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彼と彼女の放課後
彼と彼女の放課後<XXXVII>
しおりを挟む「…………一緒に暮らし始めたら、毎日『おはよう』って声掛けて、俺のこと起こしてくれる?♡」
蕾が花開くように大きな瞳が開かれて、見つめ合う。一緒に寝起きするようになったら、この時間のために少しゆとりを持って起床時間を設定するのもいいかもしれない。
「早起きは自信ないけど、頑張るね!」
「あ、そっか。きみって朝弱いんだっけ。じゃあ、逆だね♡♡ 俺が毎朝眠り姫のこと起こしてあげなきゃ♡♡」
ぐっと握った拳をあたたかい手で包み込まれ、どこからともなく睡魔が寄ってきた。
「いいの?」
「いいよ♡♡ それはそれで大歓迎だし、そのほうが配役的にも妥当だよね♡ もしかしたらキスじゃない方法で起こす日もあるかもしれないけど♡♡」
目を眇めた彼の考えが手に取るようにわかる気がした。
「…………それって……♡♡ お手柔らかによろしくね……?」
「んー……。お手柔らかにできるかどうかはきみ次第かなぁ♡♡ あんまりにもかわいい反応なんてされたら……ね?♡ わかるでしょ?♡」
ちろり、と覗かせた舌の紅さに目を奪われる。その舌が全身を這い回ったり、あるいは眠りに就く直前の続きをしたり――――。
「~~~!」
一瞬にして妄想が広がって、ぶわっと顔に熱がのぼってきた。
「…………さて、と! せっかく起こしてもらったんだし、俺も続きしなきゃね。きみは仮眠取らなくていいの? 俺のベッドで嫌じゃなかったら寝ていいよ?」
一方、彼はすっきりした顔でマットレスをぽんぽん叩いた。
「嫌なわけない……! ……けど、眠くないし、いま寝ちゃうと夜眠れなくなっちゃいそうかも……。気持ちだけもらっておくね。ありがとう」
心臓がばくばくうるさいけれど、眠気が覚めてありがたかったのも本当だ。
(絶対意識しちゃうから無理……! ぎゅーってしてもらうだけでもいいにおいがしてどうにかなっちゃいそうなのに、彼が使ってるベッドなんてもっと……♡♡)
「そう? じゃあ、続きやろっか!」
(…………彼とのはじめては、ここですることになるのかなぁ)
肩を抱かれてテーブルに戻るまで、頭では少し先のことばかり考えていた。
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