我々はうさぎではないので、乙女座の我が子にはまだ巡り逢えない

HONEY BUNNY

HONEY BUNNY<CCLXXX>

「見せたいみてほしい♡ あなたに見てもらえないと、意味ないもん♡」

　首元の所有印に手を翳し、すべてはあなたのためにしていることだと訴えれば、彼はそこも啄んだ。

　目線の高さが同じになったときに伏せられた目は、絵画の中の天使のようで。

「……っん♡♡」　

「だよね？♡ ……ってことはだよ、毎晩何度も中出しすることになると思うんだけど♡♡」

　掠れた声で確認されただけで、頬がかぁっと熱くなる。
　
　どんなふうに座っても落ち着かなくて、もじもじと擦り合わせた二本の脚のあいだ。その直下には、白く濁った水溜まりが形成されていた。

「……うん、そうだね？♡」
　
「まさかとは思うけど、自分だけはいくら出されても平気だと思ってる？♡ なんて言ったっけ……。あぁ、安全神話♡♡ まぁ、『子作りセックス解禁したけど意外と妊娠しない』みたいな話も聞くには聞くけどさ。ちょっと舐めすぎでしょ♡♡ 俺たち、いまの時点でかなり危険なことしてるんだけど、もしかしてわかってない？♡」

　彼は長い脚で囲っていたわたしを膝の上に乗せた。

　どちらかがその気になればすぐに挿入できる姿勢で、一体なにを試そうというのか。
　
「…………っ♡♡ 舐めてるとかじゃないけど……！」

　重くなった腹部の内容物が下降するのを感じるたびに、危機感や愛欲がぐちゃぐちゃと入り乱れ、背徳感と罪悪感のあいだを右往左往しているというのに。

　彼がなにかを口にすると、わたしはそのどちらをも麻痺させてしまいたくなって。

　さながら悪魔の囁きだ。

「じゃあ、なに？♡♡ そんなリスクを背負ってでも、気持ちいいのを優先したい？♡ 『ひとつになってる』って思いたい？♡ 安全日なんて本当はないんだよ……♡♡ 『すごく危ない日』と『それに比べたら危なくない日』があるだけで♡」

「ゃ……っ♡♡ 違う……と思ってたけど、そう……なのかも……♡♡ だって、見て♡♡ あなたが何回も愛してくれた証拠、残ってるでしょ？♡ お風呂で綺麗にしても全部は出てこないと思うし……♡」

　腰を上げ、充血した花弁をぱっかり開いた姿で、あくまで純情を騙れば。