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HONEY BUNNY

HONEY BUNNY<CCCII>

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 性器を直接結合させていることを除けば、いつもどおりの愛の交歓。いままでどおりの夜の営み……とはいかず。

 思いの外強靭な声帯は、途切れることなく誘惑の音色を奏で続ける。
 
「最っ高に気持ちよく死なせてイかせてあげる……♡♡」

 壊れたおもちゃのようなわたしを、彼はそうっと横たえて、童話の王子様よろしく口付けた。

「ん……っ♡」

 けれど、わずかでも唇が離れれば、やはり慎みを忘れた喉とカラダを震わせてしまう。

「……やっっ、ちょっとま……っ、てぇっ♡♡」

 戸惑いを搔き消すように張り上げる声が盛り上げていくのは、彼の気分のみにとどまらなかった。

 『恥ずかしい』という抽象的な理由だけでこんなに有用な強化バフを使わずにいたなんて信じられない。

「待たないよ♡♡」

 呼吸を奪おうとしてくる唇から逃げるのに必死で、どうやら所有印をつけられた側の首元を無防備に差し出していたらしい。

「どうしたの?♡♡ キスマーク、つけ直してほしい?♡」

 飼い主がペットに語りかけるように、彼は尋ねた。
 
「…………どっちでもいい、けど……♡♡ っあ゛♡ 首にも、きす……ちょうだい……?♡♡」

 そんな意図があっての行動ではなかったけれど、爛々と輝いた瞳は、次なる頼み事を求めているはずだ。

 小さなおねだりをして、口を窄めてみせる。

「首にキスだね?♡♡ OK♡ 任せといて♡」

 注文を受けた彼は、所有印を吸ったあと、太い血管を挟んですぐのところも吸ってきた。

 快楽で中和されているのか、ひとつめの所有印がついた痛みに比べれば、いくぶんかわいらしいもので。

「ぁんっ♡ …………ふたつめ?♡」

 あなたなら血管の真上に吸い付いてくれてもよかったし、鋭い歯でそこを噛み切って、わたしの息の根を止めたって構わない。  

 ……いっそ、ひと思いに殺してくれればよかったのに。

 なんて、独りよがりで倒錯的な願望は、なかなか去ってくれなかった。
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