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第14話 天下統一への一歩

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織田信長の関白・征夷大将軍の任官は全国に知らされ、
敵対していた各地の大名の家中は、今後どうするか評定が連日行われていた。
敵対する有力大名の一つ、越後の上杉景勝は春日山城で、

「景勝様、もはやこれまで、とり急ぎ停戦の使者を柴田勝家に送るべきです」

「仕方あるまい、信長に屈服するのではないぞ、朝廷の命に従うのだ」

「わかっております」

上杉景勝は執政で軍師の直江兼続の進言を受けそれを了承した。
上杉家は、朝廷の命に逆らえば先代の謙信公に顔向け出来なくなるため、
いち早く停戦の使者を柴田勝家に送り恭順の意を表した。
上杉が恭順した以上、越後、信濃の豪族などは次々に恭順の意を表したのである。
真田昌幸もその一人であった。
徳川家康は元々から同盟関係であったため特にかわりなく、関白・征夷大将軍就任の
祝いの使者を送っていた。
小田原の北条氏政は悩んでいた、無視し敵対するか続けるか臣下に下るかを

「殿、もはや勝ち目は御座いません。
この小田原で防いだとしても、朝敵の汚名を被れば天下取りの夢は消えます・・・・・・」

北条の軍師・板部岡江雪斎が進言していた。

「奥州の国と同盟を結んでもか?」

「奥州国々は、既に信長に恭順の意を表してるとこが多くございます。
最上義光、伊達輝宗はかねてより貢ぎものをして誼(よしみ)を通じている仲、
今更、裏切るような事はなきかと存じます」

「そうか、仕方あるまい、徳川家康殿を仲介して恭順の意を表し、
時節を待つ、悔しいのう」

恭順の意を見せる北条であったが野望は消えていなかったのである。
この為、小田原城の守りを更に固めた。

織田信長は、「支配下に入れば所領安堵の覚書」を全国の大名に出した。
が、毛利には出さなかった。
それはすでに、毛利は羽柴秀吉・明智光秀軍の前に風前之灯であった為であった。
そこに、錦御旗をはためかせ織田信長の直々の登場で毛利は降伏した。
九州・四国に近い毛利を見せしめに利用したのである。
しかし、四国・長曽我部は、未だに奮闘していた。
また京都の情勢など気にしない島津は、九州平定を目指していたのである。
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