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HONEY BUNNY

HONEY BUNNY<CCXXVIII>

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 優しい言葉を掛けてくれた直後だとは思えないほど荒々しいキスだけれど、どくんどくんといつまでもおさまらない長い射精を受け止める時間にはうってつけなのかもしれない。

 彼は教えてくれている。刻みつけてくれている。誰が支配者かを、このはしたないカラダに。

「捕まえてるつもりでいても、とらわれてるのは俺のほうなんだろうね……♡♡」

 彼はわたしの流す歓喜の涙を拭って言った。
 
「…………それはどうかわからないけど。あなた、『まだ足りない』って顔してる♡♡」
 
「きみだって♡♡ きゅうきゅうっておねだりしてくれてるし♡」

 暗い双眸に燃え広がった情欲を恐れて咄嗟に顔を背けてしまったけれど、収縮はより激しくなって。

「んっ♡♡ キスしてもらえてしあわせになっちゃっただけだもん♡♡ おねだりじゃないってわけでもない、けど……」  
 
「ここからじゃ見えないけど、こんなかわいい子に根本まで咥えてもらってると思うとめちゃくちゃにしたくなるな……♡ 壊さないように、大事に大事にかわいがってあげないといけないのにね♡」

「ぁ、あああっ♡ めちゃくちゃにして……っ♡♡ あなたにめちゃくちゃに犯してほしいの♡」

 喉を反らせて無我夢中で叫び、涙と涎を撒き散らしてしまったのは、結合部から生あたたかいものが伝ったせい。

「『めちゃくちゃに犯す』……ね」
 
「…………だめ?」

 振り返って、思案顔の彼に上目遣いを仕掛けた。

 本当は、激しいなんて表現でもぬるいほどダイレクトに欲をぶつけられたいと願う自分に気付いている。
 
 支配。征服。浸蝕。正しいようでいて、そのどれもが少しずつ不適当だ。わたしの中には、この渇望を表現するにふさわしい言葉がまだ存在しない気がした。
 
「……いいや?♡ ダメなんて言わないけど、俺がきみのお願いを断るはずないってわかってて訊いてない?♡♡ でも、奥までずっぽりハメただけで取り乱すくせに、そんなに煽って平気かなと思ってさ♡♡」
 
 月蝕の空のようだった瞳には、再び鋭く光る月が昇る。

「きみはどんなふうにめちゃくちゃにしてほしいんだろう♡ 限界までじらされてイきそうでイけないのと、壊れちゃうんじゃないかってくらいガンガン突かれるのと……あとは、気持ちいいとこ引っ掻かれて悲鳴みたいに喘がされるのと♡♡ どれがお好みかな?♡」

 今宵の彼は、悪い大人の前にだけ姿を見せるサンタクロースといったところか。
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