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宇宙の旅・龍・ドラゴン

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龍之介達が自室でくつろいでいるとピロリン船長が入室してきた。

コンコンコン

「失礼します。反重力高速突入エネルギーがコウナン星に向かうぶんが充電
出来ましたのでスイゾクオオアライ星から離陸しますのでお知らせに来ました」

龍之介は、少し名残惜しそうに、

「そうですか、わかりました。お任せします」

そう返事をすると、ピロリン船長は退室した。

「殿下はもうしばらく滞在したいのです?」

と、春が言う。

「ははは、見たこともない生物が食べられるからな」

「・・・・・・殿下・・・・・・」

エリリが少し不安な顔をして言う。非常時とはいえ謎の生物を食べさせられて
いるのだから、そんな顔もするだろう。
そんなやり取りをしながらくつろいでいると、船内放送で離陸のカウントダウンが
始まった。

『離陸まで2時間、乗船の確認、スイゾクオオアライ星に我々の持ち込んだものが
ないか最終確認』

『離陸まで1時間、最終点呼』

『離陸まで30分、扉、密閉』

『3、2、1、離陸』

そう船内放送が続き、鯱型宇宙船は静かに星から離れた。
大気圏から宇宙空間に出たのち星に別れを告げるよう一旦静止した。
龍之介達は自室の窓からその星、二度と来ることのないであろう星を目に
焼き付けていた。
静止したのち、窓の景色は漆黒の暗闇に光の線が見える景色に変わっていた。
そうなると、窓の外への視線を部屋に戻すと

「星が違うとあのような生物がいるのですね」

そう春が今更ながら口を開いた。

「生物は誕生と滅亡、進化と退化の繰り返し、適材適所、
環境にあった生物が繁栄する。あの星にはあの生物たちが環境に
合っているのだろう、逆に言えば私たちには不適当」

「はい、空気中がしょっぱいあの星に定住はしたくはありません、
それにあの巨大生物は殿下の力がなければ捕獲どころか私たちが
捕食されていたでしょう」

「そうかもしれんな、春よ、私たちの地球もその昔は巨大な生物が繁栄していた
時代もあるのだぞ、恐竜と呼ぶ生物達だ」

「アフリカで見たキリンや像などよりも大きな生物ですか?」

「エリリ、そうだなクジラのような生物が地上を支配し繁栄していた時代もあった」

「そんな時代が、伝説の龍とかですか?」

春がそう言うと、エリリが

「ドラゴン・・・・・」

「ん~、もしかすると、私たちの祖先である流れ着いたエデンの旅人が地球に
定住したときまだ生き残りの恐竜がいたのかもしれないな、それが伝説上の
生き物になってのかもしれない」

「殿下、そのエデンと言う星に存在していた生き物なのかもしれませんよ」

「それもあり得るな、と、言うことはまだどこかの星に生存していても
おかしくはないな」

「そんな星では生きていける自信はありませんが」

春とエリリが不安な顔をしている中、龍之介はよだれを垂らした。

「で、殿下、やっぱり食べようとしてません?」

「ははは、ははは、ははは、」

龍之介は不敵な笑いでごまかしていたが、春とエリリは不安が心の中を駆け巡っていた。




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