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第五章 幸福編

9話 久々に過ごす時

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~次の日~

水波「日瑠暗、今日はここで僕らといるの?」

「うん。やる事もないしね」

「龍になってからはなんか色々と
忙しかったし...」 

「久々に、親友と暮らす時間を過ごしたいんだ」

水波「そっか!僕もいれて嬉しいよ!」

「ねえ...その、一人称は変えれない感じ?」

水波「うん。まあ、もう一カ月近く経ったし、
だいぶ慣れたよ?心の中で話す時とかは『私』
だしね」

「…ああ!水波と話せるの?」

水波「うん。それで、前に二週間近くいなかった時も色々と教えてもらってたんだ」

水波「でも、言ってることはよくわかんなかった
けどね」

「そ、そっか...」

(多分、知らなくていい事だと思う...)

ーー☆ーー
水波「ねえ日瑠暗。琴㮈達には会った?」

「え?あ~。今日はまだかな。水波が最初」

水波「そっか!なら、琴㮈達のところいこ!
きっと、特別なことがあるよ!」

「特別?なんだろう...?楽しみ」

ーー☆ーー

翠理「あら。今日は水波と過ごすんじゃ
なかったの?」

「そうなんだけどね、水波が特別な事があるって、言うから、気になったんだ」 

流羅「そうでしたか!でしたら、これを見て
ください!」

「これ、楽器?どうしたの?」

流羅「ふふふ~。なんと!フェルア様からの
プレゼントなんですよ~!」

翠理「私はフルートを貰ったわ」

流羅「そして!私がバイオリンを貰ったんです!
フェルア様曰く、これは私だけが扱える特別な
バイオリンらしいんです」

翠理「それと、これで曲を奏でると、聴いた者に
楽器に願った感情にさせるらしいのよ」

「えっ?凄い...。思ってたより凄い効果だね」

翠理「折角日瑠暗が来たんだし、これで落ち着く様に願って曲を奏でようかしら?」

「そうだね。聴いてみたいかも」

水波「僕もお願いするよ。琴㮈も聴きたい
でしょ?」

琴㮈「そうね...私は猫だし、ゆったりとした曲が
聴きたいわ」

翠理「ふむ...わかったわ。流羅、お願い」

流羅「はい!」

ーーーー☆ーーーー
~バルコニー~

エル「...?なんか聴こえる」

エレア「本当だな。楽器の音...フルートと
バイオリンか?」

フェル「さっすが。『音楽』を持つ者。どんな楽器
かもお見通しかあ~」

エレア「『音楽』は持ってない。"ミューズ"に
渡したんだ。今言ったのだって感だ」

エレア「それに、渡した楽器はミューズが作った
だろ?私の従属が作った物くらい、わかるさ」

フェル「ふ~ん。そういや、ミューズとは
会わせないの?」

エル「ああ。会わせてないんだっけ?相性は
良さそうだし、会わせてもいいんじゃないの?」

エレア「まあ、相性は良さそうだがな...仮に二人で結託して私を嫌ったりしたらもう私立ち直れない...」

エル(それが理由か。でも、音奏機天神おんそうきてんしんだし、上手いこと動けそうなもんだけどねえ)

フェル「まあ、気が向いたら会わせるといいさ。
それよりも、私はこの音色を聴いていたいね」

エル「そうだね」

エレア「私にとってはだいぶ大事な問題
なんだけどなあ...」
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