Temptation Invitation

片喰 一歌

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第1幕『半人半蛇(蛇人間)』【裏】

第33話『前からも後ろからも二番目に位置する●』

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 ――――『清潔な状態を保つため、避妊具を必ず装着すること』だ。

(それ自体は当然だと思うし文句ないけど、ゴムに没収されんのは納得行かない!)

 いくら好きなオトコを相手にしたとしても、孕まされたいなんていう被虐的すぎる願望は出てこない(と思う)が、射精という行為とそれにより発射される精液の量は、言ってしまえば自分のテクニックでどれだけ気持ちよくなってもらえたか示すバロメーターだ。

(つまり、その報酬、受け取る権利はあたしにあるわけじゃん?♡ 当たり前だよね?♡ ゴム自体が気持ちいいわけじゃないんだから♡♡ ……どんだけ出したか確認することだけが目的だったら、ゴム射は最適解まであるけど)

 生まれ持った性格か、歩合制の仕事に何年も従事していた弊害か。今となっては確かめる術はないが、あたしにはちょっとばかり報酬にうるさいところがあった。

 無償労働タダばたらき? ボランティア? ――そんなのは、納得出来て、懐と時間に余裕のある人だけがすればいい。

 達成感やりがいなんて曖昧なものじゃ、あたしはちっとも満足出来ない。目に見える形で、かけた労力相応の対価が欲しいのだ。

(しかも、相手は白夜だよ?♡♡ 意地悪したくないもん♡ 片方のちんぽだけ挿入はいってて、もう片方は除け者とかあんまりじゃん? どっちも仲間外れにしないで済んで、あたしも二本分の精液ぴゅっぴゅされて幸せ♡♡ こんな完璧な計画ない♡ 本音言うと、噴水みたいにぴゅっぴゅしてるとこも観察したいけど……♡♡)
 
 先述の守銭奴的性質が『とにかく愛が重いheavy』という性質とドッキングして、今から持ち掛けようとしている提案を思い付くに至ったというわけだ。
 
(なんで前と後ろに一本ずつ~なんてお行儀よく考えてたんだろ♡♡ あたしらしくなさすぎ♡ 『ちんぽ挿れる用の穴じゃないからって、ちんぽ挿れるのに使っちゃいけないわけじゃない』ってほうはすぐ思いついたくせに、『ひとつの穴に一本しか挿入はいんないわけじゃないかも』なんて簡単なこと見落としてたとか♡♡)

「グミちゃん?」

 あたしが自分の世界に閉じこもってから、何分待っていてくれたのだろう。顔の前で白夜が手を振っている。

「放置しちゃってごめん!!」

「ううん。きっと考えてたんでしょ。僕としたいこと。……僕にされたいこと……かな。その間に僕も考えてたから。二本あることのメリット。…………何個かは思い付いたけど、直接お願いしてもらわないといけないのは同じだから、グミちゃんが考えてたこと聞かせてほしいなぁ」

 流れるように土下座したが、強引に肩を掴まれ、上を向かされる。

「……さっきまでは前と後ろ同時に挿れてほしいって思ってたんだぁ♡ でも、もっといいこと思いついちゃった♡♡」

 力の強さと強引な仕草に応えるように、正座を崩して三角座り――では止まらず、そこからさらにM字開脚の姿勢になり――。伸びきったぐずぐずのビラビラに埋もれた、前からも後ろからも二番目に位置する穴を見せつけた。

「白夜の、二本同時にに欲しいな?♡♡」

 俗に言う『くぱぁ』を自分の意思で行うことになるなんて思ってもみなかった。いや、今までも無意識にしてたかもだけど。
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