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宇宙の旅・ノアの箱舟の真実

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「地球ではノアの避難移住船の歴史も忘れ去られたのですね?」

そうパカルが言い出した。

「ノア?ノアなら旧約聖書で神話の類としては語られていますが」

「神話ですか、語り継がれる中でそうなったのかもしれませんね。
ノアとは太古の昔地球にラピュータと言う宇宙船でエデン星を脱出して
地球に移り住んだ者たちです。私たちの祖先ヌーフは我が故郷コウナン星に
たどり着きました」

「エデン星?」

「はい、私たちの祖先であるエデン星は最早存在しません。
自分たちで破壊してしまったのですから」

「その星から移住した者たちが私たちの祖先?」

「私たちの祖先はいくつかの星に移り住みました。
その地で新たなる文明を築き繁栄したのです。
12000年ほど前繁栄し安定した文明は星と星との交易を始めたのですが
内戦で情勢不安となり途絶えてしまいました。
その途絶えている間に地球は大幅に退化していました」

「では、地球上に残された数々の遺跡はその繁栄した文明が築いたもの?」

「はい、もちろんすべてと言うわけではございませんが、
しかし、その繁栄した文明はおそらく隕石衝突による大陸崩壊と寒冷化で
滅びたのでしょう」

そう話し終えるとしばらく鎮まる船長室。

「なるほど、寒冷化は地質学でも証明されているので納得できる話です」

龍之介は少し考え深げに言葉を出した。

「で、龍之介様」

場の空気より明るい声に切り替えたパカル

「はい、パカル殿」

「私たちは、DNAは一緒なんですよ」

そう言って龍之介の目を見つめるパカル。

「パカル殿?」

「はい、ですから、DNAが同じ種なら卵子と精子が合体できるんですよ」

顔を赤らめながらも真剣な眼差しで訴えるパカル。

「えいっ」

シュパッ!!!!!!!

春が龍之介めがけて手裏剣を投げてきた。
投げられた手裏剣を右手でつかみ取り粉々にする龍之介。

「危ないではないか春」

「危ないのはパカル殿の~~~心です」

なにやら聞き取れない声でもにょもにょと言う春。
その言葉で再び龍之介とパカルが見つめ合うが、

「はい、そこまで!王女であることを忘れなきよう」

そう言って龍之介とパカルの視線の間に身を乗り出し遮るピロリン船長。

そんなやり取りをしていると、船長室のドアの叩く音がする。

コンコン

「失礼します、ピロリン船長、エネルギー充電おおむね完了いたしましたので
報告に」

操縦士が連絡に入ってきた。

「はい、わかった、出発の準備を開始せよ」

「はい」

そう指示を受けた操縦士は部屋を出ると、

「と、いうことなので自室にお戻りください」

ピロリン船長がそう言って濃い話をした夕食はお開きとなった。
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