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第1幕『半人半蛇(蛇人間)』【裏】
第18話『唐突ストリップ!(前編)』
しおりを挟む「脱い…………え? えぇぇ!? ……でも、確かにあたしばっかりいい思いさせてもらってるもんね」
毎度思うが、あたしの悲鳴は悲鳴ではなく奇声だ。少し可愛い仕草を見せたところで意味がないくらいに色気とは無縁の。
「トータルで見たら、そんなこともないと思うけど、僕だって楽しんでるよ。友達と――じゃなかった、恋人と過ごしてるみたいで」
白夜はどんな風に得をしているというのか。
(前から知ってるみたいに話せてるし、確かに友達っぽい距離感かも! 恋人って言い直してくれたのも優しい♡♡ ほんとにこの時間いっぱい、恋人気取りに付き合ってくれるつもりなんだ♡♡ やっさし~♡)
少なくとも、この時間が彼にとって退屈だったり苦痛だったりするわけではないとわかっただけでも収穫ではないか。そう自分に言い聞かせ、手始めに上着を脱いだ。
「うん。思い切りのいい子って好きだなぁ」
しみじみした声が聞こえて、彼に見つめられていることに気付いた。ストリップを見せるところだった。そしたら、あたしのほうが『大人のためのサーカス』のアクターみたいじゃないか。
「とりあえず残りも脱いじゃうから、目瞑…………れないね!? 蛇ちゃんたちには瞼ないんだった! ごめん!! 見えないとこで脱いで――――……。下着は?♡ 履いたまんまでいいよね?♡♡」
あたしが着てるのは、水色のカラーシャツと透け防止のインナー。それから、ブラジャー。下はベージュのテーパードパンツ――そのすぐ下にパンツ。
(他人――てか、オトコに見せられるような下着着けてたかな!? ……や、可愛いのじゃなきゃ気分サゲだし、さっと見せるくらいなら問題ないと思うけど……! 新調したのいつだっけ? くたびれちゃってないかが問題!)
「なんで着けたままでいいと思ったの? 全部脱いで。ハダカになっちゃおうよ」
下着姿でもOKは出ると思い込んでいた――だからこそ、ボディケアが行き届いているかどうかより下着のコンディションを気にしていたのに――が、白夜は予想より情熱的な性質だったらしい。
「えぇ~…………。絶対?」
「うん。脱がなきゃ乗らせてあげない。強引に乗ったら元の僕に戻っちゃうし、次の機会とかないから」
「うっわ、狡猾! さっすが蛇ちゃんじゃん!!」
「ありがとう。でも、褒めてる暇あったら脱ごうね?」
ここに来て急におにーさんっぽさ出してくるの反則だと思う。油断を誘って獲物の注意が逸れたところに襲い掛かるのも蛇ちゃんポイント高くて推せるけど!
「はぁい」
時間稼ぎをしてみたが、白夜は別の方向を向く気配さえなかった。
(まぁ、どうせすぐ全部見せることになるし……。数分早いか遅いかの違いしかないか。白夜が変身解いたら、見せるだけじゃなくて、触られたり――――……ぴゃあああ!!!!! どうしようどうしよう!? 泡吹いて倒れないようにしなきゃ!!)
どこから脱げばいいか考えて、まずは靴下をスーッと抜いた。全裸に靴下残した状態が好きなオトコもいるけど、個人的によさが理解できないから。
「脱いだのは適当に置いておいていいよ。どうせ服なんていらなくなる――」
「? ……うん♡♡」
白夜が変身を解いたあとのことを念押ししてきたのだと思い、火照る頬を扇いだ。
――――彼の予告があんな意味を持っていたなんて、このときのあたしには知る術もなかった。
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