上 下
40 / 128
彼と彼女の放課後

彼と彼女の放課後<XXXVII>

しおりを挟む

「…………一緒に暮らし始めたら、毎日『おはよう』って声掛けて、俺のこと起こしてくれる?♡」

 蕾が花開くように大きな瞳が開かれて、見つめ合う。一緒に寝起きするようになったら、この時間のために少しゆとりを持って起床時間を設定するのもいいかもしれない。
 
「早起きは自信ないけど、頑張るね!」

「あ、そっか。きみって朝弱いんだっけ。じゃあ、逆だね♡♡ 俺が毎朝眠り姫きみのこと起こしてあげなきゃ♡♡」

 ぐっと握った拳をあたたかい手で包み込まれ、どこからともなく睡魔が寄ってきた。

「いいの?」
 
「いいよ♡♡ それはそれで大歓迎だし、そのほうがだよね♡ もしかしたらで起こす日もあるかもしれないけど♡♡」

 目を眇めた彼の考えが手に取るようにわかる気がした。

「…………それって……♡♡ お手柔らかによろしくね……?」

「んー……。お手柔らかにできるかどうかはきみ次第かなぁ♡♡ あんまりにもかわいい反応なんてされたら……ね?♡ わかるでしょ?♡」

 ちろり、と覗かせた舌のあかさに目を奪われる。その舌が全身を這い回ったり、あるいは眠りに就く直前の続きをしたり――――。

「~~~!」

 一瞬にして妄想が広がって、ぶわっと顔に熱がのぼってきた。

「…………さて、と! せっかく起こしてもらったんだし、俺も続きしなきゃね。きみは仮眠取らなくていいの? 俺のベッドで嫌じゃなかったら寝ていいよ?」

 一方、彼はすっきりした顔でマットレスをぽんぽん叩いた。
 
「嫌なわけない……! ……けど、眠くないし、いま寝ちゃうと夜眠れなくなっちゃいそうかも……。気持ちだけもらっておくね。ありがとう」

 心臓がばくばくうるさいけれど、眠気が覚めてありがたかったのも本当だ。

(絶対意識しちゃうから無理……! ぎゅーってしてもらうだけでもいいにおいがしてどうにかなっちゃいそうなのに、彼が使ってるベッドなんてもっと……♡♡)

「そう? じゃあ、続きやろっか!」

(…………彼とのはじめては、ここですることになるのかなぁ)

 肩を抱かれてテーブルに戻るまで、頭では少し先のことばかり考えていた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

淫らな蜜に狂わされ

歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。 全体的に性的表現・性行為あり。 他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。 全3話完結済みです。

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

職場のパートのおばさん

Rollman
恋愛
職場のパートのおばさんと…

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

高級娼婦×騎士

歌龍吟伶
恋愛
娼婦と騎士の、体から始まるお話。 全3話の短編です。 全話に性的な表現、性描写あり。 他所で知人限定公開していましたが、サービス終了との事でこちらに移しました。

今日の授業は保健体育

にのみや朱乃
恋愛
(性的描写あり) 僕は家庭教師として、高校三年生のユキの家に行った。 その日はちょうどユキ以外には誰もいなかった。 ユキは勉強したくない、科目を変えようと言う。ユキが提案した科目とは。

パート先の店長に

Rollman
恋愛
パート先の店長に。

処理中です...