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1章
(33)ウァイトはチート級の強さを手に入れていた
しおりを挟むウァイトは途中から同行してきた楓に
スィーを託した。
・・・・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・ ・・
ウァイトがスィーの元へ出発する前のことである。
「ウィークスは戦わせない方がいいよ」
聖霊ディーナシーが突如現れ、
話しかけてきた。
「どういうこと?
会議で決まったから戦ってもらうつもり
なんだけど」
「戦ったらたぶん死ぬよ」
「副団長って強いんじゃなかったけ??」
「グレムリンが無理矢理蘇生させたから
前の副団長ではないんだよ。
前の副団長の強さの時もあるんだけど
今はまだ身体が慣れていないと
思うんだよね」
「かなりの確率で死ぬの?」
「うん。前の副団長と
同じコンディションに戻らないと
死ぬね」
「わかった。じゃあストップしよう。
教えてくれてありがとう。助かるよ」
「いいよ、いいよ、不完全な蘇生だった
し、いろいろやらかしちゃったし.......」
ディーナシーの声は最後の方には
かなり小声になっていた。
そしてわかりやすく指を
もじもじさせている。
(なんか隠し事をしているな...)
ウァイトはそう思うが
問い詰めるのは後にしようと考える。
「ウィークス。
戦闘には参加しないように。
その場で待機。
いざというときは退却を。
代わりに私がいまから向かう」
ディーナシーを使いウィークスに伝える。
これがスィーが1人で対応せざる
得なかった理由である。
・・・ ・・・・ ・・・・・・・・
「スィーの代わりに私が相手をしよう」
ウァイトは妖狐四天王にむけて
声を発する。
「退却だ」
小声で北極が黒砂と白砂に言うと
北極は戦闘不能になった灰色を拾い上げ
退却しようとする。
聖霊召喚 エインセル
火聖魔法陣 インフェルノ
火聖魔法 フレイム
ウァイトは聖霊召喚を行い、
魔法陣と魔法を掛け合わせると
炎で形作られたウァイトとうり二つの聖騎士が3人現れた。
「やれ!エインセル」
ウァイトがそう言うと
3体のエインセルは火柱を立てながら
妖狐四天王のところへ先回りをして
道を塞ぐ。
漆黒の黒煙が妖狐四天王を焼き尽くす。
北極も黒砂も白砂も一瞬にして
炎で焼かれて炭となる。
(闘技場で練習した甲斐があったわぁ~。
ていうか、めっちゃつよい、おれ。
いや、そういえば、
もっと優秀な前の団長は
死んだんだった。
俺より強いやつは結構いるかもしれない
と思った方がいいかも......)
なんとことを考える余裕があるほどの
圧勝。
「このまま妖狐族を攻めますか?
一度アレグライトに戻りますか?」
楓が確認をしてくる。
「みんなの意見を聞きたいから一旦
戻ろう」
ウァイトは聖霊を解除し、
楓とともにスィーを連れてアレグライトに戻った。
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