏庭にある湖に飛び込んだ。
気づくと、見知らぬ場所に寝かされていた。
そこにはかつて、病弱で体の小さかった辺境伯家の息子アダムがいた。
すっかり立派になったアダムは「あれから三年、君は目覚めなかった」と言った――。
【完結】夫もメイドも嘘ばかり
横居花琉
恋愛
真夜中に使用人の部屋から男女の睦み合うような声が聞こえていた。
サブリナはそのことを気に留めないようにしたが、ふと夫が浮気していたのではないかという疑念に駆られる。
そしてメイドから衝撃的なことを打ち明けられた。
夫のアランが無理矢理関係を迫ったというものだった。
婚約破棄ですか???実家からちょうど帰ってこいと言われたので好都合です!!!これからは復讐をします!!!~どこにでもある普通の令嬢物語~
tartan321
恋愛
婚約破棄とはなかなか考えたものでございますね。しかしながら、私はもう帰って来いと言われてしまいました。ですから、帰ることにします。これで、あなた様の口うるさい両親や、その他の家族の皆様とも顔を合わせることがないのですね。ラッキーです!!!
壮大なストーリーで奏でる、感動的なファンタジーアドベンチャーです!!!!!最後の涙の理由とは???
一度完結といたしました。続編は引き続き書きたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
公爵様、契約通り、跡継ぎを身籠りました!-もう契約は満了ですわよ・・・ね?ちょっと待って、どうして契約が終わらないんでしょうかぁぁ?!-
猫まんじゅう
恋愛
そう、没落寸前の実家を助けて頂く代わりに、跡継ぎを産む事を条件にした契約結婚だったのです。
無事跡継ぎを妊娠したフィリス。夫であるバルモント公爵との契約達成は出産までの約9か月となった。
筈だったのです······が?
◆◇◆
「この結婚は契約結婚だ。貴女の実家の財の工面はする。代わりに、貴女には私の跡継ぎを産んでもらおう」
拝啓、公爵様。財政に悩んでいた私の家を助ける代わりに、跡継ぎを産むという一時的な契約結婚でございましたよね・・・?ええ、跡継ぎは産みました。なぜ、まだ契約が完了しないんでしょうか?
「ちょ、ちょ、ちょっと待ってくださいませええ!この契約!あと・・・、一体あと、何人子供を産めば契約が満了になるのですッ!!?」
溺愛と、悪阻(ツワリ)ルートは二人がお互いに想いを通じ合わせても終わらない?
◆◇◆
安心保障のR15設定。
描写の直接的な表現はありませんが、”匂わせ”も気になる吐き悪阻体質の方はご注意ください。
ゆるゆる設定のコメディ要素あり。
つわりに付随する嘔吐表現などが多く含まれます。
※妊娠に関する内容を含みます。
【2023/07/15/9:00〜07/17/15:00, HOTランキング1位ありがとうございます!】
こちらは小説家になろうでも完結掲載しております(詳細はあとがきにて、)
婚約破棄目当てで行きずりの人と一晩過ごしたら、何故か隣で婚約者が眠ってた……
木野ダック
恋愛
メティシアは婚約者ーー第二王子・ユリウスの女たらし振りに頭を悩ませていた。舞踏会では自分を差し置いて他の令嬢とばかり踊っているし、彼の隣に女性がいなかったことがない。メティシアが話し掛けようとしたって、ユリウスは平等にとメティシアを後回しにするのである。メティシアは暫くの間、耐えていた。例え、他の男と関わるなと理不尽な言い付けをされたとしても我慢をしていた。けれど、ユリウスが楽しそうに踊り狂う中飛ばしてきたウインクにより、メティシアの堪忍袋の緒が切れた。もう無理!そうだ、婚約破棄しよう!とはいえ相手は王族だ。そう簡単には婚約破棄できまい。ならばーー貞操を捨ててやろう!そんなわけで、メティシアはユリウスとの婚約破棄目当てに仮面舞踏会へ、行きずりの相手と一晩を共にするのであった。けど、あれ?なんで貴方が隣にいるの⁉︎
大切だった友達に媚薬を盛ったら、怖いくらい溺愛されています。彼が勧めてくれたお茶からも同じ香りがしていたのは気のせいかな。
下菊みこと
恋愛
媚薬を盛ったらとんでもなく愛されたお話。
マルスリーヌは友人、エルキュールに媚薬を盛る。エルキュールと結婚して、多額の結納金を実家に納めてもらうためだ。けれど肝心のエルキュールは、媚薬を入れた紅茶の香りを嗅いだだけで飲んでないのに媚薬が効いてしまった。マルスリーヌは困惑するも開き直るしかなかった。
小説家になろう様でも投稿しています。
【掌編集】今までお世話になりました旦那様もお元気で〜妻の残していった離婚受理証明書を握りしめイケメン公爵は涙と鼻水を垂らす
まほりろ
恋愛
新婚初夜に「君を愛してないし、これからも愛するつもりはない」と言ってしまった公爵。
彼は今まで、天才、美男子、完璧な貴公子、ポーカーフェイスが似合う氷の公爵などと言われもてはやされてきた。
しかし新婚初夜に暴言を吐いた女性が、初恋の人で、命の恩人で、伝説の聖女で、妖精の愛し子であったことを知り意気消沈している。
彼の手には元妻が置いていった「離婚受理証明書」が握られていた……。
他掌編七作品収録。
※無断転載を禁止します。
※朗読動画の無断配信も禁止します
「Copyright(C)2023-まほりろ/若松咲良」
某小説サイトに投稿した掌編八作品をこちらに転載しました。
【収録作品】
①「今までお世話になりました旦那様もお元気で〜ポーカーフェイスの似合う天才貴公子と称された公爵は、妻の残していった離婚受理証明書を握りしめ涙と鼻水を垂らす」
②「何をされてもやり返せない臆病な公爵令嬢は、王太子に竜の生贄にされ壊れる。能ある鷹と天才美少女は爪を隠す」
③「運命的な出会いからの即日プロポーズ。婚約破棄された天才錬金術師は新しい恋に生きる!」
④「4月1日10時30分喫茶店ルナ、婚約者は遅れてやってきた〜新聞は星座占いを見る為だけにある訳ではない」
⑤「『お姉様はズルい!』が口癖の双子の弟が現世の婚約者! 前世では弟を立てる事を親に強要され馬鹿の振りをしていましたが、現世では奴とは他人なので天才として実力を充分に発揮したいと思います!」
⑥「婚約破棄をしたいと彼は言った。契約書とおふだにご用心」
⑦「伯爵家に半世紀仕えた老メイドは伯爵親子の罠にハマり無一文で追放される。老メイドを助けたのはポーカーフェイスの美女でした」
⑧「お客様の中に褒め褒めの感想を書ける方はいらっしゃいませんか? 天才美文感想書きVS普通の少女がえんぴつで書いた感想!」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる