上 下
361 / 533
HONEY BUNNY

HONEY BUNNY<CCLXXV>

しおりを挟む

「うんうん、そうこなくっちゃ♡♡ 味の想像つかないし、あんまりお口に合わなかったらあれだから……とりあえず、おんなじやつわけっこしよっか♡♡」

 彼は擽ったそうにきゅっと目を瞑ってから、悪戯っ子を窘めるようにほっぺを軽く摘んだ。

「そうする♡」 

「ぱっと見で気になるのある?♡」
 
「えっと……。これ、かな♡♡ そのいちばん左の……♡」

 と言って指し示したのは、寝転がっているときに見せてもらったものだ。
 
「いちばん最初に渡したやつか♡ そのキャラ、好きそうだと思ったんだよね♡♡」

 彼は指定されたドリンクをひょいっと持ち上げた。

「うん、なんかかわいくて好き♡ こっちの上様っぽいのも気になるけど、この子とずっと目が合ってる気がして……♡」

 すっかり愛着が湧いてしまったそのサソリをしげしげと見つめる。

「猛毒持ちとは思えないくらい、つぶらな瞳してるよね♡ もうひとつは……ああ、金ピカの♡♡ 上様って、そういう♡ どっちも効きそうだけど、今回はこのサソリくんの飲もっか♡ そっちは次回のお楽しみってことで♡♡」
 
 彼は、蓋を開けた瓶を口の近くに運んでくれた。

 もちろんキャラクターの印刷されたほうを向けて。

「お先にどうぞ?♡」

「じゃあ、もらうね……♡ いただきます♡」  
 
 漂ってきた薬品臭に怯みながらも、少量を口に含んだ。

「…………お味はいかがかな?」
 
「なんだろう……? 不思議な感じ……だけど、普段こういう味のもの自分で選ばないから、新鮮かも?」

 舌の上にぴりっとした刺激が走り、通りすぎていったあとも喉がかっかと燃えているようで、正直なところ好みではなかった。

「あんまり好きじゃない? 残り全部もらおうか?」
 
 すかさず申し出てくれた彼に甘えたい気持ちはあったけれど、この独特な風味はあなたの好みからも外れているだろうから。

「好きじゃない……けど、半分こしたいから♡♡」

 きっとこんな嘘なら許してくれるはずだと、一気に半量ノルマを飲み干して。

「ごちそうさまでした♡ ……はい、あなたも飲んでみて♡」
 
 飲み口を口元へ持っていけば、彼はそのまま口をつけた。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

妻がエロくて死にそうです

菅野鵜野
大衆娯楽
うだつの上がらないサラリーマンの士郎。だが、一つだけ自慢がある。 美しい妻、美佐子だ。同じ会社の上司にして、できる女で、日本人離れしたプロポーションを持つ。 こんな素敵な人が自分のようなフツーの男を選んだのには訳がある。 それは…… 限度を知らない性欲モンスターを妻に持つ男の日常

[R18] 激しめエロつめあわせ♡

ねねこ
恋愛
短編のエロを色々と。 激しくて濃厚なの多め♡ 苦手な人はお気をつけくださいませ♡

♡蜜壺に指を滑り込ませて蜜をクチュクチュ♡

x頭金x
大衆娯楽
♡ちょっとHなショートショート♡年末まで毎日5本投稿中!!

JKがいつもしていること

フルーツパフェ
大衆娯楽
平凡な女子高生達の日常を描く日常の叙事詩。 挿絵から御察しの通り、それ以外、言いようがありません。

生贄にされた先は、エロエロ神世界

雑煮
恋愛
村の習慣で50年に一度の生贄にされた少女。だが、少女を待っていたのはしではなくどエロい使命だった。

みられたいふたり〜変態美少女痴女大生2人の破滅への危険な全裸露出〜

冷夏レイ
恋愛
美少女2人。哀香は黒髪ロング、清楚系、巨乳。悠莉は金髪ショート、勝気、スレンダー。2人は正反対だけど仲のいい普通の女子大生のはずだった。きっかけは無理やり参加させられたヌードモデル。大勢の男達に全裸を晒すという羞恥と恥辱にまみれた時間を耐え、手を繋いで歩く無言の帰り道。恥ずかしくてたまらなかった2人は誓い合う。 ──もっと見られたい。 壊れてはいけないものがぐにゃりと歪んだ。 いろんなシチュエーションで見られたり、見せたりする女の子2人の危険な活動記録。たとえどこまで堕ちようとも1人じゃないから怖くない。 *** R18。エロ注意です。挿絵がほぼ全編にあります。 すこしでもえっちだと思っていただけましたら、お気に入りや感想などよろしくお願いいたします! 「ノクターンノベルズ」にも掲載しています。

お嬢様、お仕置の時間です。

moa
恋愛
私は御門 凛(みかど りん)、御門財閥の長女として産まれた。 両親は跡継ぎの息子が欲しかったようで女として産まれた私のことをよく思っていなかった。 私の世話は執事とメイド達がしてくれていた。 私が2歳になったとき、弟の御門 新(みかど あらた)が産まれた。 両親は念願の息子が産まれたことで私を執事とメイド達に渡し、新を連れて家を出ていってしまった。 新しい屋敷を建ててそこで暮らしているそうだが、必要な費用を送ってくれている以外は何も教えてくれてくれなかった。 私が小さい頃から執事としてずっと一緒にいる氷川 海(ひかわ かい)が身の回りの世話や勉強など色々してくれていた。 海は普段は優しくなんでもこなしてしまう完璧な執事。 しかし厳しいときは厳しくて怒らせるとすごく怖い。 海は執事としてずっと一緒にいると思っていたのにある日、私の中で何か特別な感情がある事に気付く。 しかし、愛を知らずに育ってきた私が愛と知るのは、まだ先の話。

これ以上ヤったら●っちゃう!

ヘロディア
恋愛
彼氏が変態である主人公。 いつも自分の部屋に呼んで戯れていたが、とうとう彼の部屋に呼ばれてしまい…

処理中です...