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次男・嵐山城城主・正三位大納言禁裏御守衛総督京都守護藤原朝臣三上鷹之介正光
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少し時を戻ること、1625年2月、
龍之介次男・嵐山城城主・正三位大納言禁裏御守衛総督京都守護藤原朝臣三上鷹之介正光は京都の居城、嵐山城にて悩める日々を送っていた。
兄、従一位征夷大将軍平和維持連合代表補佐役藤原朝臣三上虎之介正長の茨城城での乱行が耳に入っていた。
茨城城情報は逐一、水戸城に隠居していた上皇の側近からもたらせられていた。
「兄上様が女に溺れるわけがない、これには何か裏がある。何か訳があってのこと、こちらはただ静かに京都、西日本で騒ぎが起きないか見張るのみか。」
正光は、兄正長の事を信じていた。その為、正長の乱行が耳に入っても謀反など全く考えなかった。
その為、任されていた京都、禁裏、西日本の守護監督の役目を粛々と励んだ。
公家は幕府評定議会が決定したことを精査して承認し、帝が勅命として発布する仕組みとなっていた。
政治の実権は幕府であっても、禁裏の権威がなくなったわけではなかった。
それでも下級公家の役割は減り不満を持つ者の声が聞こえ始めていた。
正長の乱行が巷でも噂に鳴り出す前に、裏柳生の密偵を市中に放ち、情報収集を行う。
そうすると、幕府転覆を企てる公家の動きが報告されるようになる。
公家達は独自の情報網で茨城城の情勢を耳にしていた。
旧体制の朝廷中心の政治に戻そうと言う動き、 画策する者達が暗躍を始めた。
正光は熟慮の末、決断した。
幕府には内密に粛清を開始、裏柳生をも使ったが正光本人も夜な夜な紫頭巾を被り、幕府転覆を企てる者達を暗殺した。
正光もまた大日本合衆国五指に数えられる剣客であり、公家の暗殺などたわいもなかったのである。
しかし、暗殺が続くと京都守護職配下町奉行は市中見回り組を出さずにはいられなくなる。
正光は、配下の奉行の申し出を許可した。
矛盾はしていたが、京都の町の安全を守る責任者である以上せざるを得ない判断であった。
ある夜、正光は一人の公家の暗殺の為に、何時ものように紫頭巾を被り夜の町に出ていた。
すると、
「御用の筋である、被り物を取っていただこう」
市中見回り組に出くわしてしまった…市中見回り組は、与力一人、同心四人の合計五人組で見回りをしている。
「三上鷹之介正光である、見回り御苦労」
正光は正々堂々と覆面を取り名乗ると、見回り組の中でも一番身分の高い、与力が顔を知っており、その場で方膝をつき右手に構えていた十手を腰の後ろにしまった。
それと同時に同心達も同じ姿勢になった。
「御無礼致しましてございます。総督様も見回りに御座いましょうか?」
「いかにも、京の都を守るのが役目ゆえな」
「しかし、総督様御一人では危のうございます。賊は太刀筋から凄腕の剣客と思われます。」
「ははは、そのような凄腕の剣客なら挑むところ、私も一剣客、腕が疼くの~、勝負してみたいものよ、心配は無用じゃ、見回りを続けよ」
正光は粛々と幕府へ謀反を企てる者の暗殺を勧めた。
暗殺された公家も家の不名誉となる為に、禁裏には病死として届け出た。
この為、暗殺の事件があったが被害者がいないという奇妙な事案が発生し続けた。
しかし、病死として亡くなる者が続出、その者たちが幕府に対して思惑ある者ばかりであれば、やはり朝廷、帝
にも届いた。
そうすると帝は正光を御所城に呼び出したのである。
正光は、死亡する者が多い為、調べよ、と命じられると推測した。
帝とは従兄弟であり、正光は幼少より一緒に育った旧知の中であった。
龍之介次男・嵐山城城主・正三位大納言禁裏御守衛総督京都守護藤原朝臣三上鷹之介正光は京都の居城、嵐山城にて悩める日々を送っていた。
兄、従一位征夷大将軍平和維持連合代表補佐役藤原朝臣三上虎之介正長の茨城城での乱行が耳に入っていた。
茨城城情報は逐一、水戸城に隠居していた上皇の側近からもたらせられていた。
「兄上様が女に溺れるわけがない、これには何か裏がある。何か訳があってのこと、こちらはただ静かに京都、西日本で騒ぎが起きないか見張るのみか。」
正光は、兄正長の事を信じていた。その為、正長の乱行が耳に入っても謀反など全く考えなかった。
その為、任されていた京都、禁裏、西日本の守護監督の役目を粛々と励んだ。
公家は幕府評定議会が決定したことを精査して承認し、帝が勅命として発布する仕組みとなっていた。
政治の実権は幕府であっても、禁裏の権威がなくなったわけではなかった。
それでも下級公家の役割は減り不満を持つ者の声が聞こえ始めていた。
正長の乱行が巷でも噂に鳴り出す前に、裏柳生の密偵を市中に放ち、情報収集を行う。
そうすると、幕府転覆を企てる公家の動きが報告されるようになる。
公家達は独自の情報網で茨城城の情勢を耳にしていた。
旧体制の朝廷中心の政治に戻そうと言う動き、 画策する者達が暗躍を始めた。
正光は熟慮の末、決断した。
幕府には内密に粛清を開始、裏柳生をも使ったが正光本人も夜な夜な紫頭巾を被り、幕府転覆を企てる者達を暗殺した。
正光もまた大日本合衆国五指に数えられる剣客であり、公家の暗殺などたわいもなかったのである。
しかし、暗殺が続くと京都守護職配下町奉行は市中見回り組を出さずにはいられなくなる。
正光は、配下の奉行の申し出を許可した。
矛盾はしていたが、京都の町の安全を守る責任者である以上せざるを得ない判断であった。
ある夜、正光は一人の公家の暗殺の為に、何時ものように紫頭巾を被り夜の町に出ていた。
すると、
「御用の筋である、被り物を取っていただこう」
市中見回り組に出くわしてしまった…市中見回り組は、与力一人、同心四人の合計五人組で見回りをしている。
「三上鷹之介正光である、見回り御苦労」
正光は正々堂々と覆面を取り名乗ると、見回り組の中でも一番身分の高い、与力が顔を知っており、その場で方膝をつき右手に構えていた十手を腰の後ろにしまった。
それと同時に同心達も同じ姿勢になった。
「御無礼致しましてございます。総督様も見回りに御座いましょうか?」
「いかにも、京の都を守るのが役目ゆえな」
「しかし、総督様御一人では危のうございます。賊は太刀筋から凄腕の剣客と思われます。」
「ははは、そのような凄腕の剣客なら挑むところ、私も一剣客、腕が疼くの~、勝負してみたいものよ、心配は無用じゃ、見回りを続けよ」
正光は粛々と幕府へ謀反を企てる者の暗殺を勧めた。
暗殺された公家も家の不名誉となる為に、禁裏には病死として届け出た。
この為、暗殺の事件があったが被害者がいないという奇妙な事案が発生し続けた。
しかし、病死として亡くなる者が続出、その者たちが幕府に対して思惑ある者ばかりであれば、やはり朝廷、帝
にも届いた。
そうすると帝は正光を御所城に呼び出したのである。
正光は、死亡する者が多い為、調べよ、と命じられると推測した。
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