我々はうさぎではないので、乙女座の我が子にはまだ巡り逢えない

HONEY BUNNY

HONEY BUNNY<CCXLI>

「……もう♡♡ あなたがそうやって余裕でいられるのもいまのうちなんだから♡♡」

　むくれて尖った唇をキスの催促だと捉えられるのは、これで何度目になるのだろう。

　彼の発言に含まれた意図を取り逃がすのも。

　このような体たらくでは、また先に絶頂を迎えてしまってもおかしくはない。

「へぇ、そう？♡♡ まぁ確かに、きみは俺と違って腰なんか動かさなくても、お腹に力入れれば俺のこと攻められるもんね♡ 案外、きみのほうが有利だったりして♡♡」

「そんなことないもん♡ っていうか、そんなの攻めてるって言えないでしょ……♡」

「そうかな？♡ まぁ勝負事じゃないし、本当は有利も不利もないんだけどね♡ きみも俺も負けず嫌いすぎるというか……お互いを気持ち良くしたい者同士ってことなのかな♡♡」
　
「わ、わたしだって……っ♡♡ 挿れてもらってるだけで、ぁあ……っ♡ 気持ちいいもん♡♡」

「ありがと♡♡ でもさ、奥まで挿れて馴染ませてるとき、いつも大体きみのほうから動いちゃうでしょ？♡ あれ、もどかしそうでほんっとかわいいんだけど、やっぱり止まってるより動かしたほうがきみもイイってことんじゃないの？♡♡」

　彼が一回腰を打ち付けるごとに下腹にはずしんと重い衝撃が走る。
　
「ほら、また締まった♡♡ 待ち切れないよね♡♡ ナカにびゅーって出されるの大好きだもんね？♡ 俺もきみに包まれてイくの、すごく好きだよ……♡♡」

　甘く囁かれると、胸がきゅっと疼いて、想いが口から溢れ出した。

「ぁっ♡♡ すきっっ♡ びゅーって出されるの好き♡ ずんずんって奥突かれるのも好きなの♡」

「よかった♡」

　みだらな告白を受けた彼は、ふわりと微笑んだ。

「でも……♡ んっ♡ もうちょっと頑張るって言ったばっかりなのに……♡」

　再び不満をぶつけてみたけれど、蕩けた声を上げながらでは、説得力など皆無に等しかった。