我々はうさぎではないので、乙女座の我が子にはまだ巡り逢えない

HONEY BUNNY

HONEY BUNNY<CCCXC>

「『びゅっ』なんかでいいの？♡♡ そんなちょっとで満足できる？♡♡ 何回もおかわり要求してくる、腹ぺこで欲張りなきみが、本当に？♡」

　正直に答えなければ、そこから先へは進入しないとでもいうつもりか。

　とうとう彼はピストンさえも放棄してしまって、ふたりのカラダはかろうじて繋がっている状態にまでなってしまった。

「……そこ、そんなに気にするところだった……？♡♡ 伸ばす音がなくなっただけだよ？♡♡」　

　深い意図などなかったのは本当のことだけれど、逸る気持ちがそうさせたのではないかという仮説はきっと間違っていない。
　
　羞恥心から、しらばっくれてみたけれど――――。

「そうかもだけど♡ いままでずっと『びゅーってして♡♡』って言ってくれてたのに、どういう心境の変化があったのかなと思ってさ♡ もっと勢いよく流し込まれたい？♡♡ 確かにそのほうが奥まで届きそうではあるよね♡」

　予想はしていたものの、その場しのぎの誤魔化しで納得してくれるほど甘い相手ではなかった。

「ゃっ♡♡」

　窘める以上の意味などなかったのかもしれないけれど、卑猥な台詞で辱められながら彼自身が再び奥まで打ち込まれると、素直で貪欲なカラダの芯が歓喜に打ち震えた。
　
「『ゃっ♡♡』？♡ またまた♡♡ 嫌じゃないのはわかってるんだよ……♡♡ ほんとはそれでも足りなくて、『びゅーびゅー』されたいくらいなんじゃないの？♡」

　喉の奥から笑いを響かせる彼の頬は、女性とは違って肉感があまり感じられない。

「…………っ♡♡ 『びゅーびゅー』なんて、そんなの……っっ♡♡」

　いちばん奥に押し込まれても溢れてしまうほどの大量の精を膣内で受け止めてしまったが最後、今度こそ正気を失って、人間らしい振る舞いもできなくなってしまうかもしれない。

「あ♡ 想像しちゃった？♡♡ でも、もし本当に短い射精がお望みでも、きっと『びゅっ』程度じゃ済まないと思うよ？♡♡ 全力でしがみついてきて、途中で抜かせてもくれないだろうしね……♡」

　けれど、彼もわたしもそうしたくて/してほしくてたまらないことだけは、言葉を交わさずともわかった。