302 / 323
宇宙の旅・龍・ドラゴン
しおりを挟む
龍之介達が自室でくつろいでいるとピロリン船長が入室してきた。
コンコンコン
「失礼します。反重力高速突入エネルギーがコウナン星に向かうぶんが充電
出来ましたのでスイゾクオオアライ星から離陸しますのでお知らせに来ました」
龍之介は、少し名残惜しそうに、
「そうですか、わかりました。お任せします」
そう返事をすると、ピロリン船長は退室した。
「殿下はもうしばらく滞在したいのです?」
と、春が言う。
「ははは、見たこともない生物が食べられるからな」
「・・・・・・殿下・・・・・・」
エリリが少し不安な顔をして言う。非常時とはいえ謎の生物を食べさせられて
いるのだから、そんな顔もするだろう。
そんなやり取りをしながらくつろいでいると、船内放送で離陸のカウントダウンが
始まった。
『離陸まで2時間、乗船の確認、スイゾクオオアライ星に我々の持ち込んだものが
ないか最終確認』
『離陸まで1時間、最終点呼』
『離陸まで30分、扉、密閉』
『3、2、1、離陸』
そう船内放送が続き、鯱型宇宙船は静かに星から離れた。
大気圏から宇宙空間に出たのち星に別れを告げるよう一旦静止した。
龍之介達は自室の窓からその星、二度と来ることのないであろう星を目に
焼き付けていた。
静止したのち、窓の景色は漆黒の暗闇に光の線が見える景色に変わっていた。
そうなると、窓の外への視線を部屋に戻すと
「星が違うとあのような生物がいるのですね」
そう春が今更ながら口を開いた。
「生物は誕生と滅亡、進化と退化の繰り返し、適材適所、
環境にあった生物が繁栄する。あの星にはあの生物たちが環境に
合っているのだろう、逆に言えば私たちには不適当」
「はい、空気中がしょっぱいあの星に定住はしたくはありません、
それにあの巨大生物は殿下の力がなければ捕獲どころか私たちが
捕食されていたでしょう」
「そうかもしれんな、春よ、私たちの地球もその昔は巨大な生物が繁栄していた
時代もあるのだぞ、恐竜と呼ぶ生物達だ」
「アフリカで見たキリンや像などよりも大きな生物ですか?」
「エリリ、そうだなクジラのような生物が地上を支配し繁栄していた時代もあった」
「そんな時代が、伝説の龍とかですか?」
春がそう言うと、エリリが
「ドラゴン・・・・・」
「ん~、もしかすると、私たちの祖先である流れ着いたエデンの旅人が地球に
定住したときまだ生き残りの恐竜がいたのかもしれないな、それが伝説上の
生き物になってのかもしれない」
「殿下、そのエデンと言う星に存在していた生き物なのかもしれませんよ」
「それもあり得るな、と、言うことはまだどこかの星に生存していても
おかしくはないな」
「そんな星では生きていける自信はありませんが」
春とエリリが不安な顔をしている中、龍之介はよだれを垂らした。
「で、殿下、やっぱり食べようとしてません?」
「ははは、ははは、ははは、」
龍之介は不敵な笑いでごまかしていたが、春とエリリは不安が心の中を駆け巡っていた。
コンコンコン
「失礼します。反重力高速突入エネルギーがコウナン星に向かうぶんが充電
出来ましたのでスイゾクオオアライ星から離陸しますのでお知らせに来ました」
龍之介は、少し名残惜しそうに、
「そうですか、わかりました。お任せします」
そう返事をすると、ピロリン船長は退室した。
「殿下はもうしばらく滞在したいのです?」
と、春が言う。
「ははは、見たこともない生物が食べられるからな」
「・・・・・・殿下・・・・・・」
エリリが少し不安な顔をして言う。非常時とはいえ謎の生物を食べさせられて
いるのだから、そんな顔もするだろう。
そんなやり取りをしながらくつろいでいると、船内放送で離陸のカウントダウンが
始まった。
『離陸まで2時間、乗船の確認、スイゾクオオアライ星に我々の持ち込んだものが
ないか最終確認』
『離陸まで1時間、最終点呼』
『離陸まで30分、扉、密閉』
『3、2、1、離陸』
そう船内放送が続き、鯱型宇宙船は静かに星から離れた。
大気圏から宇宙空間に出たのち星に別れを告げるよう一旦静止した。
龍之介達は自室の窓からその星、二度と来ることのないであろう星を目に
焼き付けていた。
静止したのち、窓の景色は漆黒の暗闇に光の線が見える景色に変わっていた。
そうなると、窓の外への視線を部屋に戻すと
「星が違うとあのような生物がいるのですね」
そう春が今更ながら口を開いた。
「生物は誕生と滅亡、進化と退化の繰り返し、適材適所、
環境にあった生物が繁栄する。あの星にはあの生物たちが環境に
合っているのだろう、逆に言えば私たちには不適当」
「はい、空気中がしょっぱいあの星に定住はしたくはありません、
それにあの巨大生物は殿下の力がなければ捕獲どころか私たちが
捕食されていたでしょう」
「そうかもしれんな、春よ、私たちの地球もその昔は巨大な生物が繁栄していた
時代もあるのだぞ、恐竜と呼ぶ生物達だ」
「アフリカで見たキリンや像などよりも大きな生物ですか?」
「エリリ、そうだなクジラのような生物が地上を支配し繁栄していた時代もあった」
「そんな時代が、伝説の龍とかですか?」
春がそう言うと、エリリが
「ドラゴン・・・・・」
「ん~、もしかすると、私たちの祖先である流れ着いたエデンの旅人が地球に
定住したときまだ生き残りの恐竜がいたのかもしれないな、それが伝説上の
生き物になってのかもしれない」
「殿下、そのエデンと言う星に存在していた生き物なのかもしれませんよ」
「それもあり得るな、と、言うことはまだどこかの星に生存していても
おかしくはないな」
「そんな星では生きていける自信はありませんが」
春とエリリが不安な顔をしている中、龍之介はよだれを垂らした。
「で、殿下、やっぱり食べようとしてません?」
「ははは、ははは、ははは、」
龍之介は不敵な笑いでごまかしていたが、春とエリリは不安が心の中を駆け巡っていた。
0
お気に入りに追加
1,482
あなたにおすすめの小説
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
幼なじみ三人が勇者に魅了されちゃって寝盗られるんだけど数年後勇者が死んで正気に戻った幼なじみ達がめちゃくちゃ後悔する話
妄想屋さん
ファンタジー
『元彼?冗談でしょ?僕はもうあんなのもうどうでもいいよ!』
『ええ、アタシはあなたに愛して欲しい。あんなゴミもう知らないわ!』
『ええ!そうですとも!だから早く私にも――』
大切な三人の仲間を勇者に〈魅了〉で奪い取られて絶望した主人公と、〈魅了〉から解放されて今までの自分たちの行いに絶望するヒロイン達の話。
異世界で買った奴隷が強すぎるので説明求む!
夜間救急事務受付
ファンタジー
仕事中、気がつくと知らない世界にいた 佐藤 惣一郎(サトウ ソウイチロウ)
安く買った、視力の悪い奴隷の少女に、瓶の底の様な分厚いメガネを与えると
めちゃめちゃ強かった!
気軽に読めるので、暇つぶしに是非!
涙あり、笑いあり
シリアスなおとぼけ冒険譚!
異世界ラブ冒険ファンタジー!
異世界で穴掘ってます!
KeyBow
ファンタジー
修学旅行中のバスにいた筈が、異世界召喚にバスの全員が突如されてしまう。主人公の聡太が得たスキルは穴掘り。外れスキルとされ、屑の外れ者として抹殺されそうになるもしぶとく生き残り、救ってくれた少女と成り上がって行く。不遇といわれるギフトを駆使して日の目を見ようとする物語
【書籍化】パーティー追放から始まる収納無双!~姪っ子パーティといく最強ハーレム成り上がり~
くーねるでぶる(戒め)
ファンタジー
【24年11月5日発売】
その攻撃、収納する――――ッ!
【収納】のギフトを賜り、冒険者として活躍していたアベルは、ある日、一方的にパーティから追放されてしまう。
理由は、マジックバッグを手に入れたから。
マジックバッグの性能は、全てにおいてアベルの【収納】のギフトを上回っていたのだ。
これは、3度にも及ぶパーティ追放で、すっかり自信を見失った男の再生譚である。
【異世界ショップ】無双 ~廃絶直前の貴族からの成り上がり~
クロン
ファンタジー
転生したら貴族の長男だった。
ラッキーと思いきや、未開地の領地で貧乏生活。
下手すれば飢死するレベル……毎日食べることすら危ういほどだ。
幸いにも転生特典で地球の物を手に入れる力を得ているので、何とかするしかない!
「大変です! 魔物が大暴れしています! 兵士では歯が立ちません!」
「兵士の武器の質を向上させる!」
「まだ勝てません!」
「ならば兵士に薬物投与するしか」
「いけません! 他の案を!」
くっ、貴族には制約が多すぎる!
貴族の制約に縛られ悪戦苦闘しつつ、領地を開発していくのだ!
「薬物投与は貴族関係なく、人道的にどうかと思います」
「勝てば正義。死ななきゃ安い」
これは地球の物を駆使して、領内を発展させる物語である。
転生したら赤ん坊だった 奴隷だったお母さんと何とか幸せになっていきます
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
転生したら奴隷の赤ん坊だった
お母さんと離れ離れになりそうだったけど、何とか強くなって帰ってくることができました。
全力でお母さんと幸せを手に入れます
ーーー
カムイイムカです
今製作中の話ではないのですが前に作った話を投稿いたします
少しいいことがありましたので投稿したくなってしまいました^^
最後まで行かないシリーズですのでご了承ください
23話でおしまいになります
スキル運で、運がいい俺を追放したギルドは倒産したけど、俺の庭にダンジョン出来て億稼いでます。~ラッキー~
暁 とと
ファンタジー
スキル運のおかげでドロップ率や宝箱のアイテムに対する運が良く、確率の低いアイテムをドロップしたり、激レアな武器を宝箱から出したりすることが出来る佐藤はギルドを辞めさられた。
しかし、佐藤の庭にダンジョンが出来たので億を稼ぐことが出来ます。
もう、戻ってきてと言われても無駄です。こっちは、億稼いでいるので。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる