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1章
(75)ライトのやることなすことすべて逆!
しおりを挟むライトは中央帝国の首都ウランに帰還した。
意図せずとはいえドワーフ国を壊滅に
追いやったことに対して憔悴している。
部下たちは憔悴したライトの顔を見て
声をかけることもできない。
ライトは自室に閉じこもりベットに顔を
埋める。
憔悴から一転、怒りが込み上げてくる。
「なぜ!なんでこうなるんだ!」
ベットに顔を埋めながら大声を発する。
「おれはこの大陸を平和にしたいんだ。
今までの中央帝国の悪行を
清算したいだけなんだ」
ライトはベットを拳で叩きながら叫ぶ。
「なぜ俺には天が味方しないのか!
ふざけるな!
神よ、あなたは平和を望まないのか」
「ライト様、悲観されないでください」
「マーラ!お前が陰で
いらぬことばかりするから
全くうまく進まない!」
「ライト様、逆です。
ライト様が全て逆を進んでいるのです」
「逆なことがあるか!」
「よく考えてみましょう。
ドワーフ国と平和的解決したら
いつ頃地の宝珠を手に入れられましたか?
ドワーフ国は地の宝珠を
渡さないだけだはなく、
そのありかも教えてくれなかったのでは
ないでしょうか。
仮に手に入れられたとして何年先に
地の宝珠は手に入るのでしょうか?
宝珠はまだまだ集めなければなりません。
何年かかりますか?
ライト様がやろうとしてることは
イタズラに時を過ごしてその間に
さらなる戦争の犠牲者が
増えることになります。
犠牲はつきものです。
いかにその犠牲を少なくして
最短を目指すべきなのかが大事です」
ライトはぐうの音も出ない。
「……… ………
おれは少しでも
犠牲者を少なくしたい……」
小さな声でライトは言葉を発する。
「それならば最短を目指すべきでしょう。
次はエルフ族の風の宝珠を奪うことを
お勧めします」
光の宝珠 中央帝国
闇の宝珠 中央帝国
地の宝珠 中央帝国
風の宝珠 エルフ族
火の宝珠 鬼人族
雷の宝珠 武士道国
水の宝珠 海王国
「ライト様、それと勘違いを
なされてることがあります。
我々にとって神は存在しません。
崇め奉るのは悪魔です。
聖騎士国にとっては天使です。
我々は生まれながらにして
悪なのです。
それを無理に変えようとしても
無駄なことになります。
ご認識ください」
「ぐっ」
ライトは拳を握りしめる。
「もうすでに悪魔に魂を売っているのか」
そう思うと急に気分が落ち込み
ベットに倒れ込む。
この後1週間ライトは寝込み続けた。
この1週間の間にさらなる戦争が
法王国をめぐり行われたのであった。
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