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1章
(26)サブロクの脳筋が止まらない
しおりを挟むウァイトは自分の姿をした
エインセルに向かって殴る蹴るの攻撃を
始める。
殴るだけでも周りに大きな衝撃波が
生れる。
蹴ってもものすごい勢いで
エインセルが吹っ飛んでいく。
一時間ほど攻撃をすると自分の攻撃のスタイルや力加減なども身体に馴染み始める。
(体術の感じはつかめてきたぞ!
魔法やスキル、それと聖霊召喚なども
試しておきたい)
(でも防御力もわからないな......)
ふと自分の防御力についても調べて
おきたくなる。
「サブロク、私の顔を
殴ってくれないか?」
サブロクの元へ移動し依頼をする。
「団長を殴ることはできません」
きっぱりと断る。
「私の命令でも、か?」
ウァイトはいままでの経緯を考えると
サブロクに殴られても
大事に至ることはないと結論付けていた。
「はっ!従います」
命令と聞いてピリッと返事をする
サブロク。
「それではいきます」
サブロクは右腕でウァイトの左頬を狙って
パンチを繰り出す。
「スッ......」
サブロクの拳は空を切る。
ウァイトは殴られる怖さに対して無意識に
後ろによけてしまう。
「申し訳ございません。
本当に殴ってはいけなかったのですね。
私を試されていたのですね。
命を持ってお詫びを
させていただきます」
とサブロクは矢継ぎ早に言う。
「まっ、まて!」
ウァイトはサブロクを制止する。
「私のミスだ。今度は絶対によけないから
本当にもう一度殴ってくれ。命令だ」
ウァイトはお詫びをし再度命令する。
「はっ!自死する覚悟で
殴らせていただきます」
ウァイトはサブロクのこの性格は
今後も変わらないと思ってしまう。
「それではいきます!」
ウァイトは歯を食いしばり
よけないようにする。
「ゴンっ!」
殴られた瞬間に爆風が周りを舞う。
(痛くない!...... 全然痛くない)
ウァイトはちょっとうれしくなる。
「サブロク、10連続で私の身体中を攻撃しろ」
ウァイトはうれしさのあまりさらに
命令する。
「どこでもいいのでしょうか?」
「好きなところを攻撃しなさい」
「はっ!それでは行きます」
「1.2.3....7.8.9」
ウァイトは殴られる回数を数える
余裕がある。
(ラスト!)
そう思った瞬間にウァイトは
悶絶している。
「ぐぅぅ......う、うっ」
ウァイトは悶えている。
ウァイトは股間を蹴られて悶絶していた。
「あっはは、あーはっは、あーははは」
笑い声が聞こえる。
ディーナシーとエインセルが大声を出して
笑っている。
「気になって様子を見に来たら大爆笑をありがとう。あは、あはは」
笑いが止まらないディーナシー。
「急所は他より弱いから戦闘前に魔法を
掛けなきゃ。
エンタイアリーファームを使って
守らなきゃ。
いや~、本当におもしろいものを
ありがとう」
ディーナシーが笑いながら教えてくれる。
「ゴンッ、ゴンッ、ゴンッ」
何かを殴る音が聞こえる。
サブロクはおもいっきり
自らの顔を殴っている。
「団長様、申し訳ございません。
命を持って償います」
ウァイトは止めに入ろうとしたとき、
ディーナシーが2人の間に入る。
「あははっ、あはははっ。
君たちは本当に面白い。
彼女はインスタントリジェクションを
無意識に発動してるから
ある程度の攻撃は即はじき返すよ。
あの子、死ねないよ。
本気で死のうとしてるっぽいけど」
ディーナシーが笑いながら教えてくれる。
ウァイトはそっとサブロクの手をとり、
サブロクに向かって首を横に振る。
(本当にサブロクは脳筋なんだな)
と心の中で確信をするウァイト。
聖霊達は大爆笑が止まらない。
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