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HONEY BUNNY
HONEY BUNNY<CCCXXVIII>
しおりを挟む「び……っ、くりしたぁ……♡♡ もう♡ 急にこういうことするの反則♡♡」
もごもご言ってみたけれど、だらしない笑顔のせいで、きっと本音は駄々洩れだ。
「嫌だった?♡ でも、期待してるように見えたんだよ♡♡ それに、きみが待ってなくても、俺がしたくなっちゃったんだ……♡」
彼は見つめ合ったまま、その言葉が真実であると証明するかのように、オーソドックスなキスをひとつくれた。
「ううん、嫌じゃなかったよ♡♡ ちゅーしてくれるの待ってた……♡」
ずっと腰元に置いていた手を背中まで持ってきて、ぎゅっと抱き締める。
「きみからしてくれてもよかったんだよ?♡ いつでもウェルカムって言ってあるでしょ?♡♡」
「……あ、そっかぁ♡♡ 他のところにはいっぱいしてくれるのに、わざとじらしてるのかなぁって思ってたから♡ でも、おんなじ気持ちでよかったぁ……♡」
ふわふわした幸福感に浸って、曖昧にぼかしてはみたけれど、手垢のついた暗喩はたぶん、意味をなさない伏せ字のようなもの。
「ん? 他のところ? 俺、この何十分のあいだに、そんなにたくさんキスしたおぼえないけどな……?」
しかし、彼はセックスをキスと言って譲らなかったことを忘れているようだった。
瞳の中で煌めいていた星たちは、彼がまばたきひとつするごとに飛び出しては、ちらちらと空中で舞っている。
「ほんと?♡ いまもしてくれてるのに?♡」
「…………あぁ、はいはい♡♡ そうだったそうだった♡ お喋りよりももっと集中して頑張ってたこともあったなぁ♡♡ いや、『頑張ってた』じゃなくて『頑張ってる』か♡ 本当に忘れてただけだよ?♡ こうしてきみとちゅっちゅしてるほうが自然になっちゃってたみたい♡♡ きみのナカ、ほんと居心地良くってさ……♡」
特大級のヒントを受け取って、得心が行ったらしい彼は、最奥にしつこく口付けてきた。
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