4 / 12
4
しおりを挟む
「ばあや、私のお父様とお母様はどうして私に会いに来てくれないの?」
「姫様のお父様とお母様はお忙しい方々なのですよ。
姫様には、このばあやがついております!
ばあやではご不満ですか?」
「ばあや…
いつも有難う。
不満とかじゃないの?
ライが、ユーリは親に嫌われてる捨てられ姫って言ってきたから…
だから…」
「姫様…
ライボルトなどの言う事は気にしなくていいのですよ。
あの小僧は、ちょっと頭が足りないのですからね。
何を言ってきても無視すればよいですよ。
次に馬鹿な事を言ってきたら、不敬罪で処罰されたいの?と言えばよいですからね」
「わかった!
ライが何を言ってきても気にしない。
あんたは不敬罪って知ってる?って聞いて知らなかったら笑ってやる事にする」
「それがいいです。姫様は私達の大切な大切なお姫様ですからね。
くだらない事を言ってきたら叱り飛ばせばよいのですよ?
この白百合宮の主は姫様なのですからね?」
「わかった!
私はこの宮の主としての自覚を持って行動するよ。
ライごときの言葉に一喜一憂していては女がすたるんでしょ?」
「そうです、姫様。
その調子でお願いします」
ユーレリアは、5歳になったところなのだが…
王太后様が派遣してくる凄腕家庭教師たちのおかげで日々賢くなっているのだ。
最近では、海の向こうにあるジュビア王国やアーライ神国の言語や歴史についても学び始めている。
ユーレリアの姉であるテレサ王女は、未だ母国語を話すのもままならない様子らしく家庭教師たちはテレサ王女の教育に手を焼いているらしい。
王太后様は、時間がある時に白百合の宮を訪ねてくれる。表向きには、白百合の宮にある王太后様専用の薬草園の様子を見に来るという名目でユーレリアを甘やかしに来るのだ。
来る時には必ずユーレリアが大好きな本や王太后様の祖国であるジュビア王国で人気のお菓子や、アーライ神国で流行っている魔道具を沢山持ってきてくれるのだ。
ユーレリアは、大好きなお祖母様が白百合の宮を訪ねてくるのを楽しみにしている。
「ばあや、お祖母様にお手紙を書きたいのだけれど便箋が見当たらなくて…」
「それなら、こちらにありますわ?
王太后様は、姫様からのお手紙を楽しみにされていますからね。
きっとお喜びになりますわ」
「そうかなぁ?
あのね。今日は、お祖母様の生まれたジュビアの言葉でお手紙を書くつもりなの。
ねぇ、ばあやもジュビア語が分かるんでしょ?
手紙を書き終わったら、私が書いた言葉に間違いがないか確認してくれる?」
「はい!
姫様!!
ばあやがシッカリと確認致しますから安心してお手紙を書いて頂ければ…」
「うん!
ばあやお願いね。
今日は、アーライ神国の先生の日だから、ジュビア語の質問は出来ないの…」
「姫様…
クリスティーナ先生は、アーライの伯爵令嬢ですからジュビア語も話せると思いますよ?
クリスティーナ先生に、ジュビア語で話しかけてみてはどうでしょう?」
「ばあや…
アーライ神国の貴族はみんなジュビア語が話せるの?
じゃあ、ジュビア王国の貴族はみんなアーライ語が話せるのかな?」
「そうですね…
伯爵家以上の高位貴族であれば話せる方が多いのではないですか?
ジュビアとアーライは友好国ですから、貴族だけでなく商家の者たちも両方の言語を話す者が多いですね」
「なるほど…
ジュビアも、アーライも、国民の教育が行き渡っているんだねぇ。
我が国は、ちょっと遅れているんじゃない?
私が大きくなったら、教育にもっと力を入れたいなぁ。
平民が気軽に通える学校を作ったらよいと思うんだ」
5歳の幼女が、自国の教育の遅れを憂いているというのに…この国のトップは何をしているんだろう?
この才気溢れるユーレリア王女を蔑ろにしている国王も、王妃もロクなもんじゃない!とユーレリア付きの乳母や侍女及び、王太后様の命でジュビア王国から派遣されユーレリアをこっそり守護している暗部の精鋭たちの意見は一致するのだった。
「姫様のお父様とお母様はお忙しい方々なのですよ。
姫様には、このばあやがついております!
ばあやではご不満ですか?」
「ばあや…
いつも有難う。
不満とかじゃないの?
ライが、ユーリは親に嫌われてる捨てられ姫って言ってきたから…
だから…」
「姫様…
ライボルトなどの言う事は気にしなくていいのですよ。
あの小僧は、ちょっと頭が足りないのですからね。
何を言ってきても無視すればよいですよ。
次に馬鹿な事を言ってきたら、不敬罪で処罰されたいの?と言えばよいですからね」
「わかった!
ライが何を言ってきても気にしない。
あんたは不敬罪って知ってる?って聞いて知らなかったら笑ってやる事にする」
「それがいいです。姫様は私達の大切な大切なお姫様ですからね。
くだらない事を言ってきたら叱り飛ばせばよいのですよ?
この白百合宮の主は姫様なのですからね?」
「わかった!
私はこの宮の主としての自覚を持って行動するよ。
ライごときの言葉に一喜一憂していては女がすたるんでしょ?」
「そうです、姫様。
その調子でお願いします」
ユーレリアは、5歳になったところなのだが…
王太后様が派遣してくる凄腕家庭教師たちのおかげで日々賢くなっているのだ。
最近では、海の向こうにあるジュビア王国やアーライ神国の言語や歴史についても学び始めている。
ユーレリアの姉であるテレサ王女は、未だ母国語を話すのもままならない様子らしく家庭教師たちはテレサ王女の教育に手を焼いているらしい。
王太后様は、時間がある時に白百合の宮を訪ねてくれる。表向きには、白百合の宮にある王太后様専用の薬草園の様子を見に来るという名目でユーレリアを甘やかしに来るのだ。
来る時には必ずユーレリアが大好きな本や王太后様の祖国であるジュビア王国で人気のお菓子や、アーライ神国で流行っている魔道具を沢山持ってきてくれるのだ。
ユーレリアは、大好きなお祖母様が白百合の宮を訪ねてくるのを楽しみにしている。
「ばあや、お祖母様にお手紙を書きたいのだけれど便箋が見当たらなくて…」
「それなら、こちらにありますわ?
王太后様は、姫様からのお手紙を楽しみにされていますからね。
きっとお喜びになりますわ」
「そうかなぁ?
あのね。今日は、お祖母様の生まれたジュビアの言葉でお手紙を書くつもりなの。
ねぇ、ばあやもジュビア語が分かるんでしょ?
手紙を書き終わったら、私が書いた言葉に間違いがないか確認してくれる?」
「はい!
姫様!!
ばあやがシッカリと確認致しますから安心してお手紙を書いて頂ければ…」
「うん!
ばあやお願いね。
今日は、アーライ神国の先生の日だから、ジュビア語の質問は出来ないの…」
「姫様…
クリスティーナ先生は、アーライの伯爵令嬢ですからジュビア語も話せると思いますよ?
クリスティーナ先生に、ジュビア語で話しかけてみてはどうでしょう?」
「ばあや…
アーライ神国の貴族はみんなジュビア語が話せるの?
じゃあ、ジュビア王国の貴族はみんなアーライ語が話せるのかな?」
「そうですね…
伯爵家以上の高位貴族であれば話せる方が多いのではないですか?
ジュビアとアーライは友好国ですから、貴族だけでなく商家の者たちも両方の言語を話す者が多いですね」
「なるほど…
ジュビアも、アーライも、国民の教育が行き渡っているんだねぇ。
我が国は、ちょっと遅れているんじゃない?
私が大きくなったら、教育にもっと力を入れたいなぁ。
平民が気軽に通える学校を作ったらよいと思うんだ」
5歳の幼女が、自国の教育の遅れを憂いているというのに…この国のトップは何をしているんだろう?
この才気溢れるユーレリア王女を蔑ろにしている国王も、王妃もロクなもんじゃない!とユーレリア付きの乳母や侍女及び、王太后様の命でジュビア王国から派遣されユーレリアをこっそり守護している暗部の精鋭たちの意見は一致するのだった。
22
お気に入りに追加
23
あなたにおすすめの小説
王族に婚約破棄させたらそりゃそうなるよね? ……って話
ノ木瀬 優
恋愛
ぽっと出のヒロインが王族に婚約破棄させたらこうなるんじゃないかなって話を書いてみました。
完全に勢いで書いた話ですので、お気軽に読んで頂けたらなと思います。
王子と王女の不倫を密告してやったら、二人に処分が下った。
ほったげな
恋愛
王子と従姉の王女は凄く仲が良く、私はよく仲間外れにされていた。そんな二人が惹かれ合っていることを知ってしまい、王に密告すると……?!
【完結】離縁されたので実家には戻らずに自由にさせて貰います!
山葵
恋愛
「キリア、俺と離縁してくれ。ライラの御腹には俺の子が居る。産まれてくる子を庶子としたくない。お前に子供が授からなかったのも悪いのだ。慰謝料は払うから、離婚届にサインをして出て行ってくれ!」
夫のカイロは、自分の横にライラさんを座らせ、向かいに座る私に離婚届を差し出した。
そんな事も分からないから婚約破棄になるんです。仕方無いですよね?
ノ木瀬 優
恋愛
事あるごとに人前で私を追及するリチャード殿下。
「私は何もしておりません! 信じてください!」
婚約者を信じられなかった者の末路は……
お望み通り、別れて差し上げます!
珊瑚
恋愛
「幼なじみと子供が出来たから別れてくれ。」
本当の理解者は幼なじみだったのだと婚約者のリオルから突然婚約破棄を突きつけられたフェリア。彼は自分の家からの支援が無くなれば困るに違いないと思っているようだが……?
【短編】婚約破棄?「喜んで!」食い気味に答えたら陛下に泣きつかれたけど、知らんがな
みねバイヤーン
恋愛
「タリーシャ・オーデリンド、そなたとの婚約を破棄す」「喜んで!」
タリーシャが食い気味で答えると、あと一歩で間に合わなかった陛下が、会場の入口で「ああー」と言いながら膝から崩れ落ちた。田舎領地で育ったタリーシャ子爵令嬢が、ヴィシャール第一王子殿下の婚約者に決まったとき、王国は揺れた。王子は荒ぶった。あんな少年のように色気のない体の女はいやだと。タリーシャは密かに陛下と約束を交わした。卒業式までに王子が婚約破棄を望めば、婚約は白紙に戻すと。田舎でのびのび暮らしたいタリーシャと、タリーシャをどうしても王妃にしたい陛下との熾烈を極めた攻防が始まる。
一年で死ぬなら
朝山みどり
恋愛
一族のお食事会の主な話題はクレアをばかにする事と同じ年のいとこを褒めることだった。
理不尽と思いながらもクレアはじっと下を向いていた。
そんなある日、体の不調が続いたクレアは医者に行った。
そこでクレアは心臓が弱っていて、余命一年とわかった。
一年、我慢しても一年。好きにしても一年。吹っ切れたクレアは・・・・・
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる