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HONEY BUNNY

HONEY BUNNY<CCII>

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「……うんうんって頷いてるのは、喋れなくなっちゃったからかな?」

「あぁっ♡ そうなの…………♡ んっ♡ あっ……♡♡」 

 どうにか発することができたひと言も、彼が聞き取れたとは限らないと思い、首の動きで肯定の意を示し続けた。
 
「やっぱりそっか♡ お返事ありがとう♡♡ 無理に話そうとしなくたっていいのに、一生懸命お口動かして伝えようとしてくれて♡」

 すると、彼もうんうんと頷いて。
 
「……ふふ♡ びくんびくんって暴れるみたいに跳ねてるし、人魚姫みたい♡♡ 感想が聞けないのは残念だけど、これはこれでかわいいなぁ♡♡」 
 
「ん゛っっ♡♡」 
 
 一時的なこととはいえ、勝手に動くカラダと思うように話せない口を持て余す現在の自分は、狭い水槽に閉じ込められた魚のようでみじめだと思っていたけれど、彼はそんなわたしを人魚姫のようだと言う。

「…………人魚姫、か。俺のほうは、王子なんて柄でもないけど……」

 偶然の一致に驚きつつ甘い気分に浸っていると、聞き捨てならない台詞が宙に浮いて、首を勢い良く横に振った。

 性格の一部は確かに王子とはかけ離れているかもしれないけれど、見た目も振る舞いも王子様然としたひとがなにを言っているのだろう。
 
 なにより、わたしが姫だというのなら、相手役王子はあなたでなくては嫌なのに。

「……え?♡ 『そんなことない』って言ってくれてるの?♡♡」

 彼の声が少し明るいトーンに持ち直す。今度は疲れてきた首を縦に振ってから、はっきりと口を動かして呼びかけた。あなただけがわたしの――――。
  
「んっ♡ ……ぅ、じさ……ま……♡♡ ぁぁっ♡」

 その単語をはっきり聞き取れたらしい彼は、高く上げている脚に口付ける。 
 
「ありがとう♡♡ 照れちゃうな♡♡」

 ――――そこは、人魚の姫が一人の人間に恋をして得た部位。
 
「だけど……きみを独り占めできるのは、世界で俺だけだ。言い換えれば『俺は世界からきみを奪った』ことになるから、立ち位置的には王子かもしれないね♡ ……うん、そういうことにしておこう♡ どうせきみのことは誰にも渡さないし……♡♡」

 と、彼が整った唇で歪な愛を囁くものだから。

 どこまで意識しているなぞらえているかはわからないまでも、ときめきが収まらなくて、限界を超えているのではないかと思うほど膣内を引き絞ってしまった。
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