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1章

(65)ヴィーヌスが死んだ?

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・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・

「緋よ、
 ウィークスを助けてくれてありがとう」

「いや、助けるのがもっと
 早ければよかったのだが」

「助けに来てもらえなかったら法皇国を
 追い詰めることができなかったよ。

 断られたと思っていたが
 考え直してくれて改めて礼を言う」

「妖狐族は安心して暮らしたいだけだ。
 法皇国が暗躍している限り、
 民に安寧は来ない。それだけだ」

「わたしの目的も同じだ。
 ゆくゆくは全種族で安寧の世界を
 つくることだ」

「おまえならそれができるかもしれんな」

「そこでだ。法皇国の第二都市ネフライトは
 妖狐族の元領地。そこを治めてくれぬか」

「いいのか!そこは聖騎士国が攻めて
 奪った領地だろ」

「妖狐族の先祖もネフライトには
 多く住んでいたのだろう。
 民もよろこんでくれるだろう」

「ありがとう。ウァイト。感謝する」

「それと同盟を組みたいのだが......」

「もちろんそのつもりだ」

「ありがとう。まずは法皇国の
 首都ブレナイトを攻め落とそうと思う。
 法皇はいなくなったらしいが
 大十字がいるかもしれん」

「それは任せてよいか。
 妖狐四天王が不在の今は国力回復が
 必須だ」

「わかった。それではこちらで対処する。
 首都の管轄はわれわれ聖騎士国にて
 させていただく」

・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・

「ウァイト様、無事に妖狐族との同盟
 おめでとうございます」

第3秘書のヴィーヌスが言葉を発する。

「うむ。あとは法皇国の首都ブレナイトの攻略だな」

「はい。いつ頃攻めるご予定でしょうか」

「コンチネントとスィーが回復したら
 攻めようと思う。

 それとマーヅとジュピターとスァタンは
 生き返ってくれないか」

「ウァイト様、そのことについて
 ご報告があります」

ウィークスが口を挟む。

「法皇国にはまだ光の宝珠が
 残っているかと思います。
 その宝珠を使えば生き返らせることが
 できるのではないでしょうか」

「光の宝珠で蘇生魔法も行使できるのか」

「光の宝珠では最高位聖霊の召喚が可能です。
 その可能性が高いかと思います」

「わかった。それでは法皇か
 シンドラーの光の宝珠を
 奪うことを考えよう」

「法皇国首都ブレナイトを
 攻めるときに奪いましょう」

「ウァイト様、妖狐族との同盟は
 無事に終わりましたが
 海王国との停戦処理については
 いかがなさいますか」

「海王国についてはあちらも法皇国の犠牲者だ。
 特に損害賠償は請求せずにおこうと思う」

「かしこまりました」

「海王国についてスィーの姉が
 海軍提督というのはわかったが
 海王という人物像がわからぬ」

「海王は強大な力を持っております。
 スィティーよりも強いとのことです。

 将来は海王国を中心に世界を
 牛耳る野心もあるとの噂です」

「海王国がどう出るかわからぬな」

「損害賠償を請求して海王国の国力を
 下げてはいかがでしょうか。
 それを受け入れれば野心は低い。
 また野心があったとしても
 国力を下げれます」

「なるほど。ヴィーヌスのいう通りだな」

「軍港グラナイトとザードナイト要塞の
 復旧という名目で請求してみるか。

 ヴィーヌス、特使として
 行ってきてくれるか」

「かしこまりました。
 近日中に行ってまいります」

そしてヴィーヌスは
帰らぬ人となるのであった。
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