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1章

(62)中央帝国と法皇国の意見の対立

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「法皇様、ご無事で何よりです」

シンドラーは中央帝国に到着した。

「聖騎士国は許せん。妖狐族も許せん。
 危うく死ぬとこだったわ。

 中央帝国の闇の宝珠と
 私の光の宝珠を交換しておいてよかったわ」

「シンドラー、アウグスト、
 よくぞ無事に帰ってこれた。
 お主たち2人しか帰還しなかったということは
 さぞ激しい戦いだったのだろう」

ライトは横から口を挟む。

「聖騎士国が狡猾な戦略を練るとは
 思いもよらずすべて後手に回り
 苦戦を強いられました。

 ドノバンは重症でいま寝ております。
 体力だけが取り柄ですので
 比較的早く回復するかと思いますが......」

シンドラーはライトに現状を報告する。

「ライト殿、中央帝国の協力にて
 我が首都のブレライトと第二都市
 ネフライトの奪還をしてくれんかの?」

アントニヌス法皇はライトにお願いをした。

「できれば聖騎士国と事を
 構えたくないのですが......」

ライトが答えるとトクヤ王が口を挟む。

「ドノバンの持っている地の宝珠を
 貸してくれるなら領地を取り返すことも
 考えよう」

「トクヤ王、ドノバンは地の宝珠は
 持っておりませんぞ。
 ドワーフ国が所持しているのでは?」

「地の宝珠が手に入らなければ
 こちらも無理をすることはできません。

 オーガス大戦で我が国も疲弊しています。
 今しばらくは聖騎士国とは争えないと
 理解していただきましょう」

「トクヤ王、わかりましたぞ」

「法皇様、中央帝国にて少し
 休ませていただいたら
 第二大陸であるアルデバラン大陸の
 我が領土で再起をはかりましょう。
 あちらにはご子息も三銃士も健在です」

シンドラーが提案する。

「うむ、そうしよう」

「それではライト殿、われわれは
 我が飛地の領土である第二大陸で
 再起をはかるとするぞ。

 大部分が未開の地である大陸だが、
 我が息子と三銃士にて
 開拓をしておるのじゃ。

 こっちの大陸と違って資源は豊富じゃが
 先住民が強くてなかなか領土は
 広がらんそうじゃ。

 それでは時が来たら一緒に
 聖騎士国を滅ぼそうぞ」

「滅ぼすことは考えずに共生も
 視野に入れたいと思っている。

 いままで血を流しすぎた」

「なにを言っておるのじゃ。お主の国にも
 たくさんの血が流れたのじゃぞ。
 
 属国の龍人族も巨人族も鬼人族もそれでは
 納得しないだろ」

「それでも新しい道を考えてみようと思う」

「シンドラー、中央帝国は
 腑抜けになりおったわ。

 こんなとこには協力できん。
 明日にでもすぐに出立するぞ。

 ライト殿、不快じゃ。失礼する」

「法皇国とも争うつもりは......」

法皇と大十字はライトの言葉を聞かずに
その場を後にした。

そしてその夜、ライトの想像しないことが
起こるのであった。
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