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HONEY BUNNY
HONEY BUNNY<CCLXXIII>
しおりを挟む「全然平気♡」
普段は開きもしない冷蔵庫の中に、大人のための未知なる世界が広がっていたなんて。
「ありがとう♡ でも、そこまで買い込んでないから大丈夫♡ ちょっと盛っちゃった♡♡ ただ、結構占領しちゃってるのは本当だから、邪魔だったら移動させちゃっていいからね」
ぺろっと舌を出した彼は、思い出したように小瓶たちをサイドテーブルに並べた。
「だよね、びっくりしちゃった♡ でも、わたしはここの冷蔵庫使ってないから、全部使っちゃってもいいのに♡」
「へぇ……?♡ そんなにいろいろ試してみたい?♡ きみも乗り気なんて嬉しいねぇ♡」
「もう♡ そういう意味じゃないのに♡ ……それより、あなたのしてた準備って、これのこと?♡♡」
昨日、そんな会話をしたおぼえがある。
あのときの疑問がこんな形で解消されるとは思っていなかったけれど。
「そうそう、よく覚えてるね♡ 他にもしたけど、ひとつはこれ♡♡ 定番でしょ、こういうの♡♡」
「定番……なのかはわからないけど、なにか『いつもと違うな』ってことはあった?♡♡」
「どうだろう?♡ こんなにぶっ続けでするのは初めてだし、わからないなぁ♡♡ 合う合わないもあると思うし、一種類だけじゃ判断できないでしょ♡ ……で、その記念すべき一本目を飲んでから一日は経ってるし、違うの試そうかと思ったんだけど♡ 次飲むやつは自分で適当に決めるんじゃなくて、この中からきみによさそうなのを選んでもらおうかなって♡」
「わたしが選んでいいの?♡♡」
「うん、決めてほしいな♡ だって、もしこのドリンクになにかしら効果があったとして、その影響を受けるのは、俺以上にきみのほうでしょ♡♡ さっきから全部おめめまんまるくして興味津々だし♡ いいよ、どれでも好きなの選んで♡♡ なんなら、冷蔵庫で冷えてるやつの中からでも♡」
「任せてもらえて嬉しいけど、迷っちゃって決まらないかも……♡」
これ見よがしに熱い視線を送れば。
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