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花嫁の条件
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リファルは、気になる事があった。
創宇に拉致られた古城での会話を覚えている。
「覚醒させる為には、二つの獣神が必要になる。が、からくり柱の中の鼠が、消えてしまった」
と言った内容だった。
エルタカーゼに、告げると、彼女は、六芒星について、調べ始めた。
「戦国時代に武将が、この街を守る為に、結界を作り上げたとの話があるますが、最近では、その武将も、もともとあった、獣神が守っていた結界を利用した説が出てきていますね」
「獣神とな?」
「古城の何かを守るように、六方を獣神が固めていた様です。」
リファルは、首を傾げた。
「陣を知ったのは、侵入から、守るためだろう?何故、我々は、侵入できた?」
「私達が、来た時は、妖の攻撃を受けましたが、ほんの一瞬でしたね」
「それは、陣が、狂い始めていたせいなのか?それとも」
エルタカーゼは、リファルを見つめた。
「獣神と、リファル様が、連れ去られた能登は、関係がありませんか?」
「そこなんだけど」
リファルは、少し、考えると、笑みを浮かべた。
「もう一度、あの古城に行く用事ができたよ。エルタカーゼ」
「止めて草さい。危険すぎます」
「危険なものか。僕は、必要とされるはずだよ。だって、彼らは、理力を持つ、獣神を探しているのだから」
「獣神て?まさか、リファル様」
「僕も、獣神だよ。」
「そうですけど・・・」
「だから、我々も、陣の中に入れたんだよ。仲間だと、誤作動したんだ」
エルタカーゼは、その言葉に納得した様だった。が、古城に戻るというリファルには、賛成できなかった。
「起きる事は、全て、意味があるんだよ。エルタカーゼ。さぁ、この陣も手に入れようか」
「陣もですか?」
「戦国時代の、その前。とんでもない者が眠っている筈だよ」
リファルは、エルタカーゼを見つめると微笑んでいた。
陸羽は、桂華の横顔をじっと見つめていた。
桂華を、連れ出して逃げた山の頂からは、遠く海が見えていた。
「このまま、どこかに逃げないか?」
陸羽は、思わず、桂華に言ってしまった。
もしかしたら、陸鳳も、同じ気持ちかもしれない。
そう思ったら、口に出さずには、居られなかった。
「私は・・・」
あの時、自分は、子供で、気が付かなかった。陸羽は、振り返る。
自分の許嫁だと思っていた。
でも、本当は・・・。
誰も言わないけど、記憶のない陸鳳と桂華は、あの時、何かがあって、記憶を失ったのではないかと。
誰も言わない。
知られては、いけない事なのか。
「私は、ここから、逃げる事なんてできないよ。ありがとう。助けてくれて」
「桂華。俺は・・・」
本当に、君が好きで・。と言う言葉を飲み込む。
「逃げたなぁと思うけど。希望を助けないとね」
「そうだな」
陸羽は、頷く。
「いつも、助けてくれて・・・感謝している」
桂華の言葉に、心がざわつく陸羽だった。
創宇に拉致られた古城での会話を覚えている。
「覚醒させる為には、二つの獣神が必要になる。が、からくり柱の中の鼠が、消えてしまった」
と言った内容だった。
エルタカーゼに、告げると、彼女は、六芒星について、調べ始めた。
「戦国時代に武将が、この街を守る為に、結界を作り上げたとの話があるますが、最近では、その武将も、もともとあった、獣神が守っていた結界を利用した説が出てきていますね」
「獣神とな?」
「古城の何かを守るように、六方を獣神が固めていた様です。」
リファルは、首を傾げた。
「陣を知ったのは、侵入から、守るためだろう?何故、我々は、侵入できた?」
「私達が、来た時は、妖の攻撃を受けましたが、ほんの一瞬でしたね」
「それは、陣が、狂い始めていたせいなのか?それとも」
エルタカーゼは、リファルを見つめた。
「獣神と、リファル様が、連れ去られた能登は、関係がありませんか?」
「そこなんだけど」
リファルは、少し、考えると、笑みを浮かべた。
「もう一度、あの古城に行く用事ができたよ。エルタカーゼ」
「止めて草さい。危険すぎます」
「危険なものか。僕は、必要とされるはずだよ。だって、彼らは、理力を持つ、獣神を探しているのだから」
「獣神て?まさか、リファル様」
「僕も、獣神だよ。」
「そうですけど・・・」
「だから、我々も、陣の中に入れたんだよ。仲間だと、誤作動したんだ」
エルタカーゼは、その言葉に納得した様だった。が、古城に戻るというリファルには、賛成できなかった。
「起きる事は、全て、意味があるんだよ。エルタカーゼ。さぁ、この陣も手に入れようか」
「陣もですか?」
「戦国時代の、その前。とんでもない者が眠っている筈だよ」
リファルは、エルタカーゼを見つめると微笑んでいた。
陸羽は、桂華の横顔をじっと見つめていた。
桂華を、連れ出して逃げた山の頂からは、遠く海が見えていた。
「このまま、どこかに逃げないか?」
陸羽は、思わず、桂華に言ってしまった。
もしかしたら、陸鳳も、同じ気持ちかもしれない。
そう思ったら、口に出さずには、居られなかった。
「私は・・・」
あの時、自分は、子供で、気が付かなかった。陸羽は、振り返る。
自分の許嫁だと思っていた。
でも、本当は・・・。
誰も言わないけど、記憶のない陸鳳と桂華は、あの時、何かがあって、記憶を失ったのではないかと。
誰も言わない。
知られては、いけない事なのか。
「私は、ここから、逃げる事なんてできないよ。ありがとう。助けてくれて」
「桂華。俺は・・・」
本当に、君が好きで・。と言う言葉を飲み込む。
「逃げたなぁと思うけど。希望を助けないとね」
「そうだな」
陸羽は、頷く。
「いつも、助けてくれて・・・感謝している」
桂華の言葉に、心がざわつく陸羽だった。
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