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1章
(31)馬鹿にされたスィー、死にそうになる
しおりを挟む南西の都市アレグライトについた
ウィークスはスィーに会うために
主城へ訪れる。
「シーッ、これからよろしく
お願いします」
ウィークスは挨拶をする。
「ウィークス、
あなたまで私を馬鹿にするの?
スカイじゃないんだから
からかわないでちょうだい」
スィーはムスッとした顔になりながら
怒った声で答える。
「ごめんなさい。
そんなつもりはなかったんだけど
不快な思いをさせたのなら
申し訳ないです」
とウィークスは戸惑いを見せながら
謝罪する。
「??......悪気がないの??」
「全くないです。本当にごめんなさい。
どうしてなのかわからないの」
ウィークスは不思議そうな顔をしているが
申し訳ないという気持ちは伝わってくる。
「そういえば記憶が混濁しているのね。
発音が問題だったのよ」
「わたしのことをシーッと発音すると
『クソ』って言われているように
聞こえるのよ。
スィーって発音してね」
そういうとスィーは笑顔になって握手を
求める。
スィーは小柄な女性である。
聖騎士国はきれいな女性が多い中、
数少ないかわいい女性である。
海王国の生まれであり、
小さい頃は姉と二人海王国で
過ごしてきた。
小柄ながらスィーが扱う武器は弓である。
自分の身長より大きな長弓を扱う。
ただ、相手によっては小さい弓や連弩を
つかうこともできる。
「ごめんね。スィー。
今日からよろしくね。
ところで妖狐族はどんな状況なの
かしら?」
「妖狐族との境の都市である
クロシドライト付近に
軍をあつめているみたい。
私の領地だから私ができる限り対応しよ
うと思っているわ。
妖狐四天王が2人以上現れたら
バックアップしてもらっていい?」
「わかりました。
では私も現場に入ります」
「ここで待っててもらっていいよ。
妖狐族の軍はそんな大軍にならない
軍編成みたいだし」
「わかりました。ではなにかあれば
すぐに駆けつけますので
声を掛けてくださいね」
そしてスィーは第4師団を連れて
クロシドライトへ向かった。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
妖狐族は獣人族が嫌いである。
犬族が天敵であるからである。
妖狐族は昔、セラファー大陸の東のエリアに住んでいた。
猫族を狩る習性のある妖狐族は
猫族から嫌われていた。
その猫族と仲が良かった犬族は
妖狐族から猫族を守った。
猫族<妖狐族<犬族という図式が
成り立っていた。
犬族に勝てない妖狐族は領地を追われ、
最終的に西のエリアに居を構えることとなった。
妖狐族は、トップに『妖狐』がいる。
その妖狐のことを『緋(アカ)』と呼ぶ。
四天王は以下の4人である。
「北極(ホッキョク)』」
「灰色(ハイイロ)」
「白砂(シロズナ)」
「黒砂(クロズナ)」
緋は妖狐族トップだけあり強い。
四天王はそれぞれが各師団長には劣るが
ある程度は戦えるだけの力はある。
スィーは四天王の二人くらいまでは
相手にするつもりでいた。
1人相手だと自分の力試しにもならないと
思っていたからだ。
1人だったらすぐに追い返せる。
2人でもある程度戦って、ウィークスが現れれば退却するだろうと思っていた。
しかし、現在、
スィーはいつ自分が死ぬかわからない
戦闘を四天王全員と繰り広げていた.......
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